(什伍)
「しかし、上手くいくものですな〜」
外見はどこにでも居そうな
「馬鹿と、何とかは使いようってことですよ」
「はあ」
そう本来の目的はそっちなのであった。理由は。
「英雄の子孫は、一人で充分なのですよ」
しかし、この男にとって他の英雄の子孫は邪魔でしかなかった。
「わたしが歴史の表舞台に立ち、名を残すには邪魔なのですよ。それで、
「はい」
そう言いながら、男は自慢の銀髪をかき上げる。
男は名を
「臥良さんには感謝しませんとね。じゃないと
確かに、かつての趙武の面影はあった。切れ長の美しい
まさに絵に描かれた趙武の生き写しだった。ただ性格はだいぶ違うようだったが。
「さて、後は……」
「臥良ですか?」
「いやいや、彼が居ないとこの国はまわりませんよ。だけど、彼ばかりに権力が集中するのも面白くない。というわけで、名ばかりの大将軍の名を利用させてもらいましょうか。如参陛下に
その頃、耀秀達は、そっと、
丹倭から西に向かえば、如真王国の勢力圏では無くなり、いまだに、各地の
ある意味危ないが、それは、龍清、凱鬼、朱鈴にとって、何でもないことであった。そして、その3人に囲まれた耀秀にとってもだった。
荷物も大して持っていない、いかにも強そうな人達を襲う
「さて、このまま陸路を行くか。南下して船で向かうか?」
「耀秀様が歩まれる道が、わたし達が歩く道ですわ」
「まあ、どれが良いかってわからねえからな~。歩いてて疲れるわけでもねえし」
「そうだね」
へ〜、歩いているだけじゃ疲れないんだ〜。僕は、疲れるけどね〜。
だけど、いろんな街や景色を見たい。船で行けば何も見ずに通過してしまうだろうね。急ぐ旅でもないし。
「そうだね。じゃあゆっくり歩いて行こうか」
「お〜!」
こうして、耀秀達の旅は始まったのだった。
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