9話 ルビアの才能
「なんで怒ってるの?」
流石に幼馴染である以上、ルビアが怒っているのはわかる。でも今回何かしたとは思えなかったので謎であった。
(何かしちゃったかな?)
「別に! それよりも早く魔法を教えて」
「あぁ......」
お互い隣り合わせの状況になってルビアに魔法のことを聞く。
「前にも教えたけど、魔法って適性魔法とは真逆の魔法以外なら使えるって覚えてる?」
「うん。私は光の適性だから、闇が使えないってことだよね?」
「あぁ」
ここでわかっていなかったら、ルビアが
「じゃあ魔法を使うコツだね」
俺はそう言って説明を始めた。魔法を使う時、どのように意識したほうがいいのか。そして威力の制御方法など様々なことがあるけど、今回一番大切なのは、イメージ力。だからこの点に関して重点的に説明をした。すると首を傾げながら尋ねられた。
「体全体から魔法を使うってこと?」
「違う違う。俺のイメージだけど、体全体から魔法を使う場所に魔素を移動するイメージだよ」
そう。基礎魔法や範囲が小さい魔法を使う時、大抵はどこかしらから出すのをイメージする。
例えば、ミアが使った
「ふーん。じゃあ私なら
「あぁ。じゃあ早速やってみるか」
俺はそう言って、指を軽く切って血を流す。するとルビアは顔を真っ青にしながら言う。
「なんでそんなことしたの? 早く直さなくちゃ!」
「軽い傷だから大丈夫だよ。ルビアは魔法を使えるように頑張って」
先ほどまでとは血相を変えて、魔法に集中し始めた。
(失敗したな......)
そこから一分も経たないでルビアが俺に
(あれ?)
魔法を最初に使った人が、こんな早く傷が治るわけがない。それこそ今回治った傷の速度的に熟練の冒険者と同等レベルの速さであった。
「大丈夫?」
「あぁ。ありがとな」
「うん。それよりも今後自分をいたぶるようなことはしないで!」
「ごめん......」
やっぱり、傷を作ったのは失敗だった。ルビアがここまで真剣に考えるとは思ってもいなかった。
「わかればいいよ。でもちゃんとノア自身を大切にしてね」
「うん」
そこで魔法の授業が終わって教室に戻った。その後の授業は、特に何も無く終わり、ルビアと一緒にミアのところに行き、話しかけた。
「ミア! ダンジョンのことで話したいことがあるから、今日私たちの屋敷に来てもらうことはできる?」
「わかった」
その後、ラッドとミーシェに合流して屋敷に戻り、ラードンの件について話始めた。
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