間章:使用人の能力把握

第84話目 まとめてみよう

 起源のジェンドマザーを討伐してから、数日後に俺は豪邸に戻り、自室で休んでいた。

 未だ夏休みの真っ只中で学校は始まらないからと豪邸に住むことにしたのだ。

 そして、今回の出来事で色々なことが起こった。


 いくらかあるから、それを自分の中でまとめてみようと思う。


 1つ目はジェンドマザーが俺に付いてくるようになったこと。

 ジェンドマザーは小さくなって人間を模倣することは出来るが、1番大事である肌の色が青色なのだ。

 そして、ぷるぷると震えて他人が見れば魔物だと1発でバレるような容姿をしている。

 俺に付いてくる限りは人間との接触は避けるに避けれない問題だ。

 だから、今はフェルに人化を訓練してもらっている。

 練習して他人が見ても魔物だと分からなくなってから、行動は一緒にするということにした。


 そんなジェンドマザーは水系統魔法が得意らしく、俺の知りえない領域の知識を知っていてかなり話していると面白い。

 最初はちょっとめんどくさい事が起きるかもと思っていたが、今ではずっと話してるくらいには仲良くなった。


 そして、2つ目はオーウェンについてだ。

 今はまだエマと俺とフェルしか知らない事実だが、ジェンドマザーを討伐したその夜にエマから話があると呼ばれて、そこで聞いたのはオーウェンが魔人のような気配を放って、ジェンドマザーを支配していた男である、オスカーを倒したのだという。


 魔人に似た気配と聞いた時に、「支配の核」を思い出したが、あれは支配のノーフェイスが作り出した物であり、もうこの世にはないとは言いきれないが、その可能性は低いと思った。


 これ以上、候補が浮かばないと思った俺は、エマに承諾を取り、フェルにも話をして知恵を借りることにした。


 そこで、フェルが結論付けたのはオーウェンが「悪魔」と契約をしているのではないか?ということだった。


 悪魔というのは魔人とはまた別の種族で、魔界に住んでおり、その体では主界に来ると直ぐに霧散して消滅してしまうらしい。

 その原因は悪魔の性質にあり、悪魔は実体を持たない種族で、星幽体と呼ばれるマーティナのスキルの幽霊体とはまた違う特別な体を持っていて、それで、今俺たちが住んでいる主界では適合せずに霧散してしまう。


 だが、そんな霧散してしまう悪魔がこっちの世界に来れる方法は2つあり、その1つは体を乗っ取る方法であり、実体が無いなら用意をしようという方法。

 もう1つはして儀式をした者を乗っ取るという方法である。

 本当は儀式で契約した悪魔は契約主には逆らえないのだが、その力の差が圧倒的である程、悪魔は乗っ取る力を持っているという。

 まぁ、つまり悪魔は依代となる器がない限りこの世界では死んでしまうということだ。


 こうして、フェルとエマと話し合った結果、オーウェンは悪魔にのっとられているのではないか?という疑惑が生まれたのだ。


 次に、3つ目はセリアという使用人たちを襲った金髪の女の人についてだ。

 そのセリアという女性は今は俺の豪邸に捕らえている。

 ギルドにも渡しても良かったが、今はかなり王国内はバタついているので取り敢えず置いておくことにしたのだ。

 セリアはオスカーに使えており、オスカーが死んだと聞くと死のうとしたので、2人は深い絆で結ばれていたのかもしれない。

 取り敢えず、この豪邸に置いておいて、処遇を決めることにした。


 そして、最後に先程も言ったが、王国がジェンドマザーとフェルの事でかなりバタついている。

 そりゃあそうだろう、いきなり現れた超巨大スライムが王国を襲おうとして、攻撃を仕掛けたらその次に白銀の獣と戦い始めたのだ。

 俺は小さいから目視できた人間はあまりいないと思うし、目視できたとしても識別は出来ないと思うけど、フェンリルの姿を見た人はかなり居たと思う。


 だが、これはフェルが人前でフェンリルに変わらなければバレないだろう。


 そして、噂によればフェルリルを討伐しようと言う動きがあるらしく、噂は噂だが警戒していようと思った。


 これが、起源のジェンドマザーを倒した後に起こっていた出来事だ。


 ひとつひとつちゃんと対処していかなければならないな。


「ノア様ー、ご飯ですよ」


「あぁ、今行くー」


 取り敢えず飯食って今後のことは考えるとするか。










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