新政府の成立(ながれ)

なかoよしo

酷刑

幕末。


今となっては昔の事だが、下田に黒船がやって来た時に偉人が不平等な条約を突きつけてきた事があった。

井伊直弼という男は、時の徳川将軍に取り入り、幕府の緊急事態として自らを大老という絶対的な権力者に任命させると思うがままに攘夷志士を裁いていった。

が、その実、彼自身も熱烈な攘夷論者であり、異的討つべしとは思っていたが、異国人と接する事で、国自身のポテンシャルを知ってしまった彼は、外国と戦争すれば日の本は滅んでしまうと理解したため、開国を突き進めるしか道がなかった。


たとえ、誰に後ろ指をさされようとも。


その後、誰にも理解をされなかった彼は、桜田門で暗殺される事になる。


明治維新。


不平等条約の撤廃。

樺太問題。

朝鮮問題。

様々な問題を抱えていた新政府は、西郷隆盛と大久保利通の意見が衝突。

民主主義として皆の意見を纏める事は難しかった。

結果。

大久保利通は最高権力者である内務卿を制定し、自ら内務卿の地位につき、反対勢力を一掃した。

廃藩置県により士族の経済的特権を奪い、廃刀令により、地位的特権も奪っていき、佐賀の乱では江藤を極刑に処し、晒し首にし、全国に鉄道や小学校をつくっていった事で、士族の不満は溜まっていった。


その後、西南戦争が勃発。


勝海舟は士族を率いて静岡県で茶の栽培をはじめて、生きる道を与えたが、同時期に無血開城を果たした西郷隆盛は、士族に死に場所を与えたのだった。

新兵器を取りよせる事もできたのに、旧式の武器を使い、割腹して戦争を始めない道もあつたのに、それもせず、あえて勝ち目を削いだ上で起こした内乱だった。


戦争の話をきいていた木戸孝允が病床の最中、「ええかげんにせんか、西郷」と言い残して死んだ。


そして、西郷隆盛は戦死する。 


難攻不落の熊本城を攻略できず、加藤清正公に負けたといい、最期は、「ここらでよか」と自刃した。


その翌年、大久保利通は皇居に向かう途中で暗殺された。

潔癖で、国の建て直しのために私財を投じた彼は八千円(現在の価値で二億円ほど)の借金があり、所有財産も抵当に入っていたが、その人となりを知っていた債権者たちは誰ひとり遺族に返済を求めなかった。それどころか遺族のために集まった募金が八千円もあったという。


倒幕の功労者たちが居なくなり、ようやく日本は新たな国づくりが始まり、内務卿も廃止され、伊藤博文により内閣制度が成立することになる。


法治国家の始まりである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新政府の成立(ながれ) なかoよしo @nakaoyoshio

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る