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  •  前編を凌駕するほど重厚で長大なSF大作だったので、一気に読んでしまうのは勿体無いと思い、毎日ちまちまと読み進めておりました。

     図書記架さんの他作品にもSF設定が盛り込まれていましたが、今作はタキオン粒子に宇宙検閲官仮説、真空崩壊などなどこれまでにないほど所謂SciFi-packedなストーリーで、分からない時にはWikipediaなどを駆使して自分のなけなしの知識と擦り合わせたり、分かる時にはニヤニヤとしたりして1週間とちょっと楽しませて頂きました。
     今回特に舌を巻いたのは、既存のブラックホールとダイオウとの繋がりですね。まさかいて座A*までダイオウの成れの果てだったとは……。その他にも「痛み」の永続性による撃破や、タイトルのダブルミーニングなど、目を剥くような仕掛け・伏線が数多くあり、最後までドキドキが止まらない、身が詰まった超大作だったと思います。
     このコメント欄だけでは語り切れないほど魅力が溢れた作品ですので、後ほど改めてレビューを書かせて頂きますね。

    作者からの返信

    ・コメントありがとうございます。
     自分もまさかここまで規模の大きい話に出来るとは思ってませんでした。

     戦略面・総力戦で魅せれたセルイド戦に対して、一騎討ちになるブラックホールダイオウ戦を面白く出来るか正直課題でしたが、ここぞとばかりに書きたかったSF要素を詰め込むことで、圧倒的絶望感を出せたんじゃないかと思います。
     特に輝き引き算(対象"○○"×捕食【○○】――○○構文のあれ)を思い付いたお陰でなんでもありに成って、最終的にあれ?これ真空崩壊できるじゃ?流石に真空崩壊はDCCPでも止められないよ、と頭抱えました。

    >既存のブラックホールとダイオウとの繋がり
     やっぱりSFやるからにはフェルミのパラドックスに言及したかったので。
     結果的に女王よりダイオウが宇宙的に重要な存在ではと成りましたが、個人的にはただ輝きを奪うだけで役割がないことに虚しく成ったダイオウ達が、自分達で役割を作ったと解釈したりもしてます。

     改めて趣味全開な本作を最後まで読んで頂きありがとうございます!
     レビュー楽しみにしています。

    編集済
  • これまでの防衛線における戦いの中でもダントツで規模が大きく、最早「トップをねらえ!」や「エヴァンゲリオン」並の壮大さになっていてワクワクしましたね。実際、ブラックホールになったラスボス・ダイオウセルリアンと言い(トップをねらえ!2の中でもラスボスとしてブラックホールを従えたエグゼリオ変動重力源なるものが登場します)、陽動からのポジトロン・ライフルでの狙撃と言い(ヤシマ作戦)、両作品を感じる描写があって個人的にグッと来ました。ほぼ完全勝利と言えそうな場面で思わぬ反転攻勢に出られたDCCPですが、後編でどの様な展開になるのか見ものです。

    ちなみに、こういう話は野暮かもしれませんが……内核に形成されたブラックホールによる途轍もないレベルの重力やプランク温度に達しそうな程の熱量をどうダイオウたちが処理しているのか気になりますね。エネルギーの凝縮により形成されたクーゲルブリッツも程無くして所謂「ブラックホールの3本の毛(質量・角運動量・電荷)」のいずれかにより構成される従来のブラックホールと見分けが付かなくなるので、その大質量・重力による地表や自転・公転への影響は少なからずありそうなものですが。

    作者からの返信

    ・コメントありがとうございます。
     お蔵入りしたアイディアの中でも特にDCCPの能力は持て余してて、お話自体当初は戦い主軸ではなく、毎日やりがいもなくただセルリアンを一掃するだけの繰り返し、という虚しさを描く方向性で締めようかと思ってたぐらいでした。
     でもどうせ最後なら一番規模をでかく、最強のフレンズ型セルリアンと呼ばれるだけの実力を描こうと思い、今の形に落ち着きました。
     そういう関係もあってDCCPは物語的制約(有効射程といった要素)を何処まで取っ払って、アクションものとして面白く出来るかということにも挑戦してます。

