第36話 鉄道好きとチアリーダーと赤ちゃんのデート!?

翌日明朝5時20分。愛央と俺は2人で同時に目を覚ました。あいちゃんはまだずーっと寝てる。


あお「たっくん・・・おはよう」

たく「起きた?」

あお「うん!」

たく「今日はハーフアップ作ってあげる」

あお「ポニテ風に作って♪」

たく「いいよ。さてさて、こんな感じ?」

あお「うん!チアリーダーみたい!」

たく「そっかそっか。じゃあこれでいっか」

あお「ありがとう!たっくん!」

あい「きゅ・・・ぴ・・・」

たく「あ、起きそう。あいちゃん、起きる?」

あい「くぅ・・・くぅ・・・」

あお「まだ起きないよね?」

たく「たぶん」


急いでポニーテール風ハーフアップを作り上げた俺はあいちゃんを起こした。


あい「くぅ・・・・くぅ・・・・」

たく「あいちゃーん」

あい「きゅ・・・ぴ?」

たく「おはよ」

あい「きゅぴ!ぎゅー!」

あお「あいちゃん、おはよう!」

あい「ねーねー!」

あお「お出かけする?」

あい「あい!いく!」

あお「じゃあ行こうね!」

あい「きゅーぴ!」

たく「あいちゃん、ごはん食べる?」

あい「たべりゅー!」

たく「と言うだろうと思って用意はしてあるよ」

あい「あーちょ!たべる!」


おなかいっぱいになったあいちゃんはおむつ替えてって俺に言ったので、取り替えてからお出かけをすることにした。そして出かけようとした矢先に愛央が話しかけてきた。


あお「たっくん!」

たく「出かける前にどしたの愛央。ポンポンなんか持っちゃって」

あお「明日が体育祭だから!」

たく「・・・あぁ、そっか」


チュールスカートとブラウスで絶対動きにくいはずの愛央はさっき作ったハーフアップを生かし、エールを送ったのだ。


あお「フレ!フレ!たっくん!頑張れ頑張れ体育祭!Fooooo〜♪」

たく「ありがとう・・・」

あお「ぎゅーっ♡あいちゃん!抱きついちゃえ!」

あい「あい!ぎゅーっ♡」

たく「いたたた」

あお「ふぅー、満足っ♡」

たく「じゃあ行くか」

あい「きゅぴ〜!」


その後久しぶりに天川大野から電車に乗り、天川中央まで来た。この路線、50年前の車両を魔改造してまだ使うのだからさすがだ。


天川中央にしかない通りで買い物をすることになり、愛央は大喜び。あいちゃんは疲れて寝ちゃってる。さてさて、何を買わされるのかな。


あお「たっきゅん♡」

たく「出たよ推ししか勝たんと言わんばかりの甘え」

あお「ポンポン買っていい?」

たく「珍っ」

あお「明日体育祭だし、新調したいの!」

たく「樋口一葉やるから買ってきな。俺とあいちゃん、先飯買っとくから」

あい「うっ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

たく「え!?ここで!?」

あお「あいちゃん!だいじょうぶだよ!」

あい「きゅぴ・・・こわい!」

たく「・・・抱きしめてやって。愛央」

あお「うん・・・だいじょうぶだからね♡」

あい「きゅぴ・・・」

たく「怖かったか。ごめんね」

あい「ぎゅーっ」

あお「私、買ってくるね!」

たく「わかった。じゃあいちゃん、あおお姉ちゃん待とうね」

あい「きゅぴ!」


2分後、安心しきった顔で愛央は戻ってきた。どうやらお目当てのものが買えたようだ。


あお「たっくん!買えた!」

たく「良かったね」

あお「うん!」


色々買い物をして一日で12万を使ってしまった。でも愛央はチアの練習道具や洋服など色々買えたし、俺は鉄道関連の用品も買えたからいいや。


買い物を終えて天川中央から天川大野まで帰ってくると、風が吹いた。愛央の青いチュールスカートがふわっと広がって華やかになっている。これを使って、家に着くと愛央は大好きなチアを踊り始めた。


あお「フレーフレー、たーっくん!がんばれがんばれ体育祭!ふぁいと〜、おー!Fooooo〜!!!」

たく「やっぱりな。応援したかったんでしょ?」

あお「うん!チアリーダーだもん!」

たく「かわいいよ。愛央」

あお「ありがとう!」

あい「ねーねー、ぽんぽん!」

あお「愛央のぽんぽん?」

あい「かーちーて!」

あお「うん!」


あいちゃんは愛央のポンポンで遊びたかったようで、愛央とあいちゃんは2人で遊んでいた。2人は今年の体育祭、当日まで俺を応援しない日はない。あいちゃんはまだ1歳半だから、遊んで欲しい時もある。愛央は慣れた手つきで今年も応援するだろう。専属のチアリーダーって、疲れるだろうけど愛央がそれでいいって言うなら俺は構わない。俺はその2人を横目に編集をしていたのであった。


体育祭の前夜、愛央の元気づけたい気持ちが編集中の俺に伝わってきた。


あお「ねぇもうすぐそばに、いつもいられない」

たく「そんな日が来るって」

あお「考えたく」

兄妹ふたり「ないないない!」

あお「ふふふ。やっぱたっくんなんだなぁ」

たく「どーゆーことだよそれ」

あお「たっくんも愛央も離れたくないってこと!」

たく「なるほどね」


バイトの時以外は基本的に俺と愛央でふたり一緒にいる。もちろん、あいちゃんは愛央が付きっきり。だから離れたくないし、頑張れって愛央が応援したいのだろう。俺、頑張るね。

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