第3話 退会

 結局、俺はマッチングアプリで彼女を作ることはできなかった。トークが弾んだと思っていたAmiさんとのトーク画面は知らずのうちに消えていた。多分、ブロックをされたのではないかと思う。


 顔が悪いとマッチングすることも叶わず、トークが下手だと見捨てられる。そんな無理ゲーをこれからも続けていく気力が俺にはもう残っていなかった。


「……あきらめよ」


 女性有利のマッチングアプリで俺のようなブスが上手くいく訳がなかったのだ。それなのに淡い期待をしてインストールして自己紹介文を頑張って書いて、彼女を夢見て課金をした。


「……俺の努力、なんだったんだよ」


 今までのことを考えると涙が出てきた。しょっぱい涙だ。


 マッチングアプリで女性は若さという最大の武器を使ってくる。それに男が対抗するには金を持った人間が有効的だということを知った。

 これから俺は何かに急かされて仕事をして、できるだけ綺麗な女性を求めるのだろう。それが本当に幸せに繋がるのかは疑問なところだがDNAによってそれは覆ることはない。


 親ガチャに失敗した自分の容姿を憎みながら俺は退会手続きをした。

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オンリーワンとナンバーワン 迷い猫 @straycat_7

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