第20話 清算される時間
五時間目の途中で学校に着いたのだが、教室に司はいなかった。勢い勇んで教室に飛び込んだので、物凄く肩透かしを喰らった気分である。
「あれ?」
「心道、お前休みじゃなかったのか?」
古文担当の先生が板筆の手を止め、教室の出入り口でぽかんとしていた僕に訊く。
「あーっと、熱が下がったので出てきました」
「そうか、なら早く席に着け」
「あ、はい」
すごすごと自分の机に着席する。
鞄から教科書とノートを取り出して、こっそりと机の下で携帯電話を操作する。『今日休み?』と司へメールを送る。
普段の司はメールの返事が早いのだが、その日は放課後になっても返信が来なかった。
一日位待とうかとも思ったが、昨日から今日までの自分の心情と照らし合わせてみるに対処は早い方がいいと判断し、アポイントは取らないまま鳥茅家に向かうことにした。
途中で昨日の不良を見かけた。どうやら生活圏が丸被りしているらしい。まあそうでなければそう何日も連続で見つけられもしないだろう。
また何かあるかと思ったが、相手は僕を一瞥しただけで何もなかった。
昨日の粛清で手打ちということなのだろうか。不良の考えはまったくもって意味がわからない。
しばらく自転車を漕いで鳥茅家に到着した。鳥茅家を訊ねるのはこれで二度目。ほんの数日前のことなのに、いまは随分昔のように思える。
それはこの数日で色々と経験したからだろうか、それとも僕のあり方が変わったからなのか。どちらにせよ一度目と同じ僕ではないことは明白だった。
もうこの左手には何もない。責任を押し付ける相手は消失した。今この瞬間に何が起きようとも、それらは全て僕本人の責任になる。そう考えると何故だか晴れやかな気持ちになれた。
僕が僕として僕に責任を持つ。
そうか、僕はそんな当たり前すらも二年前から欠如していたのか。
だとすれば司はどうなのだろう。
そんなことを考えながら、表札の下にある呼び鈴を押す。
「はーい、ってあら、佐々部君じゃない」
司の、もとい杏子の母親が玄関から出てきた。
「こんにちは」
「杏子に用事かしら?」
「はい、学校をお休みになったので気になりまして」
「前に言ったことを実行してくれているのね。ありがとう」
杏子の傍にいて欲しい。一度目にここに来たときにそう言われた。
「杏子さんは」
「二階にいるわ。体調が悪いわけじゃないのだけど、元気がないって言うものだから休ませたの。会ってあげて。きっと元気になるわ」
杏子の母親はそう言って玄関に招き入れてくれた。
階段の手前で杏子の母親は思いついたように言う。
「そうだ、佐々部君ココア飲む?」
「せっかくですが」
一瞬惹かれたが断った。
「ああそうね。野暮なことはしないからごゆっくり」
「いや、だから僕達はそんなんじゃ・・・。」
僕の弁明を訊くことなく杏子の母親はリビングへと消えた。
追いかけてまで訂正するのもなんだかな。
とにかく当初の目的を果たそうと二階に上がって司がいるはずの部屋をノックする。
「・・・いるか?僕だけど」
中で動く気配が伝わってきた。返事はない。
「話をしないか──司」
「違うだろ」
ドアは開かないまま中から声が返ってきた。
「違うって?」
「名前、司じゃない。俺の名前は鳥茅杏子だ。伏見司じゃない」
それは擦れたような、湿り気を残しているようなそんな声だった。さっきまで司が泣いていたことは見るまでもなく伝わってきた。
「ドクターの話を信じたのか。入れ代わりなんて起きてないって、そう思うのか」
「やった本人からありえないって言われたらな。しょうがないだろ」
声が近づいた。恐らくドアの目の前にいる。
僕はドアに背中を預ける。向こうからもドアに力が加わるのが伝わってきた。
見えない背中合わせのまま僕は言う。
