第14話「早い安い美味い」

鍛冶屋を出てご飯屋さんへ向かう事に


マッツ「東の方に来たんだからあれ食べたいわ」


ディーン「いつものあれかい?マッツは好きだもんな」


フィラム「あれってなんだい?」


マッツ「あのメーン料理よ、時間もかからないのがいいわよね」


ナオ「麺料理があるんですか?それは楽しみですね」


マッツ「お店が街の東にしかないんだもの、鍛冶屋に来たらほぼ食べるわね」


フィラム「私ら職人は時間がかからないのが好きだからね」


とそんな話をしているとお店に到着

ドアを開けるとそこは昭和だった!

正確には昭和の雰囲気漂うお店だった


厨房に隣接したカウンターが入り口そばまで両サイドに広がっており、お店の中央には長いテーブルが並べられてある

しかし椅子が無い


こ、これはまさか


店主「いらっしゃい」


マッツ「マスターごきげんよう」


ディーン「おじさんこんにちは」


ナオ「こんにちは、ここって立ち食いなんですか?」


店主「そうだぜ、ウチはメン料理1品で量はメンは1玉が普通盛りで1.5玉で大盛り、2玉で特盛だな」


ディーン「大盛りでください」


フィラム「私は普通盛りで頼むよ」


マッツ「大盛りでお願いよーん」


ナオ「自分も大盛りで」


店主「あいよ、大盛り3つに普通がひとつだな」


全員カウンターに陣取り厨房の中を見る

店主はあらかじめ一玉ずつ分けてある木の箱から湯切りの中に大盛り3つと普通盛りを入れていく


ナオ「湯切りあるんだな」


店主「お?これがわかるのかい?店を回そうとするとこれがなくちゃ話になんねぇからな」


フィラム「ちなみにそれは私が作ったものさ、店主に相談を受けて商人ギルドで相談したらメン料理を取り扱ってる地域で使われてた物の設計図から作ったんだよ」


ナオ「フィラムさん自分も欲しいです」


フィラム「はは、わかったよ。設計図から作った時に店に作り置きしておいたから何時でもくればいいよ」


店主「お、あんちゃんもメン料理作るのかい?」


ナオ「いやー、作れると思いますが、まだかまども無いんですよ」


ディーン「ナオさんが美味いもの作ってくれるの期待してますよ」


マッツ「美味しいご飯は正義よねぇ」


店主がシャッシャッと湯切りをして水で粗熱をとっていく、間違いないこれは


女「たのもーう」


店主「アスカちゃんか、らっしゃい」


アスカ「特盛1つ下さいな」


店主「あいよ、ちょいと待ってくれよ」


声のした方を振り返るとピンク髪の羽織袴に額当て、刀を帯刀した侍女子が入ってきた

肩には肩当をして冒険者らしい格好である


アスカ「ぬ、黒髪に黒目に珍妙な服装…お主、もしやニホンからきた方ではありませんでしょうか」


ナオ「自分の事かな?君は?」


アスカ「拙者はアスカと言うしがない冒険者でございます。それで?」


ナオ「俺の名前はナオだ。うん、日本からきたであってるよ」


アスカ「なるほど、拙者の御先祖さまと縁があるかも知れませんね」


ナオ「うん、見た目和装だしね。縁はあるかもだけど…」


アスカ「拙者のご先祖さまはだんじょんを攻略すれば元の国に帰れると思っていたそうです。何か心当たりありませんか?」


ナオ「うーん、ダンジョンやっぱりあるんだねこの世界。ちなみにダンジョンには心当たりはないかなぁ」


アスカ「さようですか、私はご先祖さまの攻略してただんじょんを制覇するのが夢なので何か知っていればと思ったのです」


ナオ「へぇ、ダンジョンなら100階でゴールとかなのかね。死んでもいつの間にか戻ってきてるダンジョンならモロあれだけどなぁ」


アスカ「え!?」


ナオ「え!?」


アスカ「ナオ殿は何か知っておられるのですか?」


ナオ「いやいや、ただの妄想だよ…ついでに聞くけどそのダンジョンで死んで戻ってきたら装備が無いとか?」


アスカ「…ナオ殿の言った通りでござる。説明して下さりますか?

