第五章 作戦決行②

一方そのころ蓮華たちはベニバナビルの内部に潜入していた.

「蓮華さんこちらです」

 五右衛門が先頭を切って歩いていく.ベニバナビルの地下はライトグリーンの壁と床でできていた.廊下を歩いていくといくつか扉があるのだが,扉の中身がどうなっているのかは知る由がない.

「この部屋です」

 五右衛門が言った.五右衛門が言った部屋に入ってみると中には牢屋があり,部屋が鉄の棒で二つに分断されていた.そして,向こう側にアキラがいた.

「お父さん」

 ミトが檻の鉄を両手で握った.アキラは思ったよりも元気そうだった.

「ミトかどうしてここにいることがわかったんだ.それとほかの人は?」

「この人たちはお父さんを救出するのを手伝ってくれたの」

「蓮華といいます.説明は後でしますので今はここから出ましょう」

 蓮華は檻の鍵のところに行くと,鍵に手を当てた.すると鍵は開いた.

「私の能力の一部だ」

 蓮華がそう言った.

 蓮華たちは檻から脱出し,外に向かう.廊下を走っていた蓮華たちの前に鋼が現れた.

「記者会見の日を狙って救出か.お前の考えそうなことだな蓮華」

「鋼,どうして貴様がここに」

「五右衛門君から教えてもらったんだよ.そんなことも気づかなかったのか?」

 五右衛門の方を振り返った蓮華の腹を五右衛門が殴った.蓮華は気絶した.

「かかれ」

 鋼の後ろにいたサングラスをかけた人間たちが蓮華たちを捕えようとやってくる.そのとき,ローリエが空気銃で捕まえようとやってきた人間を撃った.五右衛門が言う.

「やはりお前が一番面倒だったなローリエ」

「蓮華さんはお前のことを信じてたみたいだけど,俺は最初からおかしいと思ってたぜ.五右衛門」

「おかしかろうが,なんだろうが,お前たちが劣勢であることは変わりない.やれ」

 刺客がローリエたちに襲い掛かる.ローリエがミト,サイ,アキラに言った.

「俺が空気銃を乱射するからお前たちは逃げろ.空を飛べばあいつらには見えなくなる.俺のことはいいからいけ」

 サイたちがうなずくと,サイたちは宙に浮き,そのままその場から消えようとした.しかし,

「君たちはどうして私たちがアキラ君を捕まえることができたのか考えたことがなかったようだな」

 蓮華がそういうと,アキラとミトの足が掴まれた.

「離しなさいよ!」

 ミトが言うが,手は離れそうにない.

「空を飛ぶ人間がインビジブル,見えなくなるのはこちらはもう知っている.そのために空を飛ぶ人間が見えるようにサングラスを作ったんだ.君たちの姿は丸見えだよ」

 鋼が得意そうにいった.サイは鋼に足をつかまれた.しかし,なんとか振りほどくと外に脱出することができた.

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ツイストティーン @phaimu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