第11話「私は!市場で!何を買おう?」

南へと歩いていくナオ


まだ朝も早いはずなのに木を積んだ荷車が大通りを走り行商人の馬車と何台かすれ違っていく


土木関係の人の朝は早いよなとナオは思いにふけっていると遠目から市場が見えだした


ここでナオは初めて獣人と言われる人達を目撃する


犬耳、猫耳、狐耳に熊耳っぽい人も!


あぁ、ファンタジーだなぁとしみじみ思う




市場に入ると威勢の良い声が響いており



男犬獣人「美味い魚あるよー!」


商人1「今朝とれたてのオーク肉だよ!」


商人2「コックの肉が安いよー!」


上から魚、豚、鳥の肉で魚は季節なのか秋刀魚(に見えるもの)が多い


秋の秋刀魚美味いよなーと考えていたナオであった…

ここでふと思い付いて魚売りの犬耳獣人に声をかける事に



ナオ「お兄さん、ちょっと聞いていいかい?」


男犬獣人「お、買ってってくれんのかい?兄ちゃん」


ナオ「出来れば買いたいんだけど今引越しの最中なんだ

焼き場が使えるようになったら魚も買わせて貰うよ

ちょっと聞きたいんだけど魚っていつ取れたやつなの?」


男犬獣人「そりゃあ朝イチで船に乗って取ってきたやつさ!新鮮なのが自慢なんだぜ」


ナオ「なるほど、海が近いって事?」


男犬獣人「そうそう、海はここから南に馬車で1時間って所だな。俺たちの漁村があってそこから持ってきてるんだよ」


ナオ「割と近いな…あ!干物でもいいから海藻とかないかい?それなら日持ちするでしょ」(`✧ω✧)キュピ-ン


男犬獣人「うちにはワカメか昆布がありやすぜ」


ナオ「ワカメと昆布って名前日本語じゃんねぇ」


男犬獣人「昔の人が食える海藻を探したそうですぜ?ちなみにどれだけいるんで?」


ナオ「そうだな、他の人も買うだろうから売っても良い量で頼むよ」


男犬獣人「それでも結構あると思いやすよ、大丈夫ですかい?」


ナオ「金は問題無いぞ。荷物になりそうだし街の西にある広い庭がある家なんだが配達出来るかい?」


男犬獣人「帰りでよければ大丈夫ですぜ」


ナオ「よしよし、どのくらいあるかね?」


男犬獣人「確認してきやす、ちょっと時間貰いやすぜ」



しばらく待つ事5分ほど



男犬獣人「お待たせ、全部20キロで金貨で2枚だな、ちなみにワカメと昆布で10キロずつだ」


ナオ「買った。っと少しだけ味を見ていいかい?」


男犬獣人「あぁちょっとまってな」ゴソゴソ


男獣人「ほらよ」


ナオ「お、昆布は美味いな。ワカメは汁物入れたら美味そうだ」


男犬獣人「どうだい?」


ナオ「いいねー、じゃあ全部頼むよ」


男犬獣人「毎度あり!しかしこんなに買うお客は初めてだぜ」


ナオ「海藻は色々使い道があるからねぇ…」(ΦωΦ)フフフ…


男犬獣人「顔が俺らっぽくなった!?」


ナオ「ほらお会計頼むよー」


男犬獣人「あいよ」チャリチャリーン


ナオ「じゃ、配達もお願いします」


男犬獣人「あぁ、任せとけ。毎度あり」


ナオ「獣人さん獣人さん、ちなみに貝は手に入るかい?」


男犬獣人「おお、勿論手に入るぜ」


ナオ「なら1つ頼まれて欲しいんだけど貝殻を馬車1台分持ってこれるかい?」


男犬獣人「余裕だな、近くの海岸の浜辺が全部貝だしな、まぁ拾う労力と輸送費がかかるくらいだな」


ナオ「なら貝殻を頼むよ…前払いで3割後払いで7割でどうだい?金貨1枚と銀貨5枚くらいでどうだろうか?」


男犬獣人「いやいや貰いすぎだな、俺達が頑張って漁をしてる金額とそう変わらんくなる。女子供でも出来る仕事だから金貨1枚でいいだろう」


ナオ「じゃあまず前払いで銀貨3枚だな」


男犬獣人「兄ちゃん気前がいいねぇ、そうだ自己紹介しとくぜ!俺の名前はユーリってんだ。宜しくな」


ナオ「俺はナオって名前だ、まぁ貝殻は女子供の小遣いにでもしてやってくれ」


ユーリ「ありがてぇ、じゃあ今日海藻は配達していくから貝殻はまた明日にでも持ってきますぜ」


ナオ「明日は朝から用事があるから昼過ぎから家にいるようにするよ、頼むよー」


ユーリ「わかりやした!」



ナオは海藻と貝殻を手に入れた

農業をする際に海藻は肥料にすると土を活性する事に加えて、石鹸の材料になり、美味い出汁の元になる


貝殻は石鹸の材料であり、抗菌防虫の効果もある

尚且つ断熱材にもなるので壁に漆喰代わりに使えば家に使える


使用用途は多いのである


ナオは色々作りたいなと思いながら次の店へ歩いていくのだった

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