第3話 『逆転』 その1
惑星ミタメクマ上の宇宙ゴキ進駐軍や、移住者たちは、もともと宇宙ゴキが人類用に開発したふにゃふにゃガスを、地球ごきにより、宇宙ゴキ用に調整された、火山噴出型ガスにより、ふにゃふにゃになったのであります。
どこから現れたのか、まったく不思議なことなのですが、それまでは、まったく考えれていなかったくらい、多数のミタメクマ人が現れたのです。
どうやら、長く、地下深くのシェルターに潜んでいたらしいのです。
一方、ぼくと、みためくまさんと、ねこママ、さらに、焼き鳥おじさんは、再び合流できました。
ちょっと、先ほどのダイブは、怖かったです。
それでも、このスーツは頑丈で、中身はしっかり保護したのです。
飛行機のお客様全員に着てもらったら、万が一の墜落事故の時などには、役に立ちそうです。
『あらまあ、よく、ぶっ潰れてますねぇ。』
ぐちゃっと潰れたパトカーを見ながら、ぼくが感心しました。
『おじさん、無事でよかった。』
『いやあ、おいらもダメかと思ったが、やはり、このスーツがすごい。』
『にゃんこ。お高いににゅわん。高級自動車一台分位するにゃ。』
『へ~~~~~~。ママ、やはりお金持ち?』
『リースにゃん。』
『あ、そうですか。』
しかし、そんな話をしてる最中に、火山が一層激しい爆発をしたのでした。
真っ黒な雲のようなものが、走り降りてきます。
『火砕流か、火砕サージか、とにかくまずいな。』
『くま。こっちくま。ほら、ここ、入口があるくま。』
『ほんとだ、おかしなつたみたいな木に覆われてるからわからないなあ。』
『入るくま。』
ぼくたちは、みためくまさんに率いられて、洞窟の中に入りました。
スーツの頭には、強力なライトが付いていました。
『長い間、使ってなかったくま。本当は、太陽エネルギー発電と地熱発電で、明かりも入るはずくまなんだけど、宇宙ごきに見つかるのを避けたくて、点けてないないくま。』
『どうやって、点けるにゃん?』
『それは、知りませんくま。』
『そりゃあ、どうも失礼しにゃんこ。』
『いえいえ。でも、この洞窟は、村までつながってるくま。壊れて無ければくまくま。』
『歩いたら、いつ着くやら、わからないにゃん。』
『くま。移動用のカーゴがあるはずなんだくま。歩きながら探すくま。』
『にゃんこ。まあ、暗闇は得意にゃん。人間は、ダメにゃんこ。』
『そうですねえ。人は、暗闇は苦手です。ちょっと、水が出てますねぇ。』
『くま。修繕してないくま。ひどくならなければよいくま。』
『おかしな仕掛けとかしてないよな?』
焼き鳥おじさんが言いました。
『それが、あるかも。くま。くま族以外の侵入を感知すると、妨害装置が作動するかもしれないくま。』
『そうですか。』
『どんな仕掛けにゃんこ?』
『それはまあ、生き物が思いつくのは、似たようなものくま。落とし穴とか。槍が降って来るとか。壁がどしゃんと、両側から閉まるとか。水攻めとか。レーザー光線で体ごとばらばらにするとか。でも、電気が落ちてるから、効いてないかもくま。』
『そうであってほしい。』
ぼくが、しみじみと、言いました。
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新しい、宇宙ごきの司令官は、本部に再着陸しました。
前司令官は、すでに脱出用宇宙ポッドで、母星に向けて発出されていました。
しかし、あたりは、例のガスによって包まれています。
『危ないゴキゴキ。出るとごきごき。』
部下が言った。
『まあ、この宇宙服ならば、大丈夫だ。ただし、時間は、限られる。ミタメクマ人の代表を呼べるか?ごきなん。』
『有線放送をつかいまごきごき。』
『おう。それはよきごきごき。』
新しい副官は、通信回線を有線放送に接続しました。
『ぴん、ぽん、ぽ~~~~ん。みなさんこんにちはごきごき。こちらは、ミタメクマ星管理本部事務所です。本日、夕方4時より、本部事務所で、和平会議を開催したいと思いまごきごき。ミタメクマ族の代表の方は、6くままで、ご招待いたしまごきごき。繰り返します・・・・・なお、武器はお互いに不所持とします。インチキなしで、やりましょうごきごきな。』
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つづく
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