登校

「よ!おはよ!!今日もいい天気だね」


「白いパンツのせいで天気が陰ってるよ」


短いスカートの中に白い影が見えるのに

堂々と仁王立ちしてるから

無駄に恰好がついて格好が悪い


「さいてい!!!」


坂の草をスノーボードのように滑らせ

そのまま、翔貴の顔面、目掛けて、スライディングする


でも


野球選手でもない柏木真帆の足は

目掛けた顔面ではなく、僕の顔の前で停止

しかも、足が不格好に曲がっていてスライディング若葉級なのが垣間見えた。

しまいには、坂をスライディングしたせいでスカートが半分、めくれあがってる


さっきは白い影だったものが目の前で露わになった


「さいあく...」


翔貴のつぶやきを聞いて柏木真帆は血相を変えて、曲がってる不格好な足をそのまま、勢いよく延ばして顔面キックを試みる


これは不可避


グヌッ!


柔らかいようで硬い、靴裏の衝撃を受けた。


学校はまだ始まってないのに、1日を終えたような疲労感を顔面に塗って

柏木真帆と河川敷の学校までの道を歩く


「マジでさいてい!あんたに見られるために履いてるんじゃないんだからね」


少し痛みが残る鼻を抑えながら僕は言う


「俺の目だって、お前のパンツ見るためについてるんじゃねーよ」


「この減らず口!!」


毎朝、柏木真帆とこんなしょーもない話をしながら学校に向かう。


同じクラスメイトだから、そのまま一緒に教室に入って


それぞれの席に着く。


柏木真帆とは小学校からの仲


でも小学生の時は関わりなかった


同じ高校に入学してから話すようになって、それが今ではマブダチに


男女の友情があるって柏木真帆にならいえると思う。


「おいおい、また仲良く2人で登校か?お熱いねぇ」


クラスで一番仲のいいマサキが今日もにやにやしながら言う


「そんなんじゃねーよ」


柏木真帆は確かにかわいい方には入ると思う。


でも、小学校の頃からの友達で幼い時を知っているから、同い年だけど、幼い時のイメージが残ってて恋愛対象にならない。


ってかなれない


「毎度のことだけど、2人仲良く登校してるの見ると、羨ましいな。俺も彼女と登校してー!


「仲よかねーよ。さっき、顔面キックされたかんね?」


「いや、逆に仲良くなかったら顔面キックされないと思うぞ?」


「あ、確かにそれは一理ある」


「むしろそれしかねぇ」


「やっぱ、マサキ頭いいな」


「だろ?そろそろHR(ホームルーム)だぜ」


「おう」


マサキはだるそうに自分の席に向かった


やっぱりマサキは頭がいい。でも、めちゃくちゃ頭がいいってわけではなくて

得意な科目は点数良いけど、苦手な科目はほんとに低い


そんなやつ


そんなマサキとは高校で初めて知り合った。

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