第20話 『和平協議』 その10
『とにかく、ここから、救出してもらわないとにゃんこ、どうにもならないにゃん。』
と、ねこママがささいて来ました。
『うん・・・・あの、ぼくらが、どっちに味方するということはないですが、もし、あなたが、地球における占領体制も、撤退も含めて見直すように計らってくれるなら、またぼくらを地球に帰すなら、協力します。』
ぼくは、思い切って、そう言いました。
そこまでさせる意義が、ぼくたちにあるのかは、かなり疑問でしたが。
すると、新司令官は、あっさりと答えたのであります。
『ほう。なるほど。いいでしょう。まあ、実際、本ごきは、地球に関しては懸念があったのです。コストが高くつきすぎるのです。地球人は、思ったよりも優秀のようなのでね。また、他の生き物の抵抗が大きい。わが同胞の地球ごきも、必ずしも好意的ではないようだ。将来の占領政策は、かなり困難と思われる。あなたがたが使用したガスは、非常に効果的であり、われわれは、事実上、敗北した。ただし、本ごきの、決定権は限られている。最終的には、陛下次第だから。陛下が、占領を続けるとするならば、増援部隊が来るでしょう。しかし、このガスは、もともと、我々が開発していたものの改良型のようですが、こいつは、我々のガス・マスクも、効果がないのは、だから、良く分かっていますよ。増援しても、無意味だ。』
『ぼくらの拘束は、解いてくれますか?』
『もちろん。この、『急速推進エレベーター』に乗ってください。この惑星には、地下水路が広がっております。こいつは、この惑星の地下水路を自由に移動することが、できるのです。地球時間の2分くらいで、首都に着きます。ただし、まず、あなた方だけで行ってください。安全の為です。お互いの。』
『なんと? 2分? それは、すごいな。まあ、いいでしょう。いや、助かります。』
やはり、宇宙ごきのテクニックは、端倪すべからざるもののようなのです。
ぼくたちの、ここまでの苦労は、なんだったのかしら。
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イカ焼きおじさんたち、レジスタンス部隊は、一歩早く、首都の村に到着しました。
『よし、みんないいか。評議員会の建物を、占拠する。情報では、宇宙ごきは、ふにゃふにゃだ。気合いを入れて行こう。』
『お~~~~~~~!』
彼らは、トンネルの出入り口に関して、むかしのミタメクマが残した、詳細な図面を入手していました。
その、扉の開け方なども、記載されております。
村のミタメクマが知らない、出入り口が、かなりあるのです。
評議員会本部の地下にある通路もそうです。
レジスタンスがなだれ込んだ時、評議員たちは、会議を終えて、父親ミタメクマさんと補佐役は、協議の会場に戻るために間一髪、建物から退出していました。
侵入した部隊は、ただちに建物を占拠し、そこにいた全員を、拘束したのです。
『おろかなことを。』
最長老は、そう、言い放ったのです。
火山の噴火は、彼らの予想をはるかに超えていました。
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