第30話 レベル上限と魔石

 あれから8層のモンスターを倒し続けて、数時間後――。



 - レベルが49になりました。-

 - 職能アザトースは、レベル49より上昇するには特別条件を満たす必要があります。-

 - 現在特別条件を満たしていないため、レベル上昇が不可能です。-

 - レベル50で解放されるスキルはレジェンドスキル『奇跡の大地』です。-



 レベルが49になった時、《天の声》さんから声がした。


 どうやら、ここからレベルを上げるには特別条件を達成しなければいけないそうだ。


 特別条件ってどういうこと?



 『職能アザトースのレベル解放特別条件』

 次期スキルにまつわる条件を満たす事。



 次のスキルって『奇跡の大地』と言っていたよね。



 『奇跡の大地』

 解析不可。



 あぁ……解放するまで教えてくれないのかな?


 まず、名前から奇跡の大地、奇跡と大地を分けてみよう。


 大地はつまり、土地の事だよね?


 それとも土属性魔法とかかな? 土属性魔法と木属性魔法を足したら大地属性魔法になったりして…………。


 まさか――!?








 そんなことはなかった。


 取り敢えず、今はまだ条件が分からないのでこれは保留する事にする。




 屋敷に戻ったら、メイドのリーナさん出迎えてくれる。


「リーナさん、ただいま~、サディスさん知りませんか?」


「クロウ様。お帰りなさいませ。サディス様は旦那様と奥様と一緒に貴族会へ行かれました。サディス様より、クロウ様がお帰りになられたら伝えるように言われております」


「貴族会ですか! 分かりました。そういえばリーナさんは魔石について詳しいですか?」


「魔石ですね? 魔石はモンスターを倒した際に落とすもので、通常モンスターからは出ず、ダンジョンのモンスターからのみ出るそうです。通常モンスターは魔石が出ない分、身体が素材となりますが、ダンジョンのモンスターは倒すと消えて、魔石になります」


「あ~、たしかにそうでしたね。どちらも長所短所があるんですね」


「そうですね、ただ…………どちらかと言うのでしたら、ダンジョンのモンスターを倒す方が良いとされています」


「えっ? そうなんですか?」


「はい。世界には数多の魔道具がございます。今この屋敷に使われている『えあこん』という魔道具というのがあるほどです。そういう魔道具は人類の生活を豊かにしてくれますが、ただで動いてる訳じゃありません。その力を継続させるため使われるのが魔石です。ですので素材よりも魔石の方がよく売れるのです」


 あはは…………『エアコン』は魔道具じゃなくて僕の魔法なんだけど、これは家族以外には秘密にすると言われたっけ。


「へぇ! 魔石って大事なんですね、魔石はどこで買えるのですか?」


「はい、各町で魔石の取引をしてくれる店もありますし、魔石屋がない町では冒険者ギルドなんかで取引されています」


「そうなんですね! リーナさんありがとう!」


 リーナさんのおかげで魔石について詳しくなった。


 しかしこのメイドさん、他のメイドさんと違って仕事はテキパキだし、知識も相当深いのは気のせいだろうか?



 レベルが上がらなくなったあの日から数週間経った。


 あれからずっとルシファーのダンジョン8層で魔石集めをしている。


 理由は特にないけど、魔道具用に取っておくことに越した事はないだろうという考えでだ。



 『次元袋』の位置確認でダグラスさんが本日港街セベジアに帰還したのを確認した。


 明日には会いに行くので、今日はその下準備をすることにした。


 今日来たのは、エドイルラ街の魔石屋だ。


 魔石屋で取引に来た訳じゃなく、値段を調べに来た。



「あら、ここは子供が来るような場所じゃないわよ?」


 魔石屋の店員のおばちゃんだ。


「こんにちは!」


「可愛らしい男の子だね? どうしたんだい? 坊や」


「はい! 父さんが冒険者なんですけど、魔石のお値段? を聞いて来てくれって言われて」


「なるほどね、しかし自分の息子にそんなお遣いをさせる冒険者なんて……」


「実は……昨日父さん、怪我して帰って来たから……」


「そうだったのかい、それは悪かったわね。値段だけど、こちらが値段表になるけど読めるかい?」


 そう言い、おばちゃんは値段表を渡してくれた。


「はい! 読めます!」



 値段表は以下


 ①魔石小 - 大銅貨一枚


 ②魔石中 - 銀貨十枚


 ③魔石大 - 金貨一枚


 ④魔石特大 - 買取不可



 以上の値段だった。


「おばちゃんありがとう! 魔石特大って何ですか?」


「うん? 魔石特大はね、物凄く強いモンスターからたまに出る魔石で凄く大きいのよ、これは国で買い取りになるから、うちみたいな魔石屋では買えないんだよ。そもそも値段も付けれないくらい高いしね」


 特大は普通には売れないのね。


「ありがとう!」


「父さんにもお大事にね~」



 明日にはダグラスさんに会いに行かないと。




 ※通貨の説明


 銅貨一枚 = 日本円で十円換算


 銅貨 = 十円


 大銅貨 = 銅貨百枚 = 千円



 銀貨 = 大銅貨十枚 = 一万円


 大銀貨 = 銀貨百枚 = 百万円



 金貨 = 大銀貨十枚 = 一千万円


 白金貨 = 金貨百枚 = 十億円



 各国の平民の下層の平均月収入は銀貨十五枚程、中層は銀貨三十枚、高層は大銀貨一枚。


 全ての国の通貨は統一されている。


 東大陸の帝国は元々物交換がメインだったけど、グランセイル王国との貿易で共通通貨に変わった。




 名前 クロウティア・エクシア

 年齢 5歳

 性別 男

 種族 人族

 職能 アザトース

 レベル 49

 HP 520/520

 MP 45000/45000

 力 490×10=4900

 速 490×10=4900

 器用さ 490×10=4900

 耐 490×50=24500

 魔力 490×300=147000+5000

 精神 490×300=147000


 『レジェンドスキル』

  #&$% 、#!$&、異次元空間魔法、精霊眼、神獣の加護


 『魔法系統スキル』

  中級回復魔法、火属性魔法、水属性魔法、風属性魔法、土属性魔法、氷属性魔法、雷属性魔法、霧属性魔法、木属性魔法、光属性魔法、闇属性魔法、転移魔法


 『スキル』

 言語能力、睡眠無効、痛覚無効、多重魔法発動、魔力超上昇、魔法無限調整、魔力高速回復、魔力超強化、魔法高速演算、MP消費超軽減、影封印、超手加減、自動収集

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