「僕の方は区切りが付いたんだ」
あえてそういう言い方をした。僕の方は、と。
「区切りって、左手のことか」
「ああ、それも含めてだ。もうこの左手が勝手に動くことはない」
僕は昨日別れた後から今日の正午に至るまでの左手とそれに関わる事柄を話した。
左手が治療されたこと。僕が二年前に本当は何をしたのか。そして真がそれを知った上でどう接してくれたのかを。
司は黙ってきいてくれて、僕が話終えると「そうか」と呟いた。
「佐々部の問題は終わったのか」
「終わってなんかいない」
「ん?」
「言っただろ、区切りだよ。こういうことになったっていうだけで、僕のやったことは終わらない。仮に僕が死んだとしても残した影響に終わりなんかないんだから。左手が正常になろうがどうしようがやったことは変わらないわけだし、変わっちゃ駄目なんだとも思う。区切りがつこうがどうしようが一生向き合っていくことなんだ」
間を置いて司は言う。
「佐々部は本当に乗り越えたんだな。まあお前はいいよな、なんせ自分のことなんだから」
それは嫌になるくらい冷えた声だった。
「司、僕は──。」
「だから、違うんだって!俺は司じゃなくて杏子なんだよ。ただ勘違いしてるだけで、虚構を正しいと思い込んでるだけで、俺は司じゃないんだ」
大きな声ではなかった。
もしかしたら母親に気兼ねしているのかもしれない。つまりはその程度の冷静さは残っているということなのだろう。
けれど、それはやはり叫びだ。自分だと思っていたものがそこには存在しない。鳥茅杏子であることを認められず、伏見司は否定された。ここにいるのは「ツカサ」という響きだけしかない、どこまでも曖昧な人間だった。
ツカサが震えているのが、ドアを通して僕にも伝わる。
「何なんだ俺は、一体誰なんだよ。わかんねぇよ。俺には俺としての実感しかないのに、ここに確かに俺はいるのに、何だよ本当は杏子って。じゃあ俺の今までの七年間は何だったんだよ」
自分が自分でないと言われたのだ。それは一体どれ程不安の大きいことなのだろう。少なくとも僕にはわからない。
「佐々部、俺は怖いんだ」
「・・・うん。」
「ドクターは元に戻せるって言ってただろ。実際にどうやるかは聞かなかったけれど、杏子の自我を取り戻すことはできるってあいつは言ったんだ」
「ああ、そうだな」
「でももし杏子の自我が戻ったら、俺はどうなるんだ?」
搾り出すようにツカサは言う。
「昨日まで俺は魂みたいなものがあって、杏子っていう器に入り込んでるだけなんだと考えてた。だから杏子の魂をこの体に戻したいと願えたんだ。その代償に俺が弾き出されてもいい、天に召されるのか地獄に落ちるのかは知らないがどうなったって構わないと思ったんだ。でも本当は魂なんてものはなくて、ただ杏子が自分を司だと思い込んでるだけなんだ。それなら確かに戻すことはできるだろう。この暗示を解いてくれりゃいいんだから。でもさ、それが叶ったら俺はどうなるんだ?魂すらない俺はただ無かったことにされるのか?なあ佐々部、俺は怖いよ。何も残らず消えちまうのが凄く怖い」
途中からツカサは泣いていた。不安と恐怖に押しつぶされそうになっている。
肉体と魂が分けられるのなら、魂だけになった場合も考えることができただろう。それがどういう状態かはわからずとも、少なくとも自分というものがそこにあることだけは確かだ。
それは意識の有無などではなく、確固たる個があるということだ。
翻って、今のツカサにはそれがない。今持ち合わせている自我が単に暗示の結果であるのならば、仮に杏子の自我が戻った際にツカサという個はどうなるのか。
死とも違うただの喪失。
そんな事実に晒されたツカサの心中は、僕には計り知れない。
だから僕は言った。
「別に杏子に戻らなくてもいいじゃん」
「──っ。」
