第11話 『和平協議』 その2
『それでごきごき。2時間休憩にしたい、ごきごき。そこで和平案の草稿を、双方提出するごきごきな。』
『2時間でくまか?』
補佐役のミタメクマさんが言いました。
『完全な文体でなくてもいいごきごき。そういうのは、専門の官僚ごきがするごきごき。』
『いや、いいでしょくま。休憩くま。』
みためくまさんの父親は、あっさりと承諾しました。
すると、新司令官が、ぼそっと言うのです。
『もし、必要ならば、トンネル内の捜索に、要員をおかししまごきごき?』
『え? くま。・・・・・・・』
父親くまは、実はかなりそれが気になっていたのです。
『地下の反体制派は、あなた方にとっても、我々にとっても、やっかいごきごき。』
『ふうん。地球人はどうするくま? 開放してやってほしいくま。和平を結ぶなら、彼らは地球に戻してもらいたいくま。』
『ほう・・・ごきごき、それは、少し、考えごきごきな。』
会議は、それで一旦、休憩となりました。
しかし、こどもくまさんや、ぼくたちが、本当にかなり危ない状況だと言うことは、まだ誰にも分っていなかったのです。
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『出られないなあ。ママ、なんかいいモノ持ってないの?』
『マンガじゃあるまいにゃ。ないにゃ。』
『そうだよねえ~~~。ここで溶岩に焼かれるのかなあ。』
ぼくらの着ていたスーツは、ここのくまさんたちに、もって行かれたので、ぼくらは普段着です。
『まだ、わからないくま。溶岩の性質はいろいろあるくま。ここの火山は、わりとねばねばした溶岩らしいくま。そんなに、早くは流れないらしいくま。』
『でも、流れて来てるんだろ。あの音。』
『音は、反響するものくま。』
『まあね。洞窟の中に入ってきたら、チューブチョコみたいに、押されてゆくんじゃないかなあ。』
と、しろと同士が、よくわからない話をしているところに、なんと、焼き鳥おじさんが駆け込んできたのです。
『焼き鳥おじさんだ。どうやって?』
『あいつら、しろとだな。すきが多い。なんか騒ぎになって浮足立ったから、ぶん殴って、カギもいただいた。おいら、柔道5段、タルレジャ拳法師範、銀河華道免許皆伝、おまけに、調理師だぞ。だ。ついでに銃もいただいた。ちょっと安っぽいがなあ。さあ、出よう。ほれ。』
おじさんは、ぼくに銃を投げてよこしました。
使い方なんか知りません。
ぼくは、ママに渡しました。
焼き鳥おじさんは、ぼくたちの牢屋のトビラを開け、ねこママのところも、同様に開けました。
『だれも見えないな。やつら、どこに行ったのか?』
『まあ、いいにゃんこ。さっさと、逃げるにゃん。』
『よし、付いてきなさい。後ろも注意。』
焼き鳥おじさんは、慎重に進みました。
しかし、その不気味な轟音は、ますます強くなってきます。
『あの、乗ってきたカーゴが、残ってればいいが。さっきは、まだあったんだ。』
『そりゃあ、ないにゃん。とっくに乗って逃げたにゃんこ。』
『そうだよな。まあ、しかし、可能性はあるぞ。あれは小さいから、連中、ひとくまかふたくまくらいしか乗れないだろ。』
『にゃんこ。』
その時です。
突然、洞窟内の明かりが、全て、消えてしまいました。
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