魔法戦士追放される、なので転生者を殺す。

葵流星

魔法戦士追放される、なので転生者を殺す

「…いきなり、呼び出してなんだ?。」


街で、買い出しに行っていた俺は自分の部屋に戻るとヒーラーのアナスタシアに広間の奥にある部屋に来るように言われたので、アナスタシアと共に向かった。


部屋に入ると正面のソファに勇者のカブリエル、盾役のシャルル、ターニャ、魔術師のイリス、リンネ、ヒーラーのかな子、射手のマーガレット、前衛の美奈、つむぎの9人が待っていた。


「やっと来たか…まったく…なぁ…ノア。」

「なんだ?」

「…貴様を追放する。」

「はぁ!」

「いいから、さっさと失せろ!」

「なんでだよ、理由はなんだよ!」

「お前がいらなくなったからだ。」

「だからって、いきなりかよ!」

「黙れ!」(ドンッ!)


ガブリエルが、目の前の机を叩いた。


「美奈、つむぎ、そいつを取り押さえろ!」

「…なっ、なんでだ…美奈、つむぎ!」


腕を2人につかまれた俺は、そのまま膝をつくような形になり…ガブリエルに殴られた。


「自由を奪った状態で殴るなんて…。やめろまさい、卑怯者!」

「うるさいな、アナスタシア…貴様も追放するぞ!」

「…。」


「まったく…せいせいした…これやるよ、このクソ雑魚ナメクジ無能野郎がよ!」


カブリエルは、俺に50000ゴールドが入った袋を投げつけてきた。


「…くっ、ああ…もうわかった!二度とてめえの面なんか見たくない。魔物に頭を踏みつぶされろ!女神の腰巾着!」


俺は、むかついたので部屋の壁に火炎魔法を放ち、家を出た。

そして、酒場に向かい酒を飲んだ…。


「まったく…さぁ…あいつはよぉ…俺が情報収集から値段交渉、食料調達、加護、回復、計画までやってたのにさぁ…。」

「オイオイオイ…。」

「死ぬわアイツ。」

「ほう直飲みウオッカですか…たいしたものですね。アルコール度数の高い酒は水などで割って飲みますが、気合付けに薄めずにに愛飲する酒豪もいるくらいです。」

「なんでもいいけどよォ。」

「相手はあのジョニーだぜ」

「それに樽のビールとワイン。あれもアルコールですしかもおつまみなしも無しで体に悪いい。」

「それにしても追放されただけというのにあれだけ飲むことできるのは超人的な分解力というほかはない」

「よし…と――マスター、おかわり!」

「貴様は1ヶ月出禁じゃあぁ!」

「たくっ、ジョニー…二件目行くぞ。」

「…。」

「ジョニー?」

「ああ、寝ているだけか急性アルコール中毒じゃないな。じゃあ、賭けは俺の勝ちだ。」

「…俺の負けだぁ。」


賭けを勝手に仕切っていた、マルコから金を受け取り、酒場を出ようとした時…。


「あれっ、アナスタシアじゃん。」

「くっ、ヒール!」

「ほぇっ…あ~、せっかくいい気持ちだったのに…。」

「飲み過ぎです。」

「何か用?あのクソ転生野郎には会いたくねぇ…。」

「逆ですよ、私はやめてきたんです!」

「…そうなのか。」


そんなわけで、近くの喫茶店に入った。


「ノアさんはこれからどうするんですか?」

「金稼いで、王都で隠居生活。」

「あなたらしいと言いますか…。魔王は?」

「もうどうでもいい…。」

「仲間として…そうですか…。」

「まあ、でもその前にやりたいことがあるんだよね。」

「なんですか?」

「悪い転生者を殺す。」

「…あなたはしょっちゅう町のやばい人とか不倫してる人とか血族皆殺しにしてますけど…転生者ですか。」

「うん、でも北の草原の魔女さんとかは殺さないよ。殺すのは転生者だ。」

「でも、探すのが大変では?」

「「お手伝いしますよ。」」

「えっ?」

「「初めまして、私はエクボ。この世界の女神であるリリアーナの友人の神です。」」

(それは…どうも…。)

「「早速ですが、是非とも殺してほしい転生者が居ましてね。彼らは、元の世界は陰キャ、ニートなどの社会不適合者や、性格の悪い社会人、サイコパス、倫理観が歪んだ社畜なのです。」」

(そうですか…でも、どうして私が?)

