第35話 愛央のチアアップ!フレ!フレ!たっくん!

愛央にとって唯一出来るのがたっくんの応援。

今年も体育祭の季節が来ちゃったの。愛央とあいちゃんは2人でずーっと、たっくんに頼んで買ってきてもらったすずらんテープで、今年も可愛く応援するっ!って気持ちでぽんぽんを作っていた。


あい「ねーねー、これ?」

あお「うん!お姉ちゃんと一緒に、作るんだよ!」

あい「あい!へへっ////」

たく「はー、あじしようかなぁ」

あお「たーっくん♡」

たく「愛央!あじした?」

あお「今年もこの季節だから」

あい「ちゅくるの!」

たく「今年はあいちゃんも作るのか」


たっくんはあいちゃんと私が作るのを楽しみにしてくれてる!頑張って作るぞ〜!って気合い入れて、あいちゃんと巻き始めたの。


あい「きゅーぴ、きゅーぴ、きゅーぴ、きゅぴ!」

あお「できた?」

あい「できたー!」

たく「お、やってるやってる」

あお「たっくん!」

たく「手伝ったろか?」

あお「えっ?いいの?」

たく「編集終わってさ、撮影まで時間があるからね。今日はバイトもないし」

あお「手伝って♪」

たく「ったりめぇだろ」

あお「やったぁ〜!」

たく「なんかその言葉どーっかで聞いたことあるぞ」

あお「たっくんがいっつもやってる電車のゲーム!」

たく「あー、電車でGOの六葉むつはだ」


たっくんは色々1人で考えながら作っていたけど、そのおかげで15分くらいで完成したの!たっくんって凄い!


それからあいちゃんと2人で応援合戦の練習をしてると、たっくんがお昼ご飯を作ってくれたの!3人で食べていると、たっくんが話しかけてきたの。


たく「愛央とあいちゃんに聞きたいんだけどさ」

あい「きゅぴ?」

あお「なぁに?」

たく「今年負けたら俺どうしようって思うんよね」

あお「なんで・・・?」

たく「ほら、去年は負けて愛央泣かせてあいちゃんも泣いてたべ?だから余計にどうしようかなって」

あお「それで不安なら、わたし応援するよ!」


たっくんが不安になってる・・・私はいつもの大きくて赤いポンポンを持って、たっくんを応援しようとしたの!


あお「ねぇたっくん」

たく「あに?」

あお「愛央の応援で、元気出してくれる?」

たく「うんまぁ・・・・・・・」

あお「ぎゅーってしてから応援するから!」

たく「分かった」


わたしね、たっくんに助けられることが多かったから、次はわたしが助ける番!大きく息を吸って、わたしは応援したの!


あお「ふぅ・・・たっくん、自分に負けないで!」

たく「は?」

あお「たっくんって、負けたりするとネガティブになったりしちゃうよね?」

たく「うん・・・それが?」

あお「愛央ね、たっくんが元気になってると愛央も元気になれるの!でもね、ネガティブになると愛央の応援が悪かったのかなって。違うと思うんだけど、たっくんが負けた時はいっつも元気ないし、悔しいのかなって」

