閑話
休日の趣味
「あ、シェーリンさん…」
「ん?あぁ、君は…」
私が近くの川に釣りをしに来たら、そこにはシェーリンさんがいた。
私はシェーリンさんと少し離れた場所に荷物を置いて、仕掛けの準備をし始める。
「チェリアさんも釣りをするんですね」
「え、えぇ…。最近、始めました…」
あぁ、緊張してる私…。
フルティエさんやノアさんには普通に喋れるのに、新しく入ってきた人たちにはまだ吃っちゃって声が出なくなっちゃう。
「ふふっ、そんな緊張されたら私も居ずらくなっちゃいますよ」
「あ、あぁ!すみませんっ!」
多分、今私の顔真っ赤になってると思う…。顔が熱くなってるのが分かる。
なんでこんなに人と喋るのが緊張しちゃうんだろう。
「あ、おもり忘れた…」
「なら私が貸しますよ」
隣からシェーリンさんがおもりを投げてくれたのをキャッチする。
「ありがとうございます…!」
私は無事、仕掛けを準備して、釣り糸を垂らした。
「…あ、あの、釣れますか…?」
「うーん、私はまだ坊主ですよ…。全く、せっかくの休みなのにお魚さんたちは…」
シェーリンさんの近くに置いてあるバケツを覗くと確かにお魚は1匹も入っていなかった。
「あ!来ました!」
シェーリンさんが声を上げて、リールを巻く。
釣竿の先はかなりしなっていて、何かが食い付いたのを物語っていた。
「が、頑張ってください…!」
「うっ、くぅ!」
その迫力に、歩いていた通行人も思わず足を止めてシェーリンさんの釣りの結果を見守る。
「くぅぅう!来ます!」
勢いよくシェーリンさんが釣り上げたのは中にたっぷりと水が入っている瓶だった。
「えっ」
「ふふっ」
「あぁ!笑わないでくださいっ!」
周りのギャラリーにも笑いの渦が巻き起こっている。
「あははは、シェーリンさん面白い!」
「もぅ!」
それをきっかけに私はすらすらと言葉が出てくるようになっていた。
「…楽しいですね!」
「えぇ、本当に!」
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