4話 アリアブル家とは


 アリアブル家が元公爵家だって? なんでミアがそんなことを知っているんだ? 俺ですら知らないことなのに......。


「私も詳しくは知らないけど、元公爵家ということだけ伝えておきたくて」


「なんで俺の実家が元公爵家ってことを知ってるの? 俺も知らないのに」


「えっと......」


 言えないことなのかな? ミアを疑っているわけじゃない。でもここまで重要な情報を知っているか疑問でしょうがなかった。


「まあ言えないならいいよ」


「ち、違うの! えっと......。前にあった時、私と関わる人がちゃんとした家柄なのかどうか調べられちゃって」


「あ~ね」


 そういうことか。まあ王族なら情報を調べるのなんて当たり前か。ましてや他種族な人だ。調べなくちゃだよな。


「ミアはそれ以外に何か情報を持ってる?」


「一応は持ってるよ? でもそっちより情報の確証がないから言えない......。ごめんなさい」


「いいよ。伝えてくれてありがと」


「うん!」


 元公爵家かもしれないって情報を聞けたことだけでもよかった。父さんがスクリーティアに来る前行っていたのは多分このことだと思う。だけどそれ以上の情報も父さんは持っていると思う。


(次会ったら聞いてみるか)


 あの時は時期が来たら教えるって言われたけど、今は違う。ミアから情報を得てしまったので、これがあっているのかどうか父さんに聞かずにはいられない。


 ミアに話を聞いた後、屋敷に戻る。みんながいつもいる部屋の中に入るとなぜかルビアが座っていた。


(どうしたんだろう? いつも食事が始まるまで自室にいるのに)


「ただいま」


「おかえり。それでミアから何を聞いたの?」


 不安そうな顔で尋ねられる。


 さきほどミアから聞いたことを伝えていいのか。少し迷った。なんせこのことは多分王家の中でも一部の人しか知らないと思う。だからルビアが知っている可能性は低い。だったらこのことを伝えたところで、ルビアの負担になってしまう可能性がある。


「今は伝えられない。ごめん。でも必ず言える時になったら言うからその時まで待っていてほしい」


 すると先ほどまでの顔がすぐになくなり、笑顔で言われた。


「うん! 待ってる。じゃあご飯にしよっか!」


「あぁ」


 お互い、先ほどまでの雰囲気ではなくなり笑いながら食堂に向かった。そこからたわいのない会話をしていた時、ラッドとミーシェが真剣な顔をしながら話しかけてきた。


「あの......。今後のことで少しお話してもいいですか?」


「聞いていただけたら嬉しいです」


「わかったわ」


 ルビアがそう言うのと同時にミーシェが話し始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る