第17話 『和平協議』 その8
ぼくたちは、深い神秘を感じながら、しかし、かなりの恐怖感をも抱きながら、その黒い地底湖を見下ろしました。
どのくらいの深さがあるのか、見当もつきません。
明かりと言えば、反対の崖ぞいに、小さな照明が、いくつかあるだけです。
『なんで、ここで止まったのかなあ。』
『くまさん、なんとかならないにゃんか?』
『くま~~~~。またく、反応しないくま。お手上げくま。』
『また、押してみようか?』
『うんにゃ。それしかないにゃん。』
『では。やれやれ・・・・』
と、ぼやきながら、ぼくは、暗い足元を気にしながら、カーゴから降りたのです。
すると、その地底湖の湖面が、にわかに波立ってきたのです。
『にゃん。女神様でも出るにゃんか?』
『怪獣くまかも。』
『あらららら・・・・』
ぼくは、カーゴの後ろ側に掴まりながら、湖面を見ていました。
すると、その地底湖の中から、円筒型のエレベーターのようなものが現れたのです。
『な。なあ、なんだあ。』
そうして、間髪を入れず、そのドアが開いたのです。
光の中に、なにか、黒いものが浮かび上がりました。
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焼き鳥おじさんたちが乗った、長い弾丸のような車両は、それはもう、驚愕のスピードで突き進みました。
『これは、すごいなああ。』
『だろ? ぼくも、びっくりだった。試運転の時は。』
これならば、あまり時を置かずして、首都である村に到着しそうだったのです。
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村のミタメクマ評議会は、和平に進むことを決定しました。
そこで、たたき台となる、和平案の草案を作成し始めたのです。
もちろん、反対のミタメクマ評議員もありました。
それでも、宇宙ゴキが誠実かどうかは疑わしいモノの、先の司令官に比べると、ずいぶんまともなゴキのようだったので、ここは、賭けに出たのです。
そこに、またまた、伝令が駆け込んできたのでした。
『くま! 地下通路から、地下レジスタンスのくまが殴り込みみたいくま。』
『なに! ううん・・・・・』
みためくま君の父親が、これまた、低い唸り声をあげたのです。
『警備くまを出せ!』
『了解。くまくま。』
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