第9話 『人質?』 その3


 ねこママは、どうやら隣の部屋に監禁されたようです。


 なにしろ、洞窟の中です。


 薄暗いけど、最低限の明かりは、ところどころに照明が点いていて、確保されています。


 部屋のドアの作りは、木製で、かなりいいかげんで、隙間だらけなので、外部の音は結構聞こえます。


 しかし、分厚いので、打ち破るのは無理なようです。


 ただし、洞窟そのものは、かなりていねいに掘られたらしくて、特に表面がお化粧されたり、地面が舗装されているのではないのですが、大体均等に、きれいに掘られていました。


 ここは、メイン通路からは、どうやら壁一つ隔てた場所にあるようです。


 本来は、工事用の事務所とか、休憩所とか、そんなものだったのではないかと、想像します。


 『ぼくの能力では、ここからは、意思が伝わらないくま。でも、この連中の声は、聞こえないくま。ちょっと、種族が違うくま。』


 『ふうん。まあ、けっこう、君たちにも、長い歴史があるみたいだしね。君たちのことは、焼き鳥おじさんから、いくらかのことは聞いたけど、多くは謎の存在みたいだし。一定の、空間会話の能力があるとは、聞いた。』


 『地球人も、謎の存在、くま。地球では、悪い噂は、あっという間に広がると聞いたくま。地球人には、ものすごい妖怪的能力があると聞いたくま。体から、殺くま光線を発射したり、火を吹いたりする、とか。森の上を飛んだりとか、だから、脱出も、できるんじゃないかなあとか・・・でも、ほらだったみたいな、くま、・・・たぶん、宇宙ごきだけが、両方のすべてを知っているくま。共通語も、そこから来たくま。』


 『ごもっともです。確かに、そういうテレビアニメや映画は、ありますな。お互いを知ると言うことは、思ったよりも難しいものです・・・あれ、なんか、音、しない?』


 『く、ま。聴覚は、互角くらい見たいくまけど、確かに、なんか、響いてるような。』


  すると、隣の部屋から、ママが叫ぶのが、聞こえました。


 『洞窟の中を、何かが流れてるにゃんこ。』


 いやああな、感じがしました。


 あの、巨大火山が、まだ噴火していることは、間違いなさそうです。


 まさか、洞窟内に、溶岩とか流れ込んでいる。。。。なんて。


 すると、図太い大声が聞こえたのです。


 『総員、避難! 避難!』


 監視役の、みためくまさんたちが、ばたばたと、走ってゆくような音がしました。


 ぼくたちは、取り残されたのかもしれません。


 

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