第4話 『逆転』 その2
ぼくらは、真っ暗な、はてしなく続く洞窟を、ヘッドライトを頼りに進みました。
ときどき、横穴があるのです。
しかし、みためくまさんは、意外なくらい内部をよく知っていたようでした。
『あそび場にしてたくま。』
『にゃんこ。危ないあそびにゃ。』
『うん。いなくなった子もいたくま。そこを右に行くと、火山の下の方に着くくま。普通は大丈夫くまけど、巨大噴火になったら、ここは溶岩が流れるらしいくまら。壁に触ったらわかるくま。火山岩くま。』
『そりゃあ、焼き鳥おじさんじゃあなくて、焼き肉おじさんになるなあ。』
『冗談になりませんね。』
『さっさと、行くにゃんこ。』
その時でした。
向こう側から、怪しい、一つ目怪人があらわれたのです。
その光は、どんどん、大きくなります。
みためくまさんが叫びました。
『やたああくま。カーゴが見つけてくれた。もう、安心くま。』
そうです。
それは、サファリパークの中の見学バスみたいな感じの乗り物でした。
『ささっと、のるくま。』
言われなくても、ねこママがまず乗りました。焼き鳥おじさん、ぼく、最後に、みめくまさんが、乗り込むと、バスは、反対側を頭にして、進み始めたのです。
運転手さんは、いません。
『自動操縦にゃんか。すごいにゃん。ミタメクマ族の発明? それとも、宇宙ごき?』
『ぼくらのご先祖が作ったくま。今は、作れない。惑星中にあったけど、どうなってるんだか分からない。』
特に舗装されているようでもないのですが、乗り心地はなかなか良いのです。
『ずいぶん。しっかりした足回りだなあ。』
焼き鳥おじさんが、感心したようにいいました。
『べつに、パトカーで来なくても良かったような。』
『これは、高いところには行けないです。地の中を這うだけです。
みためくまさんが応えました。
ただ、スピードは、あまり早くはありません。
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宇宙ゴキと、ミタメクマ人との和平協議は、予定通りに、惑星ミタメクマの、宇宙ゴキ本部で行われることになり、ミタメクマ族の代表6人が建物に入りました。
すったもんだの末、護衛の地球ゴキ、3ごきの同行が許可されました。
武器は、受付で預かりと言う条件です。
しかし、宇宙ゴキは、かなり不利な状況に陥っていました。
というのも、ごきらららんは、地下の爆弾の起爆装置を改修して、そのスイッチをあの測定機に組み込み、自分が秘かに持って来ていたのです。
だれも、それが武器だとは思いませんでした。
懐中電灯みたいな感じです。
実際に、懐中電灯にもなります。
全員が席についてから、護衛にあたっている、ごきらららんが、その事実を明かしました。
『そうれは、事実ゴキゴキか?』
『もち。ごき。やってみっごきか?』
『いや、いや、結構ですごきごき。』
新しい司令官が言いました。
『あなたのことは、母星本部から情報をもらったごきごき。ただごきではないごきごきなな。』
『ほっほほほほほのごき。』
そうして、この、非常に困難な和平会議は開催されたのです。
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宇宙ごきの母星では、総督閣下が、突如倒れたのです。
非常に悪性の急性宇宙ゴキがんでした。
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つづく!
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