第5話

私は日本語教師なのに。

絶対極秘の仕事をすることになるなんて。


あー、なんだか大変なことに足を突っ込んでしまったような気がする…


でも、ここまで来て今さらやっぱりやめますとも言えないよ…なんとか…なるだろうか。


「無理なお願いなのはわかってます。でも、もうあなたしか頼れる人はいないんです!助けてください!」


「はい…正直お役に立てるかは分かりませんが。できる限りがんばります。」


「ありがとうございます!じゃあ、マンションに行きましょう」


高級そうな車に乗り込み、到着した地は高級ヴィラ…私の住む所に行くんじゃなかったのか。


「着きました。じゃあ、行きましょう!」


スチョルさんはなぜか私のスーツケースを下ろしながら言う。


「あのー。私、ここに住むんですか…?」


「あれ?校長から聞いてなかったですか?ここの一室で3人でルームシェアします」


「3人…?」


「はい!シジョン、僕、そして先生」


ニコニコ笑顔でこっちを見てるんだけど…

えぇー!

そんなのあり得ない!!

見ず知らずの、しかも超人気俳優と共同生活?興味はないとはいえ、あまりにも酷だ。


「えぇと…私、別に部屋を借りていいですか?」

「それは困ります!なんせ極秘なので。ここはセキュリティーがすごいから大丈夫。それにシェアといっても、広いので!まぁ入ってみてください」


厳重なセキュリティーをいくつかくぐり抜け、ホテルのような通路を通り、その部屋にたどり着いた。


「うわぁー…」

思わず声がでてしまうような部屋。


「こっちの部屋、使ってくださいね。部屋にシャワーやトイレもあるし」


「あ!はい…」


「疲れたでしょう?ゆっくり休んでください!僕は仕事があるので、出かけます」


まさに韓国ドラマで見た、お金持ちの豪邸にただ呆然と1人立ち尽くす私。


自分が置かれている状況を把握しきれない。頭がごちゃごちゃだ。

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