8話 友達1号
ルビアとミアと一緒に魔法室に話しながら向かう。
「ノアは魔法が使えるからもうわかっているのよね?」
「あぁ。ミアもだろ?」
「えぇ。ルビアは?」
「私も一応わかっているわ」
「そっか。なら緊張とかしないわね」
「うん」
誰だって最初は緊張するよな。自分の思っている適性じゃなかったらがっかりするし、逆に思っていた適性なら嬉しい。その点、俺たち3人は全員適性がわかっているから楽だな。
その後も他愛の無い話をしていると
「突然すみません。私、
「お初にお目にかかります。ローリライ王国第二王女---ルビア・ローリライと申します。私の右隣にいるノアは同じ国出身です。そしてミアも少し前からお付き合いがあるお友達です」
「お初にお目にかかります。
俺も挨拶しようか迷ったが、シュクリードさんが話そうとしていたからやめてしまった。俺は男爵家であり、王族じゃない。この学園では対等を言い分にしているが、本当は対等な立場じゃないし失礼なことはできない。それに俺の事はルビアが説明してくれたしな。
「そうなのですか! 誠に申し訳ないのですが先ほどお話を聞いてしまいまして、皆さんすでに魔法が使えるのですよね?」
全員頷くと感心したような顔で尋ねてくる。
「ルビア様にミア様、ノア様は適性は何なのですか?」
まず最初にミアが答え始めた。
「私は風です」
「私は光です。ノアは闇だったよね」
「あぁ」
すると俺への目が警戒している目に変わった。
「闇ですか...」
「はい。あまりいい印象がありませんもんね」
はっきり言う。ぶっちゃけ闇魔法と聞いて良い印象を持つ人はいない。
「ノア様は闇魔法を嫌になったりしないんですか?」
「まあなってしまったものはしょうがないので、嫌と言うわけではないです」
「そうですか」
あまりいい雰囲気出なかったが、ルビアとミアが
「でもノアはすごくいい人だよ?」
「えぇ。ノアは良い人よ? 属性だけで決めつけるのはよくないわよ?」
ミア...。俺を庇ってくれてるのは嬉しいけど、その言い方だとシュクリードさんを責めているようにしか聞こえないよ...。でも二人の言葉が聞いたのか、シュクリードさんが俺に向ける目が戻っていった。
「お二人がそのように言うのでしたらそうなのかもしれませんね。ノア様、初対面なのに申し訳ございません」
「いえ、王族として疑ってしまうのはしょうがないと思います。なので気にしないでください」
貴族、王族と階級が上がるにつれて警戒心が強くなるのも当然だから、闇魔法と聞いて警戒するのは当たり前だ。なんせ闇魔法で有名な人は大抵が悪事をしていたりしているのが文献に残っているし。でも闇魔法の人を使っているひとで良い印象を与えた人もいるから全員が悪い人と言う印象でもないと思う。
「あとシュクリードさん、私たちに敬語はいらないわよ? 同じクラスメイトですから」
「え? そう? わかった」
ミアが言う通り、俺には敬語はいらないし、ルビアとミアにとっても王族同士敬語はいらないと思う。数少ない王族だしな。
「じゃあ、ルビアにミア、ノア今後宜しくな?」
「「「うん、よろしく」」」
でもよかった。こうして学園に来て友達一号ができた。まあまた王族だけど...。欲を言えば俺は男爵家ぐらいの友達も欲しいな...。
そしてやっと魔法室に着いて適性検査が始まった。
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