たく「なるほどね・・・」

あお「だから、そんなたっくんの心には負けて欲しくないの!」

たく「あー、だから?」

あお「うん!フレ!フレ!たっくん!」

たく「あー・・・」

あお「負けるな負けるなたっくん!」

たく「でも・・・」

あお「もう!たっくんったら!」

たく「あ・・・ごめんなさい・・・」

あお「ふふっ、ぎゅーっ♡」

たく「え!?」

あお「私の大好きなお兄ちゃんのたくみに届いてほしい・・・なっ♡」

たく「か、かわいい・・・」

あお「ありがとう♡だいすきだよっ♪」


たっくんに1番可愛く応援出来る方法はこれしかない!たっくんはわたしに惚れてたなぁ・・・。


服を着替えてデート服を着たらたっくんが話しかけてきたの。


たく「愛央」

あお「なぁに?たっくん」

たく「これからバイトなんだけどさ・・・」

あお「うん、・・・お客さんからの暴言とか来るの?」

たく「うん。それで元気が出なくてさ・・・」

あお「デート服のままでいいならチアやるよ!」

たく「・・・いいのか?」

あお「うん!フレ!フレ!バイト!フレ!フレ!たっくん!」


心でも応援!負けて欲しくないたっくんに私はエールを送ったの!そしたらたっくんは安心して、バイトに行っちゃった。


それから2日後、体育祭練習が始まった!チアリーダーっぽく、妹らしさを残して私はたっくんのことをずっと応援してたの!負けないかな・・・大丈夫だよね!あいちゃんも愛央も黄色のポンポンを作って、応援してたの。少し休憩することになったので、あいちゃんと一緒にたっくんの所へ行くことに!


あお「たっくーん!」

あい「にーにー!」

たく「愛央!あいちゃん!どしたのさ」

あお「暑くなるから、お水飲んで!」

たく「ありがとう!じゃあさ」

あお「なぁに?」

たく「乾杯!」

あい「きゅぴ〜!」

あお「うん!」

たく「おいしい?」

あお「うん!」

たく「今年の体育祭も愛央に応援されっぱなしだなぁ」

あお「たっくんのこと好きだから大丈夫!」

たく「そっか。まだまだ応援するの?」

あお「もちろん!ポンポンも去年と同じの使えるから!」

たく「そっか。じゃあ行ってくるよ」


そう言ってたっくんは走っていった。この後綱引きがあるからかな。綱引きの練習試合で、わたしとあいちゃんはたっくんのことを不安な目で見守ってた。勝てるかな・・・。でもたっくんのことだから・・・。


ピストルが鳴り響いた瞬間に、応援団のみんなで笛を吹いたり、ポンポンを振って応援!わたしとあいちゃんはあいちゃんに笛を持たせて、わたしはひたすらポンポンを振ってチアに集中してたの。


あお「がんばれー!たっくーん!」

たく「あと・・・すこし・・・!でも・・・!」

あお「たっくん・・・」

あい「ん〜!きゅぴらっぱ〜!」

あお「え!?あいちゃん!?」

たく「何、この力・・・?」

あい「にーにー!がんばえー!」

あお「あいちゃん・・・!たっくん!今なら勝てる!」

たく「まさか・・・。ふっ、やっぱりな。おっけ。俺やったるわ」


たっくんはこっちを見て微笑んだ。あいちゃんのパワーが出たのかも。1回戦目は負けちゃったけど、ここで逆転勝ち!やったぁ〜!


先生「C組の勝ち」

あお「やったぁ!」

あい「きゅぴぴぴぴぃ!」

たく「あいちゃん!」

あい「きゅぴ〜!にーにー!しゅごーい!」

たく「あいちゃんのおかげ。ありがとうね」

あお「すごいね・・・あいちゃんのちからって!」

たく「愛央のエールも原動力になるけど、この子が秘めてる力は尋常じゃない。マジで」

あお「そうだね」


練習を終えて教室に帰ってくると、たっくんは次第に寝ちゃった。あいちゃんもたっくんの背中に乗って、ぐっすり。疲れちゃったんだね。


休み時間が終わり、今日はそのまま放課後!たっくんは起きて、あいちゃんはまだ寝ちゃってるから、2人でだっこして帰ることにしたんだ!


たく「あの力使ったあとはぐっすりだね」

あお「うん。疲れるんじゃない?」

たく「家帰ったら何しよう」

あお「たっくんバイトは?」

たく「今週全部有休とった」

あお「じゃあ・・・」

たく「明日も休みだし、デートしようか?」

あお「うん!」


チアって誰かを笑顔にするよね。私はたっくんが大事なお兄ちゃんだから、余計に気合が入って応援できるの。たっくん、頑張ろうね!


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