息を呑む音が聞こえた。
それは恐らく、ツカサも何度も思ったことなのだろう。
「お前の言うとおりだよ。ツカサの魂なんてものはなくて、ただ鳥茅杏子が自分のことを伏見司だと勘違いしてる。そんだけだろ。だったらいいじゃん、無理して怖い思いしなくても」
「そんなの・・・。」
「許されない、とか思ってない?そんなことはないさ。許すも何も、鳥茅杏子はちゃんと生きてるじゃないか。体を乗っ取られたわけじゃない、ただ認識がちょっとずれてるだけだ」
僕は言う。
「戻るのが怖いなら戻らなくたっていい。ツカサを責める人なんてどこにもいない。勿論、僕もお前の味方だ」
答えはなかった。ただすすり泣く音だけが聞こえてきた。
十分ほどお互い無言のまま、ただドアに背中を預けていた。
ドアの向こうから深く息を吸い、吐く音が聞こえた。
「ありがとう佐々部」
「どうも」
「でもやっぱり俺は、このままでいいとは思えないんだ。怖いくせに、逃げ出したいくせに、そう思っちまうんだ」
なあ、どうしたらいい、とドアの向こうのツカサは言う。それはすがる様な声で、こんな状況なのに僕は頼られたことが少し嬉しかった。
何かあるだろうか。今のツカサにしてやれることが。ツカサの悩みに区切りをつけてやれる方法が。
ツカサと出会ってからのことを考える。思ってみれば僕は伏見司よりも鳥茅杏子として接してきた期間の方が遥かに長い。ほんの数日前だ、司がツカサだと知ったのは。初めてこの家に来たときはまだ──。
ああそうだ、一つだけ思いついた。
「なあツカサ、墓参りに行こうか」
「は?」
間の抜けた声が返ってきた。
「伏見司の墓参りに行くんだよ」
僕がそう提案すると、ドアの向こうのツカサは、
「…何の為に」
と本気でわからないという風に訊いてきた。
僕はそれには答えず、
「伏見司の墓が何処にあるのかは知ってるか?」
と訊いた。
「ああ、一応は、でも──」
「よし、じゃあ明日の朝迎えに来る。準備して待っててくれ」
「いや、俺はまだ…あれ、佐々部?」
管を巻こうとするツカサを無視して僕は階段を降りた。
リビングの戸を開くと、杏子の母親は夕方のニュース番組を見ていた。
僕を見て「ココア飲む?」と訊いてきたが、僕はそれを断りつつ頭を下げる。直角に九十度。
そして言った。
「明日、娘さんとデートさせて下さい」
「任せた!」
間髪いれずに返事が返ってきた。
*
翌日、僕とツカサは電車に揺られていた。
二両編成の田舎列車である。ともすればSLでも走っていそうな風景の中、ボックス席で向かい合わせに座っている。
「何と言うか、佐々部は結構無茶苦茶やるな」
僕達以外には誰も乗っていない車両にツカサの声が響く。ツカサは進行方向に背を向けて座っている。
時間は午前十時、当然いつもなら学校で授業を受けている時間帯である。別に今日は祝日でもなんでもないので、今の今状況はつまるところサボタージュだった。
「善は急げだよ。まあ善行かどうかは微妙なところだけど、にしたって普通に学校とか行ってられないだろ」
窓の外に目をやる。山と田畑しか目に映るものはなかった。
「随分と田舎にあるんだな。司の…えっと、祖父の家だっけ?」
「ああ。父方のな」
気のない声で返事をしながらツカサはスナック菓子を摘む。
昨日のドア越しよりはよっぽど気力が戻っているようだけれど、それでも本調子ではなさそうだった。
「気になってたんだけどさ」
「何だよ」
「ツカサ、いつもと服の趣味違わないか?艶のあるリップとかつけてるし………どうした?」
「佐々部がデートとか言うからだろうが。何か気合入っちゃったんだよあの母親が」
ああ、と納得する僕。
そういえば今朝玄関で挨拶したときも妙に笑顔だった。