拙者の言うだんじょんは解らぬハズですが」


ナオ「あーうん、説明したいんだけどアスカさんご飯食べてからでいいかい?今からご飯食べて家の間取りをフィラムさんに調べてもらうんだ」


アスカ「あ!これは失礼仕った。どうぞ先に食べてください」


フィラム「うーん話し込んでるから先に食べちゃってるよ」ズルズルー


ディーン「アスカさんは冒険者でもダンジョン専門だからなぁ」ズルズルー


マッツ「ナオさんがこちらの知識を知ってるみたいなのって面白いわね」ズルズルー


ナオ「それでは頂きます」ズルズルー


あぁやっぱりうどんだこれ

昆布出汁が効いてるけどカツオ出汁も欲しくなるなー


ナオ「店主さん美味いねーこれ、汁がうまい」


店主「そうだろ!アスカちゃんの地元の料理で毎朝、俺が麺打ちしてるんだぜ」


ナオ「こしがあるから歯ごたえがいいし美味いよ」


店主「いやーありがとな、アスカちゃんもう出来るからな」


アスカ「はい♪」


麺料理はうどんでした


ナオ「商人ギルドのマリンさんや受付の方はここの麺料理知らなかったみたいですね」


フィラム「あーあの人達忙しいからギルド近くのご飯屋で済ましてるんだと思うぞ。だけど元々ここも普通にご飯物だったよな、店主」


店主「きっかけはアスカちゃんと職人達なんだがな?時間がかからないで職人も食べやすい料理は出来ないか?って職人達と話をしてたんだ。その時にアスカちゃんが地元のメン料理を教えてくれてな。それからフィラム親方に相談したりアスカちゃんに味の確認を付き合ってもらってやっとできたんだぜ?」


ナオ「なるほど、職人さんの為に店主が頑張って出来たうどんだったんですね。元々のご飯屋さんが麺屋になって商人ギルドの人達は知らなかったと」


店主「そんな所だろうなっとへいお待ち」


アスカ「ありがとう、頂きます」ズルズルー


ナオ「ご馳走様、店主みんなの分私が出しますので…アスカさんの分も一緒にして下さい」


アスカ「ふぇ!?」


店主「まいどあり、1杯鉄貨5枚で大盛りが6枚、特盛が7枚だから全部で銀貨3枚だ」


ナオ「はい、ではプレート払いで。アスカさんゆっくり食べていいですよ」チャリチャリーン


ディーン「お腹いっぱいだ」


マッツ「親方の所にきたらやっぱりこれ食べなきゃねー」


フィラム「私は工房で仕事してると時間ないからいっつもお昼はお世話になってるよ」


ナオ「そう言えばフィラムさん急にお店出てきて大丈夫でした?」


フィラム「ん?あぁ店に留守番がいるから大丈夫だ。弟子が留守番してるんだよ」


ナオ「そうでしたか、急な話だったんで少し気になってたんですよ」


フィラム「そうかいそうかい、まぁ依頼の仕事を任せてるから問題無いよ」


ナオ「あー、ありがとうございます?」


フィラム「あれ、世界中の商人ギルドで増産体制に入ったから収益も凄いことになりそうだけどねぇ」


ディーン「そういやナオさん職業商人になってたけどずっと商人なのかい?」


ナオ「いや、今回は偶然商人になりましたけどどこかで農業でもしながらゆっくりしたいと思ってますよ」


マッツ「無理ね」


フィラム「無理だな」


ナオ「いきなり否定はやめてもろて?」

( ̄^ ̄°)


ディーン「いやいや、考えても下さいよ?速攻、領主様に捕まえられましたよね?」


ナオ「∑(ºωº`*)はっ!」


マッツ「残念だわねぇ」


フィラム「ナオさんはもう少し自分が凄い情報を持ってるって考えないとダメだぞ。これから作る物も相当お金になるからね」


ナオ「うーん、なら知識を預けて一緒に動いてくれる人探さないとダメですねぇ」


マッツ「私やディーンは助けになるわ、勿論他の皆もそうだろうから何かあったら連絡してね?」


ナオ「マッツさん優しいですね、ありがとう」


ディーン「自分で言うのもなんだけどチャンス&アタックのメンバー全員がお人好しだからね」


アスカ「私もディーンさん達に助けられましたからね」ŧ‹"((。´ω`。))ŧ‹”


ナオ「そうだったんだ」


アスカ「ご馳走様でした!」


ディーン「それじゃアスカさんも食べ終わったし出ようか、ナオさんご馳走様ここで一旦自分達は別れるよ」


マッツ「ナオさんご馳走様、またねぇ」


こうしてディーンとマッツと別れて家に向かう事になりましたとさ


アスカとフィラムを連れて家に向かう事になったナオ


いつの間にか領主に捕まってたという事実にもまぁどうにかなるだろうと言う気持ちでしたとさ

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