第46話 魔道具の作成

◆ホルデニア支店を改築していた頃◆


 ナターシャお姉ちゃんは回復してからご飯もしっかり食べれるようになった。


 以前は病気でやせ細っていたので、それほど目立っていなかったけど、今は美人さんだと一目で分かる。


 白銀色の長い髪と綺麗な翡翠色の目、整った顔、身体も健康体に戻り、道を歩いてるだけで、みんな振り向く程の美人さんだ。


 ナターシャお姉ちゃんだが、初めて見たとき、僕が真っ先に思ったのは前世のテレビで見た『アイドル』だった。


 そんなナターシャお姉ちゃんから「私は何をしたらいいですの?」と言われ……『アイドル』と答えてしまった。



 あれから数時間『アイドル』について説明したら、面白そうだと喜んでくれた。


 ナターシャお姉ちゃん、美人で笑うと天使に見えてくる。



 あれからナターシャお姉ちゃんは知り合いの音楽隊を雇い、元々身体を動かす能力も高かった事から、歌いながら踊るという事をすぐに吸収し猛練習を続けた。


 そういえば、『アイドル』なら、次は『ライブ』かな?


 テレビで見た『アイドル』ってどうだったかな……。


 綺麗な服を着て、マイクで歌を歌って、後ろには音楽隊がいて…………うん! 『ライブ』用の道具を作ろう!



 まずはマイクを作る事にする。


 マイクっぽい形の『棒』を作る。


 その『棒』の先に魔法を固定させる魔石を付ける。


 魔石がキラキラと光って、これはこれで良かったのかも。


 そこに異次元空間魔法を固定させる。


 声や音に反応して発動するように設定し、声や音を一度異次元空間に送る。


 送られた声や音は、今度は『箱』から出るように設定する。


 つまり、『棒』に入った声や音が瞬時に『箱』から流れ出る仕組みだ。


 しかし、このままでは只声や音が流れるだけだ。


 なので、『箱』から声や音が出た時に反応して発動するように風属性魔法を威力0のまま、とにかく高速広範囲に発動するよう固定する。


 これで『棒』に入った声は瞬時に異次元空間を通って『箱』から前方に広く放出する。


 うん! テレビみたいにマイクで歌った声がこちらに届く事の再現が出来た!




 次の日――。


 今度は店の内装を見た。


 屋敷ではいつもメイドさん達が準備してくれて気づいていなかったけど、実はこの世界ってとても不便だ。


 その中でも一番大きいのは『水』だ。


 僕が何気に屋敷で使用していた『水』だが、あれは毎日汲んで来てくれていたものだと知った。


 前世では回せば水が出るのが当たり前だったけど、この世界にはそんな道具はないと言われ、ちょっとショックだった。


 なので、蛇口を作る事にした。



 まず、異次元空間に『水』のスペースを作る。


 そこに水属性魔法を威力0にして無限固定で無期限保てる『水』を作ってみる。


 結果、それは大成功だった。


 魔法で作った水だけど、しっかり飲める水だった。


 寧ろ魔力を含んでいるせいか、今まで飲んだ水の中で一番美味しいまである。


 威力を0にして無限固定にすれば、『普通の水』を作る事が出来るなんて、良い研究になった。


 そこから、僕は魔力高速回復で回復する程度のMPで異次元空間に水を作り続ける事にした。



 - スキル『自動魔法』を獲得しました。-


 『自動魔法』

 条件を満たしたら設定した魔法を自動的に発動させる。



 《天の声》さん久しぶりです!


 異次元空間の水スペースに『水』を作り続けるよう自動魔法を発動させておく。



 今度は水のスペースから『水』を放出する魔法を固定した魔石を作る。


 しかしこのままではあまり使い方が良くないから、三角型の箱に左上面と右上面にそれぞれ魔石を設置。


 その魔石を押すと、下の面から『水』が出る仕組みで作った。


 出る量を変えるには三角型の箱の異次元空間魔法固定を変えなきゃいけないので難しいから出る量は変えられない。


 因みに、魔石が二つあるのは『普通の水』と『温水』を出すためだ。


 何もない状態で右魔石を押しても何も起こらない。


 左魔石を押すと『普通の常温水』が出る。


 今度は右魔石を押す事で『水』を暖かくする火属性魔法の固定が発動させ『温水』を出す仕組みだ。



 それから店内に水が必要そうな至る所に設置して、みなさんに使い方を説明した。


 みんな顎が外れるくらいには驚いてくれた。


 一番喜んだのはナターシャお姉ちゃんで、部屋に付けて欲しいと言われナターシャお姉ちゃんの部屋にも付けてあげる。


 そう言えば、水捨て場を忘れたから、異次元空間に『排水』スペースを作り、水捨て用のバケツ型箱も作ってあげた。







 名前 クロウティア・エクシア

 年齢 6歳

 性別 男

 種族 人族

 職能 アザトース

 レベル 49

 HP 520/520

 MP 45000/45000

 力 490×10=4900

 速 490×10=4900

 器用さ 490×10=4900

 耐 490×50=24500

 魔力 490×300=147000+5000

 精神 490×300=147000


 『レジェンドスキル』

  #&$% 、#!$&、異次元空間魔法、精霊眼、神獣の加護


 『魔法系統スキル』

  中級回復魔法、火属性魔法、水属性魔法、風属性魔法、土属性魔法、氷属性魔法、雷属性魔法、霧属性魔法、木属性魔法、光属性魔法、闇属性魔法、転移魔法


 『スキル』

 言語能力、睡眠無効、痛覚無効、多重魔法発動、魔力超上昇、魔法無限調整、魔力高速回復、魔力超強化、魔法高速演算、MP消費超軽減、自動魔法、影封印、超手加減、自動収集

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