「「あなたが被害者だからです。是非ともこの世界を良くしてください、但し北の草原の魔女のような善の転生者も居ます。両方リスト化してありますのでお渡ししましょう。年齢は様々ではありますが、殺して構いません。また、一度死んでいる身の彼を殺してもあなたは死後地獄へ行くことはありません…まず、西の麦畑の木の下に来る15の男の首を切り、頭を割り、心臓を貫き、燃やしなさい。そして、黒い板のような物がこの世界を変えることになるでしょう。人数はこの世界で15人、約2ヶ月の旅ですがどうかお願いします。」」

「待って!」


そういうと、その声は聞こえなくなった。


「アナスタシア、何か聞こえた?」

「神託を授かりました。」

「…西へ行こう。」

「はい!」


西の麦畑の木の下、俺は言われた通りに転生者を殺した。


「これが黒い板か…。」

「「知識を授けよう、それを操作して今後は知識を得ると良い。」」

「なるほど…。アナスタシア?」

「はい?」

「アーシェ…。」


情報伝達の魔法を彼女にかけた。


「なるほど…それはスマートフォンと言うのですね、しかもiphone!イキり陰キャが高校デビューに失敗した感じですね!android端末の方が便利なのに!」

「これで…兵器と…ダイナマイトか。…なるほど。」

「どうしましたか?」

「これを、神殿で売ろうと思って。」

「ええ、でもそれ…化学というもので魔法では。」

「だからさ、魔法に組み込んでくれれば信頼がついて大量生産も出来る!…そして、これで調べた武器を作れば『転生者の勇者』なんかいらずに魔王を『(現世)人』が倒せる!」

「なるほど!」


その後、14人の転生者を倒した俺はかつてのパーティから、セクハラや性交を迫られたメンバーがパーティを抜けて俺の元に集まり、遂に魔王を倒すための聖剣を先に手に入れ、女遊びをしていた勇者が魔王城に向かった後、とある行動をすることにした。


2ヶ月後


神殿の前には、ノーベル氏の像が作られた。

「ノア!ガブリエルが魔王の間に…。」

「一人か?」

「ええ、他のパーティのメンバーは倒れているわ。」

「よしっ、それじゃ…人を集めて。」

「もう、集めたわ。」

「よしっ、じゃあ攻撃しよう!」


魔王城の周りは、堀と4つの砦と壁に囲まれていた。

城への入り口は跳ね橋の1つである。

なので、好都合だった。


「砲撃開始!」


まず、大砲による砲撃と魔法による垂直攻撃を行う。


「撃てぇ!」


次に、ガトリングガンと速射魔法で跳ね橋からの敵を掃射する。


「突撃!」


次に、騎兵や歩兵が突撃、城を所々爆破し逃げ道を確保する。


「ガブリエル!」

「その声は、ノア!助けに来て!」

「ここで、死ねえ!」


ガブリエルを掴み転がした後…。


「ささっと、頭を踏みやがれ!」

「えぇ…流石にそれは…ああ!やめてくれ!…くっ!」


魔王の足に血が付いた。


「違う、違う…離れろ、離れてくれぇ!…ぁぁ。」


女であった魔王はひたすらその足で、ガブリエルの頭を何度も踏んだ。

ヒールが目や口、こめかみに突き刺さりながらも何度も踏んだ。


「せいっ!」


俺は、そんな彼女の首を斬った。




その後…




「つらいなぁ…。」

「何言ってんの、パパ?」


結婚して、隠居…そこまではあってたはずなのに…。


「流石にいくらなんでも、みんな妊娠するなんて…ゴムしたのに…。」

「責任取るのが普通でしょ?みんな遺伝子検査してあなたの実の子だから…。」

「わかっているよ…。」


魔王討伐後、王都で姫様を何故か妻として貰い受け、加護弾の開発や、各地での魔物の討伐にいそしんだ俺は、その間なんやかんやあって魔法や科学をあの端末を使い、遂にはほぼ全てのデータをコピーし、元魔王城の地下、モニュメントの下に埋めた。


えくぼとの約束は果たした。


この世界は、今度も平和であるだろう…。




「「魔法戦士の役割は属性の付与や、サポートなどをしながら攻撃を行う言わば何でも屋だ、少なくとも彼には器用貧乏で自分の彼女をNTRする悪者に見えたのだろう。まさに、見苦しい嫉妬そのものだった。最初のころは、仲が良かったのに自信がついてイキり始めたのはかなり愚かだ。ダメージ量だけ見て、仕事をしていないと思うくらいの馬鹿さ加減だ。その為、パーティメンバーから見放されるのは当然で、でも彼は自分には非がない、チート性能だから大丈夫と明らかに自分に酔っていたクソ野郎だった。…と言うところかな。」」

「「やっぱり、転生者はダメなのかしら?」」

「「100%君のせいだ、女神タレイア。」」

「「面白いと思っていたんだけどね…。」」





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魔法戦士追放される、なので転生者を殺す。 葵流星 @AoiRyusei

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