Part.3

 「ええ!紅茶も緑茶も抹茶も、どれも好きですが、こうしてスイーツにして食べるのも大好きですの!今後も様々なスイーツを作る予定ですので、宜しければご賞味下さいませ」

 「楽しみにしているよ」

 これ美味しいね、というオズヴァルドに、ロゼアリアは満面の笑みを浮かべた。

 「へえ。これ面白いな。美味い」

 「ありがとうございます、サタン様」

 好評価のオズヴァルドとサタンに対し、レヴィアタンは微妙そうな表情をしていた。

 「これ……ちょっと苦い……」

 「抹茶は苦味が特徴ですので、少し甘さ控えめにしましたの。苦過ぎました……?」

 「ヴィアは甘党だもんな。……ほい。こっちの普通の方、やるから」

 「イル……ありがと……」

 すかさず、サタンがレヴィアタンが食べていたプリンを己のものと交換した。

 サタンとレヴィアタンは同時期に生まれたため、七つの大罪の悪魔達の中でも特に仲が良い。互いに「イル」「ヴィア」と愛称で呼ぶ程だ。ちなみに、『イル』とは古代語における憤怒を意味する『イーラ』から取っているとか。

 「本当に、お二人は仲がよろしいのですねぇ……」

 「まあ、人の事は言えないんじゃないかな?」

 ねえ?と笑うオズヴァルドの言葉に、ロゼアリアは顔を真っ赤に染めた。

 「それにしても、これ全部ロゼアリアが作ったんだろ?凄いな」

 「お褒めに預かり光栄ですわ。スイーツ作りは趣味ですの。レパートリーを増やしたくて、沢山練習しましたのよ?」

 ふふ、と微笑んで答える。ロゼアリアのスイーツ作りの腕は、アテレーゼ領の料理人のお墨付きなのだ。かなりの自信を持っている。

 「凄い……美味しい……」

 「そう言って頂けて嬉しいですわ」

 そうしてしばらくの間、四人でティータイムを楽しんだ。

 

 「ああそうだ。数日後、アテレーゼ領に視察に行きたいから、予定を開けておいて欲しいんだ」

 「かしこまりました」

 オズヴァルドの言葉に、頷いた。

 オズヴァルドとロゼアリアの婚約は、結婚後、オズヴァルドがアテレーゼ家に婿入りする形で決まっている。将来的には、ロゼアリアが領主となり、オズヴァルドが家令として共同で統治をする。その為に、オズヴァルドは領地の現状と領民の生活様式を学んでおく必要があるのだ。

 「そんな訳で、サタン様、数日出張したいのですが」

 「了解。代理の調整はしておけよ」

 「分かりました」

 スケジュール帳を取り出して、書き込んだ。

 その後日程の話し合いを少ししてから、各々自分の仕事へと戻っていった。

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