第2話 短編の嵐!そして長編が進まない

 「最近長編の進みが遅いんですけど」

 「またか」

 「原因は?」

 「わかりきってるでしょう……(眼鏡くいっ)」

 「短編の嵐のせい、か」

 全員はぁー、とため息をつく。


 ここは脳内。たくさんの私が話し合う、ひとり会議の部屋。

 想像つかない方はご自身かお気に入りのキャラをクローンのごとく増殖していただきたい。コピペでもいいです。

 だいぶ厨二病っぽいですがスルーしてください。


 本日の議題は「パソコンで書いてる8万字のファンタジーが進んでないんですけどー!」だ。


 「短編、大変だけど楽しいんだよねー」

 「それな」

 「エブリスタさんの1ヶ月2回の妄想コンテスト(〜8000字)をこなしつつ、長編2本してたのが」

 「ノベルアップ+さんが夏の5題小説マラソン(〜5000字)始めたからねぇ」

 「いやどちらも企画はすばらしいんですよ」

 「ノベルアップ+さんの夏の5題小説マラソンは、同じお題で他の人がどんなの書いているか楽しめるよね。5000字までだから同じ時間でもたくさん読める」

 「そう、企画はすばらしいの!時間ないくせに全部こなすって決めた私が悪いんすよ」

 「だけども」


 「「「長編が進まねぇ〜!」」」


 「最初はね、書き出せば長くなる人間だから短編なんて無理って思ったんだよね」

 「そう。でも決めつけはよくないって書き出したら意外といけたり」

 「書いてると勉強になる部分も多いよね」

 「起承転結の話の組み立て方だったり」

 「web小説だと、最初の何話かで見切りをつけられること多いから『起承転結の転まで書いて続きは次に持ち越したほうがいいかな』とかね」

 「話を始めて盛り上げて収束させる経験が何回もできるのはいいね」


 「あと推敲ね。書きたいことをバーッと書くと、どうしても500字オーバーは毎回するから、無駄な部分を削ぎ落とす作業が必要になる。これがものすごく鍛えられてるよね」

 「似たような文があったとき、どちらを削るか選んだり、より文字数の少ない言葉で伝わらないか……言葉のチョイスが鍛えられる」

 「5000字、8000字なら全体を何度か見直すこともできる」

 「自分のクセもわかる」

 「うんうん」

 「そんで、短編を何本かやった後に長編やると、推敲のときに気をつけたことが頭にあるから、自分なりに、よりいい文章が書けてるな、とは感じるよね」

 「短編の息抜きが長編になったり、逆もできて気分転換になるし」

 「スマホとパソコン(未発表長編執筆用)開いて、行き詰まったら書ける方を書く、ってのが時間を無駄にしなくてよかったりするね」

 「それな」

 全員一致で大きく頷く。


 「ただねー!」

 「ここまで短編のメリットを挙げてきましたが」

 「長編をやる時間とモチベーションがないんだよねー!」

 「どうしても目前に締め切りが迫ってる短編優先になっちゃう」

 「筆(というかスマホで書く指)が締め切り迫るとノる時ってあるよね」

 「完成が早いから充実感あるしね」


 「あと、短編なら何度か推敲するけど、長編が八万字にもなってくると『全部頭から直す気力はないな』って思ったりもするんだよねー」

 「先々はしなきゃいけないんだけどね」

 「そうそう」

 「短編の推敲みたいな短期集中ならいいけど長編の直しは大変よね」

 「最初から全部直したくなったりして」

 「ぎゃー!」

 「やめろ妙なフラグを立てるな」

 ざわつく私たち。

 「まぁ、未発表の長編一作はどこに出すか決めてないから焦ってはいないんだけど」

 「年内には出したいよね」

 「何万字で終わるか予想つかんけど」

 「十万……で終わるかな?」

 「えっそれ何月に終わるの」

 「こっわ」

 「いやーもう書くしかないよ、書かなきゃ終わらないよ」

 「まあ……最終的には上手いことこなして時間作るってことに尽きるんだよね」

 「時間をつくると言えば!横道にそれますが!一言いいですか!」

 「いいよ」

 「短編の嵐で一番楽しいのが、締め切りを手帳に書くことですよねッ!」

 「それ!テンション上がるよね」

 「仕事用とは別に小さな手帳に締め切りだけ書いてるんだけど、まるで何本も仕事入ってる売れっ子の作家みたいでいいよね」

 「ね!」

 「執筆ってやっぱ基本一人の作業だから、モチベーション維持大事だよね」

 「お菓子もモチベーション上がるけどね」

 「ほどほどにしないとね」

 「やめろ腹の肉をつまむな」


 「さて……本当は未発表の長編もそろそろどこに出すか決めて締め切り設定したほうがいいね」

 「とりあえず短編の嵐が終わってから、またいろんな賞の応募規定調べるかぁ」

 「まあ結局、結論はいつも同じなんだけどね」

 「たくさん読んで、たくさん書く!」

 「書かなきゃ応募もできない」

 「毎日コツコツが最強!」

 わー!やるぞー!とあちこちの私から歓声が上がる。ぱちぱちぱち、と拍手が脳内で鳴り響く。


 「毎日コツコツと言えば、ある作家さんが『物語を畳み終わらせる筋肉は、たくさんの物語を書き上げないと鍛えられないと痛感した』ってインタビューで話していたのが印象に残ってるなぁー」

 「短編は筋トレ」

 「書籍化と言えば長編なんだけど、短編を書けば長編を書く筋肉が鍛えられる、ってのはここ最近実感してることで、書く速度も上がってきてるね」

 「よきかなよきかな」

 「よし、息抜きのひとり会議終わり!」

 「また執筆がんばるぞ!」

 「おー!」



 そんなわけで、短編の嵐と長編の進捗をネタにひとり会議してみました。

 今後も頑張ります。


 また息抜きしたくなったらor少しでも反響あったら続きます。

 今複数の小説投稿サイトを使っているので、その比較についても書いてみたいところ。


 ここまで読んでくださった貴方、よかったらエッセイ以外の短編、長編もお楽しみくださいませー!

 では、これにて閉会!

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全員私!脳内ひとり会議は踊る 蒼生光希 @mitsuki_aoi

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