133.ボスはボスでも大きいだけ

 リサの告白をついでに、ディアナにも僕の職能を話した。


 それを聞いたディアナは泣きながら喜んでくれた。


「こんな私にそれ程重要な事を話してくださるだなんて……」


 っていやいや、こちらこそだよ本当に。




 ◇




 あれから僕達はウリエルのダンジョンにやってきた。


「それでは、リサに『神々の楽園アヴァロン』を使うね、最大でも大丈夫そうだね」


「うん、お願いします」


 以前ディアナに最大付与した際はとんでもない事が起こった。


 あれから検証して一番高いステータスの分なら大丈夫と分かったので、今のリサなら最大値でもいけるはずだ。


「『神々の楽園アヴァロン』!」


 リサの身体から神々の楽園アヴァロンの光が光り、終わると凄まじい威圧感が放たれた。


 ああ、これが例の威圧感か……。


 凄いな――。


 どうしてこんな威圧感を放つようになるんだろう?



 暫くして、リサから威圧感が放たれなくなった。


「これでどう?」


「うん、威圧感無くなった!」


「これ……本当に凄いわね……ステータスが全部三万ずつ上がってる……うわぁ……」


 リサが半目になった。


「私もまだ半分も掛けてないけど、それでも凄いね」


「このままだと、アリサちゃんにも勝てなそう……私の職能って最上級のはずなのに凄く悲しくなるわ」


 『剣聖』って単純に世界最強の職能として有名だからね。


 でも、ここのダンジョンがあれば、お姉ちゃんもそう遠くない未来にレベルが上がり、最大値まであげられるかも知れない。



「それじゃ、本日は二階に行ってみようか!」


 そして僕達は一階のボスモンスターがいる場所へやってきた。


 下に降りる階段の前にボスモンスターがおり、一階の動かない土ゴーレムをそのまま五倍くらいの大きさにしているだけだった。


「なんか、ボスモンスターと言うくらいだから、ちょっと凄いのを想像していたけど、これってそこら辺にいる子達をただ大きくしただけに見えるね?」


「何だか、拍子抜けかな」


「そして全く動かないですね」


「まさか……この子も一撃で倒れるとかは流石にないよね?」


 ……


 …………


 ま、まさか~。


 お姉ちゃん、流石にそれはないん……。


 ん? お姉ちゃんその小石投げてみるって?


 ……


 …………


 えええええ!?


 小石にぶつかっただけで、大型土ゴーレムさん消えたんですけど!?


 ボスモンスターとは一体……。



「これは本当に拍子抜けだわ……」


「まぁ、他の土ゴーレムと大きさだけ変わってるからね」



 そして僕達は次の階へ行こうとした。


「あ、入れないね」「入れない……」「入れません……」


 倒したセレナお姉ちゃん以外、皆、入れなかった。


「一撃だったし……仕方ないわね」


「取り敢えず、再復活するまで待ちたいけど、ボスモンスターの再復活って何分くらいかかるんだろう?」


「他のダンジョンだと二十四時間、つまり一日丸々掛かるみたいだよ?」


「そんなに長いのか~、それでは一日一回にしようか、それまでは各自レベル上げにしよう」


「分かった~」「うん!」「はいっ!」


 そしてセレナお姉ちゃん達はそれぞれ四方に散って動かないゴーレムを倒してった。


 そう言えば、僕も次のレベルまで上げてしまおうか。


 三人が向ってない方向に向い、動かないゴーレムを指で突きながら経験値を貯めた。




 それから約三時間程して、再度中央の次階段の場所へやってきた。


「あれ? 復活してるね?」


 リサの言葉通り、ボスモンスターが復活していた。


「あれ? 一日掛かるんじゃなかったの?」


「他のダンジョンだと、一日掛かるって聞いたけど……」


 不思議だね、とは思いつつも、そのボスモンスターをディアナに倒して貰った。


 そしてもう一度三時間程待ってい見ると、再度ボスモンスターが現れたのでリサに倒して貰った。



 そろそろ時間も夜になったので、今日は一旦辞める事にした。




 ◇




 僕達は島の屋敷へ戻り、食事を取った。


「あ、リサ? 先程の威圧感ってどうやって消したの?」


「あ~あれね、『ステータスボード』の上に『神々の楽園の加護』みたいなの書いてあったから、それを押したら無くなったよ」


「押す?」


「ん? 『ステータスボード』って何となく感覚的に押したら、詳細見れるじゃない?」


「え!? そんな事出来るの!?」


「ん? くろにぃ知らなかったの?」


 僕が驚いてセレナお姉ちゃんとディアナを向いた。


 二人とも『え? そんな当たり前の事も知らなかったの?』見たいな顔をしていた。


「えええええ!? 知らなかったの僕だけなの!?」


 それを聞いた三人とも大笑いをした。


「寧ろ、クロウが一番詳しいから、既に知っているモノだと思ったよ」


「そうですね、いつも色々教えてくださるから」


「……? 詳細見るの知らないのに、くろにぃはどうしてスキルについてそんなに詳しいの?」


「え? 《天の声》さんから教わるから?」


「《天の声》さん??」×3


「えっ? あれ? みんな知らないの?」


「う~ん、あ! もしかして『女神様の声』の事かな?」


「『女神様の声』?」


「ほら、職能開花する時だけ聞こえるでしょう? -まもなく職能開花が始まります。-って」


 リサの『女神様の声』の物真似がとても似てる。


「あ~世界の声さんね」


「世界の……声? って事は天の声さんとは違うの?」


「うん、声は似てるんだけど違うかな」


「???」


「こう、知りたい事があると頭の中で教えてくれるみたいな?」


「そんな声聞いた事もないよ?」


「え!?」


 まさか……《天の声》さんも僕だけなの!?




 名前 クロウティア・エクシア

 年齢 12歳(男)

 種族 人族(神々の楽園の加護)

 職能 アザトース

 レベル 59

 HP 400×10=4000

 MP 800×50=40000

 力 590×10=5900+30000

 素早さ 590×10=5900+30000

 器用さ 590×10=5900+30000

 耐性 590×50=29500+30000

 魔力 590×300+5000=182000+30000

 精神 590×300=177000+30000


 [従魔] 『アルティメットスライム』ソフィア,『ガーディアン』ヘレナ


 [レジェンドスキル] #&$% ,#!$&,異次元空間魔法,精霊眼,神獣の加護,奇跡の大地

 [魔法系統スキル] 中級回復魔法,火属性魔法,水属性魔法,風属性魔法,土属性魔法,転移魔法,雷属性魔法,霧属性魔法,木属性魔法,氷属性魔法,光属性魔法,闇属性魔法,影封印,飛行魔法

 [スキル] 痛覚無効,睡眠無効,言語能力,魔法超強化,多重魔法発動,魔法調整,魔法無限固定,魔力高速回復,魔力超上昇,魔法高速演算,MP消費超軽減,超手加減,自動収集,自動魔法

 [技] MPドレイン,神々の楽園アヴァロン,エリクサー,ソーマ

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