昨日はツカサが文句を言う前に状況を進めてしまおうと思って大して考えもせずにあんなことを言ったけれど、デートという単語を簡単に使いすぎてしまったかもしれない。
「っていうか何で娘が学校サボってデートするのを意気揚々と見送ってるんだよ。七年間通しても未だにあの母親だけはわけがわからん」
「単純に大事なんだろ、我が子のことが」
「そりゃ申し訳ない話だな」
ツカサは自嘲しつつ苦笑する。
いつもより女性的な格好をしているのでなんともバランスが悪い。まあ見栄え自体は悪くはないのだけれど。
「しかし何でまた伏見家の墓参りなんかに」
今朝から何度目かわからない言葉をツカサは言う。
朝、鳥茅家の前でツカサを拉致同然に連れ出してから今まで僕は何の説明もしていない。
というか昨日から何の説明もしていない。
しかし真剣に問われても、
「わからん」
としか言いようがない。
「はあ?」
昨日から散々振り回されているツカサはわずかに青筋を立てていた。ちょっと怖い。
「わからんが、何かせずにはいられないだろう。このままじゃお前は区切りを着けられないんだろ?だったら思いついたことからやってみよう」
自分で言って何だが完璧に無計画である。無責任にも程がある発言だったが、なに、無責任に関して僕は一級品だ。
誇れることではないけれども。
停滞しているのはよくないと思った。あのまま部屋で一人きりで考え悩んだところで、今のツカサに何かができるとは思わなかったから。かといって僕がどうにかできるわけもないし、さりとて答えなんてものは持ち合わせちゃいない。
だからとりあえず動かしてみることにした。
昨日ドアを挟んで座っている時に思い出したのだ。一度目に杏子の母親と会話した際に、伏見司の墓参りに一度も行っていないことを。
「まあいいけどさ。佐々部の言う通りだし。しかし実際のところどうなんだろうな」
「何が?」
「仮に今日、いや今日でなくとも俺が生きていくうちに、やっぱり杏子の自我を戻してやりたい、と思ったとするだろ」
今はまだそこまで決断できてはいない、とツカサは暗に示す。
「うん」
「その場合またドクターに会わなきゃいけないわけだけど、佐々部の話ではあいつはお前に会うために俺達の町に戻って来たんだろ。佐々部の治療が終わった今、俺はまたあいつに会えるのか?」
「あーっと、そうだな。うん、その点に関しては問題ない」
「何で言い切れるんだよ」
詰問するようにツカサは身を乗り出す。
逆に僕は椅子に深く腰かけて答える。
「一昨日聞いたから。杏子の自我を戻す方法」
一昨日、神社の境内で僕にエイリアンハンドシンドロームのことと二年前のことを話し終えた後、ドクターは言った。
「それじゃ、私はもう役目を終えたので去らせてもらおう」
「待て!」
僕は去ろうとするドクターを引き止める。
自分のことで頭の中は九割がた支配されていたが、残りの一割に捨て置けないことがあった。
「伏見司と鳥茅杏子のことはどうするんだ。あいつがどっちを選択するか僕にはわからないけれど、杏子の自我を戻すと決めたときにお前はちゃんと会ってくれるのか?」
ドクターはツカサのことはついでだと言っていた。ツカサ一人でドクターに会えたことはこの七年間一度もない以上、確認しておくべきことだ。
「あーそのことなんだけど、鳥茅杏子のことに関しては正直もう私のできることはない」
「戻せないってことか?」
食って掛かる僕をドクターは手で制す。
「そうじゃない、言っただろう暗示だって。暗示を掛けるためにごてごてしたそれっぽい機械を使ったが、解くのはそんなもの必要ない。ただ自覚するかどうか、認識するかどうかだ」
「つまり、認めるか否か」
「そう。伏見司としての自我が自分は鳥茅杏子だということを認め、受け入れることができればそれだけで鳥茅杏子の自我は戻る。だから後は個人の問題だ。まあこれは君にも言えることだけどね」
