第12話「鍛冶の出来るお姉さんは好きですか?」

そのままユーリに話を聞いて市場調査みたいな感じになった


辺境都市として近くの魔物は強くないが食肉としては西の森で取れるので畜産は主流ではないが肉はある


逆に東では農村が多くあり畑で野菜や果物も栽培している


なので食料で困る事は少ないらしい

ただし輸入品は辺境の為割高になる

移動手段は徒歩か馬車移動なので仕方ないとの事


ユーリ達はこの街に魚が届けられる様にと、領主の支援で馬車を数台使わせてもらってるからこそ安い売値だとか


なるほどねぇ、あの女領主さん経済を自領で回す取り組みをしてるんだな


ユーリにお礼を言ってその場を離れる


色々情報を聞けたので市場を見て回るのはまた今度にしようと今度は鍛冶屋のある街の東に向かう事に


徒歩30分ほどで到着した


さて、鍛冶屋はどこだ?

キョロキョロとお上りさん状態で探していると


ディーン「おーい、ナオさん」


ナオ「おお、ディーンさんこんにちは」


マッツ「アタシもいるわよー」


ナオ「おぉ、、、マッツさんもこんにちは」


ディーン「ナオさん色々聞きましたよ、領主様から御屋敷もらったとか」


マッツ「ねー、しかも大きな御屋敷らしいわね」


ナオ「そうなんですよ、急に住む場所が決まったので道具屋さんのオススメで今から鍛冶屋さんに行く所なんですよ」


マッツ「あら奇遇ね、私達は武器の手入れを頼みに行く所だから一緒にいきましょ?」


ディーン「ここら辺は工房が多いからね、結構わかりにくいかもしれないから案内するよ」


ナオ「それは助かります、ありがとうございます」



という訳で最初に見た現地人のチャンス&アタックのお二人と一緒に鍛冶屋に行く事に



ナオ「そう言えばほかの3人はどうしたんですか?」


ディーン「セシルは寝てるよ、アイツはクエストの時はしっかりしてるんだけど休みの時はよく寝るんだ」


マッツ「ちなみに女の子二人はショッピングに行っちゃったわ、私も行きたかったんだけどディーンばかり仕事なのも悪いかなって私も一緒だったのよ」


ナオ「おぉマッツさん優しいですね」


マッツ「そんな事ないわよー」バチコーン


ナオ「うわぁぁぁぁ」ゴロゴロゴロ


ディーン「ナオさーん!?」


マッツ「あらやだ!ごめんなさいねナオさん」


ナオ「うぉぉ、目が回る…」


ディーン「マッツ気をつけないとダメだろ、ナオさんすまないな」


ナオ「いえいえ、ケガしてませんから大丈夫ですよ…

マッツさんに叩かれてあんなに回るとは思いませんでしたが」


マッツ「ごめんなさいね、ナオさんはなんて言うか冒険者っぽいからつい仲間内でやる感じでやっちゃったわ」


ナオ「冒険者は身体を鍛えてる人が多いですからね…

自分はこちらに来たばかりですしいい歳ですからねぇ」

と笑って二の腕をだしてぷにぷにさせた


とは言えナオはそこまで体は弱くない

身長が高く骨が太いせいで割とガッシリしている

最近お腹のお肉が気になるお年頃です


という事がありながらも鍛冶屋さんへ到着しました



ディーン「着いたぞ」


ナオ「ここが鍛冶屋ですか」



入り口の上には小さな看板に槌と剣がクロスしている



ディーン「こんにちはー!」


ナオ「ごめんください」


マッツ「やっほー親方」


「おう!らっしゃい!」




親方は髭を結っている、、!?


あれ?女性!?


ドワーフ?

この世界では小さい種族じゃないんだな、普通に身長俺並みで高いな

ガテン系のお姉さんって感じだな



ディーン「親方、装備の調整をお願いします」


親方「あいよー!じゃあ武器をカウンターに出しておいとくれー。で?そちらのお兄さんは?」


ディーン「最近こちらに越してきたナオさんです。色々欲しいとの事で案内しました」


ナオ「どうもナオです、親方さんよろしくお願いします」


親方「アタシはシム一族のフィラム、ハーフドワーフだよ」


ナオ「そうなんですね、ハーフドワーフの方を初めて見ました。髭がお綺麗ですね」


親方「ハハハ!私の自慢なんだ!