     チートの荷電粒子砲はまさにエヴァの陽電子砲に影響受けてます。
     チート参戦からの流れも色々考えましたね。最初はチートの攻撃を防ごうとセルイドがDCCPのバリアに隠れる→真下じゃなくなったのでDCCPのビームを受ける、というぐらいでしたがいくらなんでもセルイドがお間抜け過ぎたので。DCCPが一撃でやられるので駆け引きある戦いに持って行くのが中々に苦戦した思い出です。

     ブラックホール化したダイオウの存在については自分も不思議に思ってます(ラスボスとして兎に角でかく最強にした結果こう成りました)。
     一応理由付けとしては、ブラックホール化してもダイオウの目的は「破壊」ではなく「輝きの収集」なので、星が壊れないようにコントロールしてる、といった感じで考えてます。
     その気に成ればダイオウ側も星を壊せるだけの実力がある最強っぷりを後編で描けたらと思います(ようやく1シーン描けた遅筆っぷりなので気長にお待ちして頂けたらと思います)。

    編集済
  • SCPについては浅学であるためちゃんと理解出来ているかどうかは怪しいのですが、水の観念を獲得したルーラーセルをこんな風に攻略出来るのか、と目を剥きました。

    反ミーム(伝播性を持たない情報、という認識で大丈夫でしょうか?)の性質を用いてセルリアンによる保存・再現を防ぎ、かつこれまで脅威であったセルリウムを武器として(しかも2期の最後のフレンズ型セルリアンを従えて)使えるというのは、月並みな言い方ですが、なかなかに熱い設定でしたね!

    デボン紀を出自とする狼のフレンズというのも新鮮で、加えて形而上の概念・観念をも捕食できるという結構なチート能力持ちですが、世界観がかなり絶望的だからこそ上手くバランスが取れている気がします。キュルルとの掛け合いも良きバディ関係を匂わせる感じで、オムニバス形式である以上仕方がないのですが、活躍が今話限りというのが惜しいくらいでした。

    作者からの返信

    ・コメントありがとうございます。
     反ミームについてはその認識で大丈夫です。例え目の前にいても記憶できない存在情報概念のことを指します(反ミームの代表例であるSCP-055の解説を参考に置いておきます)
    https://www.pixiv.net/artworks/79363222
    https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35782.amp

     反ミームとセルリウムというそれぞれ別作品の要素同士ですが、上手いこと噛み合ったのではないかと思っております。
     実を言えば反ミームとセルリウムで戦うキュルルちゃん、ダンクルオオオカミのフレンズもそれぞれ別々で考えてお蔵入りした設定同士の組み合わせだったりします。
     それが結果的にここまでルーラーセルをメタるバディに成るとは自分でも驚きでした。そんな2人のバディを気に入って頂けたなら嬉しいです。

     ちなみに原作のSCP-3999において、ダンクルオオオカミは原作内で一瞬だけ登場する無数のアイデア設定の内の一つでしかなかったりします(その際の記述でダンクルオオオカミが概念的存在であるSCP-3999を食らったという一文があり、それを昇華したのが例の力です。言われてみるとルーラーすら食らえるって反則ですね)。
     ただ個人的に魅力的なデザインに惹かれ、いつか書くぞと思いハナダさんにフレンズ化デザインを依頼(https://skeb.jp/@hanada_03/works/7)、約半年後に本シリーズでようやく書けた経緯があったりします(キャラ作りするうえでハナダさんのイラストには大きく影響受けました)。
     ハナダさんにはキュルルちゃんとのイラストも描いて頂いているので、よければ見てください。
    https://skeb.jp/@hanada_03/works/16