ドクターは意味深な目つきで僕を見た。
その時の僕には意味がわからなかったが、今となっては明白だ。でもそれは今となってはということでその時の僕は、
「どういうことだ」
と詰め寄った。
「うーん。佐々部君はもう少し実体験を通したほうがいいのかもね。まあそれも時間の問題か。ともあれ、鳥茅杏子に関してはそういうことだ。私ができることはもうない」
曖昧な答えにどうにも煮え切らなかったが、一つだけ訊いておかなければならなかった。
「どうしてそれを司に言わなかった?」
「教えたところで変わらないからね。言っただろう、個人の問題なんだよ。戻り方を知っていようが知らないままでいようが、そんなことは無関係だ。知ったところで認められないこともある。知らなくとも認められることだって。だからどうしても鳥茅杏子に伝えるべきだと思うのなら、君から伝えてやればいい。試してみなよ、結果は変わらないから」
そう言ってドクターは境内から姿を消した。
「──ってわけだから、もうドクターに会えるかどうかで頭を悩ませる必要はない」
一昨日その話をドクターから聞いたときには自分の事で限界だったので、メールや電話でツカサに伝えようという発想が出てこなかった。
そのまま言いそびれていたけれど、やっと言えた。
などと若干一仕事終えたと言わんばかりに一息ついていた僕の両肩をツカサは掴んだ。
「そんな大事なこともっと早く言えよ」
「言うタイミングがなかったってのもあるけどさ、昨日のツカサにそれ言ったら余計混乱するかなと思って」
それに昨日のツカサが杏子の自我を戻したいと考えているのかどうかわからなかったから、とは言わなかった。それは今も答えが出ていなことだし、取り戻したいと思うだけではだめなのだから。認めて受け入れなければならない──ドクターの言った通りだ。知っただけではどうしようもない。
「混乱は…しただろうけど」
「だろ、それともう一つ」
ツカサに見えるように人差し指を立てる。
「もう一つ?」
「昨日も言ったけど、僕はツカサが今のままでも構わないんじゃないかと思ってる」
これは僕の本心だ。
立てた指と僕の目を交互に見て、ツカサは安心したようにも困ったようにも見える顔をした。昨日もドアの向こうではこんな顔をしていたのだろうか。
「自分は前に進んだくせに、俺にはそれを望まないのか」
「これも昨日言ったけど、僕は前進したわけじゃない。区切っただけさ。そりゃ良くはなったけど、ツカサのそれとは話が違う」
「どう違う?」
「僕が折り合いを付けなきゃいけなかったのは僕自身と、それ以上に真とだ。ツカサの場合は自分自身だろ。ツカサが今のままでいいと思えるのならそれも一つの区切りだ」
虚構を取り去って自分に責任を戻した僕から他人の手は消えた。だけどそれは副次的なもので、何よりも大事なのは真に対して二年前の責任をどう取るかだった。
真実を知れることで他人の手は消える仕掛けだったからこれはあり得ない仮定だけれど、真と真実を語り合った後に他人の手が残っていたとしても僕は構わなかった。今ならばそう思える。
「大事なのはツカサがどうしたいかだ」
言われてツカサは顔を伏せる。
「そんなもの俺にもわからない」
「そ、だから墓参りに行くんだよ。何かしら行動してればそのうち区切りが見えるかもしれないじゃないか」
「適当だな本当に」
ツカサは苦笑して窓の外を見やる。
電車は山間にできた川沿いの道を走っている。窓を少し開いたら、昼間だというのに冷えた空気が入り込んできた。
紅に染まった山々を横目に見ながら更に一時間掛けて電車は目的地へと到着した。
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