アンタ見る目があるねぇ!

そうそうドワーフは属性別の苗字があるんだが、シムってのは水の加護を貰った一族なんだ

鍛冶にも水は付き物だからね」


ナオ「へぇ、水周りの台所用品とか凄そうですね…

とりあえず調理器具が欲しいんですがこちらでは何が買えますか?」


フィラム「ここでヤカンや鍋、フライパンの金属品は大抵買えるよ。街の中央の道具屋にも出してるからね」


ナオ「あ、あそこの調理器具もここの物だったんですね」


フィラム「そうさ、中々いい品だろう?」


ナオ「そうですね、、、えっとフィラムさん?

親方さんのがいいかな?魔道コンロも売ってますか?」


フィラム「あるよ、口で値段が上がっていく感じだね」


ナオ「台所に取り付けようと思っているのですが、ちょっと魔道コンロだけじゃなくて水周りも作ったり出来ませんか?」


フィラム「おお?珍しい依頼だね」


ナオ「1つは魔道コンロを含めたキッチンを鉱石を使って作って貰いたいのです」


フィラム「キッチン丸ごとかい?中々面白い依頼だね」


ナオ「えーと、魔道コンロで煮る焼く、水周りで水が出る物で洗い流す物を、そして包丁で切るスペースを設けて貰いたいのですよ」


フィラム「ほうほう、物洗うってのは魔道具で水を出すのかい?」


ナオ「私は魔道具の知識は無いのですが、水圧を利用出来ないかなと思ってます

家の屋上に貯水タンクを作って水を流しておきますよね

上から下に水が流れるのを利用して使う場所に蛇口を取り付けて水の調整ができる物をつけます」


フィラム「ちょ、ちょっとまって!」


ナオ「どうしました」


フィラム「ディーンこちらの方は一体どこの人だい?

ナオさんとか言ったね?

確かに物は上から下に落ちるけど魔法や魔道具があれば全て片付くだろう?

だからそう言う工夫が割と斬新な感じなんだよ」


ディーン「すまない親方、この方は領主様のお客様なんだが」(o¬ω¬o)チラチラ


ナオ「あぁ大丈夫だと思いますが自分迷い人でして」


フィラム「あーやっぱりそういう理由か

あのねナオさん、蛇口とか言ったね?

この世界にはないんだよ」


ナオ「え!?」


フィラム「だから図面起こして作るんだけど…

1からになっちまうしそういう物は特許取らないと…」


ナオ「あーなるほど…なら商人ギルド案件ですか…うーん」


フィラム「作れるとは思うんだけどねぇ」


ナオ「なら、先に作って欲しいのでフィラムさんに図面起こしましょうか。書くものとかあります?」


フィラム「お?いいのかい?」


ナオ「後で商人ギルドで特許取ってきますからフィラムさんにキッチンと蛇口を教えておきますので家に取りつける分をお願いします。

間取りの寸法があるので1度家に帰らないといけないですね」


フィラム「なら少しまってなよ、今から大急ぎでディーン達の武器を調整してくるからその間に蛇口ってやつの図面起こして貰えれるかい?

それからナオさんの家に一緒に行って寸法を図ろうか

ナオさん特許は早ければ早いほうがいいからそのまま商人ギルドに行くといいよ」


ナオ「わかりました」


フィラム「おっとディーン、マッツ待たせてすまないね」


マッツ「いえいえ、それにしてもどんどん話が進んで言ってたから空いた口が塞がらなかったわね」


ディーン「話が早いのは良い事さ、親方今回は戦闘も少なかったので装備に大きな傷とかはありませんので調整だけお願いします」


フィラム「わかった、なら大急ぎで終わらして来るから待ってな」ガシッ(っ*´꒳`)っ()



そう言って武器を奥に持っていったフィラム親方


そしてすぐに羊皮紙とペンとインクを持ってきた


その間に自分はシステムキッチンに流しにしれっとU字パイプを追加して蛇口を細かに書いていった

ネジの技術も絡むけど大丈夫だろ

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