第43話 愛央のチア、たっくんへ届けっ!

愛央がチアをやり始めてもう6年。たっくんにまだまだ支えられてるんだけど、逆に私が支えることもあるの。たっくんが疲れたときや、体育祭と球技大会。その時に、私は自分のポンポンを振って励ますの。


ある11月の朝。珍しく天川市に大雪警報が出ていた。学校は臨時休校となったんだけど・・・たっくんの顔色が悪かったの。ぎゅーってしてもだめだったんだ。珍しい・・・よね?


あお「たっくーん♡おはよーっ」

たく「あぁ・・・」

あお「どうしたの?」

たく「あいやべつにあんでんねぇ」

あお「じゃあぎゅーしてあげる」

あい「たったー!」

たく「あれ、あいちゃん」

あい「たー!へっ///」

あお「たっくんが不安でも、ふたりでぎゅっとだきしめてあげるからね!」

あい「あいっ!」

たく「うん・・・」


ママと会ってないからさびしいのかなぁ・・・たっくんの裏って腹黒と寂しがり屋の2種類があるから・・・。とっても愛央は不安だったのだけど、たっくんが自ら話してくれたの。


たく「疲れてんのかな、俺」

あお「最近たっくんやけに頑張ってるからかな?」

たく「多分そだと思う」

あお「ほんとに無理しちゃだめだよ?」

たく「うん。ありがとう」

あい「ぐちゅ〜」

たく「腹減ったなさては」


私はたっくんが頑張りすぎて倒れないか心配だった。普段日曜日の朝は私がチアの個人練習、たっくんはバイトでレジ打ちをしに行くんだけど、今日は休みなのかな?あいちゃんのお世話は相変わらずたっくんがやってるけど、あいちゃんも不安な顔をしていた。


あい「たったー、だいじょーぶ?」

たく「・・・」

あお「顔色ほんとに悪いけど・・・」

たく「あいちゃんのご飯作ったら少し寝る。今日は休みだし」

あい「きゅぴ・・・」


あいちゃんにご飯をあげながらなにか自分で抱え込んでいるたっくんに、私はもう居ても立っても居られずに、着替えてたっくんにぎゅーってした。


あお「たっくん」

たく「ん・・・なに」

あお「ぎゅーっ♡」

たく「何してんのよ」

あお「無理しちゃだめだよ。適度に休んでね?」

たく「ばーか。何いってんだよ」

あい「たったー、あいたんとねんねしてー」


あいちゃんか私が甘えるとたっくんは必ず応じてくれる。あいちゃんには何か策があるのかな?でもたっくんはあいちゃんと一緒に布団に入って寝てしまった。愛央は不安だけど、チアでいっぱい明るく練習をすることにした。



3時間後、たっくんが起きてきて・・・愛央のためにお昼ごはんを作ってくれたの!そんな頑張るたっくんに、さっき練習した成果を思い切って出してみたの!


たく「起きてたか」

あお「たっくん!」

たく「なに」

あお「愛央のエールで、元気出してね!」

たく「はぁ・・・」


不安な顔をしてても愛央の応援には勝てないよね。雪の日でもたっくんが頑張れるようにと願って・・・私は大きく息を吸った。


あお「フレーっ!フレーっ!たーっくーん!」

たく「うっ・・・」

あお「負けないでっ!たっくんはすっごいんだから!」

たく「ほんとに?」

あお「うん!たっくんはあいちゃんの面倒も見れて、愛央のチアにも耐えてくれて・・・でね、たっくんは勉強はできなくてもバイトとかで頑張ってるんだから」

たく「はぁ」

あお「すっごいたっくんだけど、無理はしちゃだめだよ!ね?ふぁいとっ♡」


私はこうやって応援したあと、たっくんに甘えちゃった。たっくんは・・・恥ずかしがってたけど、力が湧き出てるように感じたの。


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