第二章 僕らの知らない世界⑥
「彼はまたいなくなったのかい?」
サイがひどく残念そうに言った.
「またって,どういうこと?」
「アキラに空を飛ぶ手ほどきをしたのは僕なんだけど,アキラからその話は聞いてないかい?」
「全然,飛べるようになったきっかけとかは聞いたことがないわ.初耳ね」
「そうなのか.僕はアキラに飛び方を教えて,その後少しの間だけど,会っていたんだ.それが突然アキラが僕のもとへ来なくなってね.そこから交流が途絶えてしまったんだ」
アキラがとくとくと語りだした.
「そうだったのね.父さんとあなたには何かつながりみたいなものが有るのかもね.事情は分かったけど,それでも父さんを探すのを手伝ってほしいの.お願いできる?」
ミトが少し心細げな声で言った.
「もちろん.急に来なくなったとはいえ,彼は僕の親友の一人だからね.ぜひ,捜索に協力したい」
「三国君は?」
「僕もアキラさんの捜索を手伝うよ.サイには空を飛べるようにしてもらったんだ.サイの力になれることなら僕はなんでもしたい」
「分かった.二人ともありがとう.それじゃあ,ちょっと私の家に来てくれる?」
三国とサイはミトに連れられてミトの家へ行った.
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