第4話 国語の先生は子供

「はーい。皆さん席に着いて下さいなのですよー」


小学三年生ほどの見た目をしている少女が教室の中に入ってくる。明らかに身長一五〇センチ弱でこれ本当に先生か?と疑問に思うレベルでお肌はピチピチどっかの小説に出てきそうな見た目をしていた。


「あれ、先生なのか?」

「子供先生だ」

「可愛い」

「ちっちゃーい」


各々、自席に着いて騒ぐ中、子供先生は自己紹介を始めた。


「はーい。子供先生こと木崎なるです。皆さんよろしくお願いしますねー。ちなみに私はここの副担任なのですよー。困ったことがあればいつでも相談してくださーい」


つくよ...いや木崎先生は、見た目こそアレだが、まともな人のようだ。教卓に隠れて全く見えないが、といか、本屋さんとかでよく見る台があるように見えるんだが気のせいだろうか?


「あと、皆さんの実力を測るため、今から漢字テストを行いますよ〜。小学校の単語なので最低限あってないと補習しちゃいます、(/∀≦\)てへっ♪♪」


クラスは騒然とした。この人某先生がやらないって言ってたことを平気でやってのけるタイプの人だ。


「では、今からお配りしますよー。大丈夫、簡単なのですよー」


教師の大丈夫とか、簡単という言葉ほどあてにならないものはない。しかも、めっちゃ笑顔。笑顔で顔面をパンチされてる気分になる。


ちなみに隣の楓は、肩をめっちゃ震えさせていた。そう、慌てふためく俺の様子を見て、爆笑していた。


くそ、なぜそんな余裕ぶれるんだ?


そんな目で俺を見るんじゃねぇ。


二〇問程度の漢字テストが俺の手元に届く。文を読むのは好きな方だが、昔っから漢字だけはからっきしなんだ。


始め〜の合図とともにプリントを表に向ける。チラッと見た通り二〇問。正解が一六問未満の人は居残りですと書かれているのがやけに目に映った。


大体一五分くらいでテストは終わり隣の人と答え合わせをする流れになった。


丸、丸、丸、、、、、、まさかの全問正解、楓は親指と人差し指で丸を作った。


対して、俺の答案は一七問正解。ギリギリだった。楓は、一七点と書いた横に良かったねとコメントしていた。


え、あれ、これって回収されるんじゃね。


俺がプリントを持ったまま何もしないでいると、後ろの子がプリントを回収し、前に持っていった。


楓は、ちょっと慌てていたが、もう遅いとあきらめて、遠くの方を見ていた。


なんというか、ちょっとマヌケな姿に感謝したことは黙っていようと思う。



「みなさん、いい結果でしたよ。まぁ、補講者がいないというわけではないのですが....先生張り切って教えちゃいますよぉ」


「おぉ、神だ、俺たちに神が舞い降りたぞ」「わざと、点数落としたまである」「まぁ、子供先生の授業ならいいか」


男子の盛り上がり方は異常で、女子達にも嫌われているということはないみたいだ。やはり、人柄こそものを言うのか(まぁ、今日会ったばかりの筈なんだけどな)。


そんな感じで国語の授業は始まった。

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