第47話 愛央のお悩みとまさかの展開
あれから2日後の金曜日朝6時20分。愛央が部屋から泣き出てきた。
あお「たっくぅん・・・」
たく「ちょ、愛央どうしたの。ほれよしよし」
あお「家事できないからたっくんと暮らしたいって言ったけど・・・愛央世話焼かせちゃうかな?」
たく「世話焼かせる?どういうこと?」
あお「たっくんが偏食だから同じのばっかり嫌だ!とか文句言っちゃいそうで」
俺はこの答えに戸惑っていた。確かに俺は発達持ちだから偏食がある。でもそれで文句言われたらチャレンジするしかねぇのかなって思っていた。
あお「やっぱり難しいかな?」
たく「何が?」
あお「たっくんの偏食。愛央どうにかして克服させてあげたいの」
たく「うーん、組み合わせ方を変えれば食べられる物も出てくるし出来る料理もある」
あお「じゃあ、何が食べられないかな?」
たく「鶏肉とかあとは何?きのことか?」
あお「独特な食感がするものがだめってこと?」
たく「そんな感じ」
あお「そしたらカレーとか肉じゃがとかオムライスもだめ?」
たく「いや、カレーはカルビ用の豚肉で大丈夫。肉じゃがもカルビ用の豚でいいかな。オムライスはソーセージ入れてみようか。愛央、いま応援できる?」
あお「いいけど・・・ワンピースに着替えさせて」
たく「ティアードワンピース着ておいで。そっちの方が愛央のふんわり感更に増すと思うよ」
あお「ほんと?ねぇねぇ、そしたら青かグレーどっちが可愛い?」
たく「グレー」
あお「これでポンポン持つ?」
たく「うん。着替え終わった?」
あお「うん!行くよ!」
着替え終わった愛央は「予想通り」の可愛さであった。ぎゅーって抱きつくのがまた愛央らしい。そいえば髪を切ったのが10月で、今は3月。半年経てば髪が結べるようになるのでお手軽キュートなハーフアップを施行。
あお「たっくん、何するの?」
たく「持ったまま動くなよー怪我したらおいねぇからなぁ・・・ひょっ、よっ、ちっ、おいゴルァ、っし、できた」
あお「たっくん、一瞬893出たけど大丈夫?」
たく「うん大丈夫。ほれできた」
あお「可愛い!ハーフアップ?」
たく「うん。愛央に応援ってなるとこれしか勝たんべさ?」
あお「うん!ありがとう!」
愛央が一通り整ったところで俺は料理を始めた。
あお「たっくん!フレ!フレ!がんばっ!」
たく「さてやるかぁ」
社長令嬢の応援を直に受けられるだけでもありがたいが、さすがの俺でも本気になれば料理は素早いもの。勝利の女神、琴乃愛央の応援は一瞬で終わったのだ。
あお「たっくん♡もうできる?」
たく「もうできるよ」
あお「ほんと?」
あい「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
あお「あいちゃん連れてくるね!」
たく「おっけ」
あい「たったー」
たく「おはよう。お~よしよし、朝から泣いてどうしたのさ」
あい「たったーいなかったから」
たく「ごめんね、朝飯作ってたんだわ」
あい「たったー、だっこー」
たく「よし、できたからやってあげるよ」
あい「やったぁ!」
朝ご飯を食べ終えていつものように制服に着替えると、愛央が甘えてきた。
あお「ねぇ、たっくん」
たく「まさか・・・え、ぶりっ子愛央出す気?」
あお「そうじゃないんだけど・・・お腹痛い」
たく「えっ・・・来たか?」
あお「来ちゃったかも」
たく「とりあえず休むぞ。無理して動くと更に辛くなるだろうから。チアも今日はやっちゃだめだよ?無理して動いてさらに悪化したらおいねぇんだから。ただでさえ愛央は痛みが強すぎて動けなくなるくらいおいねぇんだから」
あお「うぅ・・・」
たく「あ、すいませんおはようございます。2-Cの琴乃ですけど、大橋先生今いらっしゃいますか。あ、いない?そうですか。そしたら折り返しでうちに電話かけてください。番号はあの人わかるでしょうから。よろしくどうぞ。はい、はいーどうも」
