(什漆)
「ようこそお出でくださいました」
「すみません、急におしかけてしまって」
「いえいえ、まあ、他の
「そのようですね」
「はい」
「で、どのようなご要件で?」
「ああ、はい」
僕は、大京が、
「大趙帝国は、カナン平原を統一した帝国ですよね。なぜ、このような帝都すらも支配出来ないような国になってしまったのか?」
「ふむ。そうですね~。
「はい」
え〜と、
その時に、
そして、趙天は、趙武がやめた大将軍制度を復活させ、八家の者達を大将軍に任命し、さらにカナン平原の統一を果たす。
代を重ねる
そして、その地方、地方で、徐々に力をつけると、趙帝紀147年。趙下八家が大趙帝国に
八家の乱は、一応、十年程の戦いで
八家の乱から国々は乱れお互い
呂国、至国、雷国、陵国、麻国、泉国、廷国、条国。これが、八国。
これに、国王の家系は、
と、僕は歴史を話す。
「まあ、そうなのですが。まずは、八家の乱です。歴史では、十年程で講和が結ばれたと言っていますが、実際は大趙帝国は滅亡寸前まで追い込まれたのですよ」
「そうなんですか」
「ええ、まあ、元々は、八家の全軍合わせても大趙帝国と良くて互角だったのですが、大趙帝国は、あっさりと初戦で大敗を
「大敗?」
「ええ、中央部で
「そうなのか」
この辺の歴史は、ちゃんと勉強していなかったな~。
「そして、
「えっ? 十年囲まれっぱなしですか?」
「そうですよ。攻略出来なかった八家軍が悪いのか、趙武が作った長城が素晴らしかったのかは、分かりませんけどね」
「ええ」
「まあ、趙武は長城内の生産量で、何年も大京の街が維持できるようにしてあったのですが、さすがに十年です。亡くなる人も多かったようですよ。
「なんと……」
「
「
「それから大京は、街を離れる大勢の人々、流入する
「そうなんですか」
「はい、今や支配地域は、東西南北にあるかつての大京の支城があった、
耀表さんは、左右に首を振る。
「そうですね」
話を聞くと、もう滅んでいるような国に聞こえた。だけど、他の八国が全部じゃないだろうが、滅ぼすことなく帝国と皇帝を維持しているということなのだろうな。
「ありがとうございました」
「いえいえ、御参考にでもなれば良いのですが」
「はい、大変有意義なお話でした」
こうして、耀家を後にすると、僕達は
大京の街の大通り、そこをまっすぐ歩くと、突き当りが皇宮だった。
「なんか、嫌な感じです」
「ああ」
「ああ、まったくだ」
そう皇宮に近づくと、城壁というほど高くはないが壁があり、各所に見張り
その壁に
「こんなもんかな大京見学は」
「そうだな」
そう、かつて趙武が勉強したという軍官大学はすでに無く、
というわけで、僕達は大京の街を離れる。
大京の街を出ると、皆が船に乗るために南へと向かう中、東へと向かう。後は、
「あれですよね、至国の王都は
「会蓮料理か? どんな料理なんだ?」
「さあ?」
「内陸だし、
どんな料理なのだろうな?
僕達は、南河沿いの街道を進む。開拓された水田が広がっていたが、徐々に湿地が増え、自然な水田が広がる。湖や湿地に阻まれ、街道も左右に激しく
「えらく遠回りしてんな」
「そうだね。昔は湖に渡し舟があったみたいだけど」
「今は、人通り少ないからな」
「そうか」
「でも、
「そうだね」
確かに湖の湖面は、太陽の
内陸の乾いた空気から変化し、湿った空気が身体に感じられる。
僕達は、至国へと入り
「目的はなんだ? その武器はなぜ持っている?」
そう、僕達は背に
一応、僕だって、それなりに剣をつかえる。まあ、三人に比べればあれだけど。
「僕は、各地の耀家の視察をしています。彼らは僕の護衛なので、武器を持っています」
「う、うむ、そうか」
関所の役人さんは、耀家の通行証と、その通行証の中に挟んで置いた
「そうか、耀家の者だものな心配無いな。通って良いぞ」
「ありがとうございます」
周囲の人達が、かなり念入りに荷物検査などを受ける中、あっさりと通る僕達。周囲の視線が痛い。
南河を進んできた方々も、至国に入国するには、一旦、関所を通らないといけないのだった。大変ですね~。
「しかし、
「ああ」
「?」
「その変、商人の家の子っていうか、上手くやるよな」
「ああ、そういう事か、確かにね」
「耀秀様は、
「朱鈴、何がだ?」
「お金を有効活用して、さっさとめんどくさい事は済ませるのです」
「そうだな」
「まあ、あまり良くないことなのだろうけど、面倒に巻き込まれるよりはね」
「そうだな」
「そうなのです」
こうして、僕達が至国の中に入ると、南河は東北東に流れを変え、僕達も南河に沿って進むと。
「おっ、あれが会蓮か?」
「そうみたいだな」
「楽しみですね~」
「そうだね」
そう言いながら、僕には点のようにしか見えない。
かつては、大岑帝国時代、
僕達は、二重の城壁を通り抜け街へと入る。一つ目の城壁は1
城壁と城壁の間にも、家々がひしめき、街は発展しているようだった。だけど、街の雰囲気は、どこかピリピリしているように感じた。
そして、その原因はすぐに分かった。
「うわっ、また戦いかよ、今度はどことだ?」
「
「全くだぜ。また、負け戦だろ?」
「おいおい、そんな事言うなよ。
「ハハハハハ、確かに、そうだった、英雄王だったな」
「ああ、英雄王だ。ハハハハハ」
「英雄王、万歳!」
先頭に、銀色に
「重てえだろうな」
「ああ」
「あの頭のは、
「多分そうだね」
「馬鹿っぽいな」
「凱鬼、聞こえるよ」
「おう、わりいわりい」
堂々たる行進ではあった。だけど、後に続く兵士のみならず、
「へ〜、見たのかい、英雄王至仙様を」
「はい」
「ハハハハハ、そりゃ、私も見たかったね~」
「そうですか」
ここは、会蓮の
なのだが、僕の目の前には微妙な表情で料理を見つめる朱鈴さんがいた。最初はウキウキした表情で料理を待っていたが、運ばれてきた料理を見て微妙な表情になってしまったのだった。
料理は、スッポン、カエル、
そして、料理は元の素材がなんだったかが分かるようになっていた。朱鈴さんは、カエルや、スッポンを指でつついていた。
豚肉とスッポンの煮込み、
いやっ、味は美味しかったよ。だけど、見た目が〜。最後まで微妙な表情の朱鈴さんだった。
「可哀想ですよ~」
「そうだね」
「料理だぜ」
「ああ」
「う〜」
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