あお「学校?」
たく「折り返しにしといた。多分今日も公欠だろう」
それから22分後、電話がかかってきた。俺は大橋先生に事情を説明すると・・・
大橋「そっか。愛央お腹痛いんだね。じゃあふたりとも公欠にしておくから、休んでな」
たく「ありがとうございます!」
公欠、すなわち休みの証。俺は愛央のベッドに行って休んでいいことを伝えた。
あお「どうだった?」
たく「休んでいいって」
あお「じゃあ愛央寝ちゃうかも」
たく「俺編集してるからなんかあったら呼んでね」
あお「うん。たっくん、手繋いでくれる?」
たく「じゃあたまには愛央の近くにいてやるか」
あい「ねーねーおなかいたいの?」
あお「うん・・・ごめんね。遊びたいもんね?」
あい「きゅぴ・・・」
たく「俺ぶっちゃけな、愛央がこうやってお腹痛い日に寄り添って何か出来る事が男の役目だと思うんよ。例えば彼氏彼女の関係で彼女がお腹痛いって言ったときそれでまたかよ〜wとか言うやつの神経を疑うんよね。彼女が無理してんのにその彼氏はそれをおっぽるとか絶対しちゃおいねぇ話だしな」
あお「たっくんって、そういうところがかっこいいよね」
たく「バカ言うなって」
あお「でもでも、そういうこと言える人ってすごいんだよ!」
たく「ふーん。もう無理しちゃだめだから寝ちゃいなよ。愛央」
それから愛央は寝て、俺はあいちゃんと遊んでいた。あいちゃんも今年で2歳だし、また幼稚園とかに行かせようかなと思っている。
4時間後、愛央の一時的な痛みはなくなった模様。愛央の近くで寝てたらしく、愛央に頭をなでなでされて俺は目が覚めた。
あお「たっくん、近くにいてくれてありがとうっ」
たく「ちょ!なにしてんの」
あお「たっくんが愛央の近くで寝てたからまさかと思って・・・」
たく「だからか」
今の時刻は16時。今日はバイトがないので家でぐっすりしてたからか、無性に腹が減る。
たく「ちっ、やっべー腹減ったなぁ」
あお「買ってこよっ。なにか」
たく「でもあに食うってんだ?」
あお「たっくんの好きそうなもの」
たく「マックとかロッテリアとかモスとか?」
あお「上げだしたらきりがなくて穏やかじゃない」
たく「でもそれ以外にあに食うってんだ」
あお「たしかに・・・」
あい「たったー」
たく「どうしたの?」
あい「あいたんたまにはたったーの夜ご飯食べたい」
たく「はぁーん?なるほどねぇ?食べたいの?ほーんじゃ作るよ?」
あい「やったー!ねーねー、たったー応援して!」
あお「えぇ!?いいけど・・・」
今日一日の会話を聞いていたあいちゃんが自ら夕食を作ってと志願。困ったけどふたりで作れば大丈夫と思った俺は近くのスーパーに走った。
たく「はー夕方だからてんで混んでしちっておいねぇなぁ。あにしたらこうなるんだ?いや夕方時って毎度混んでるわなそいや。あー時間つこてもうたおいねぇ」
どんな方言使ってんだよってのはお許し願いたい。でもホントに夕方は混むから困るんです()。そうして買い物をもうすぐ終えようとしたとき、後ろから愛央がぎゅーってしてきたのだ。
あお「(´。>ω<)ぎゅー♡後ろから追いかけて正解っ♡」
たく「あに、疲れて帰ってこれなくておいねぇと思ったか?」
あお「うん!」
たく「ってか腹痛いんじゃなかったのかよ!?」
あお「あれがちょっと来たかなって思ってトイレ行ってみたけど平気だったっぽい。普通にお腹痛かったの」
たく「はぁ・・・まぁいいや。とりあえずこの量買って帰ろうかね」
あお「うん!」
そして俺らは家に帰って夕飯を作ったのであった。
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