第17話 死を乗り越え…過去を見よ

1週間後


「よし、全員準備は出来たか?」


「ええ、出来たみたいです」


「しかし100人をどうやって移動させるんだ」


「輸送機を利用する」


「…どこにも無いが」


「今来たさ」


「どこにだよ」


「そこさ」


カイザーの指さす方向にステルスで隠されていた。


「なるほど、ステルス輸送機てわけか、それに4機もある」


「というわけだ、全員乗り込め!」


『了解!』







1時間後


「よし、出発だ!」


「…」


無事に行けるのだろうか…


『聞こえるか?』


ご先祖様か、どうした?


『今すぐアーツに乗り込んで外を警備しろ』


敵襲の可能性か?


『そうだ』


そうか。



俺はそそくさとアーツに乗り込む。


「ローズ?どこに行くの?」


「外に行く」


ドアを開けすぐに飛びドアを閉める。


「っ!やっぱりか!」


後ろからムーンの機体が迫ってきた。


「裏切り者共はどこだ」


「知るかよ!」


「ならば殲滅だ!」


敵影は…おいおい、15機…かよ。







上空


「くそっ!攻撃の隙がねぇ!」


攻撃を避けるだけで精一杯だ!


「畜生!殺るしかないのかよ!」


『思いきれ!』


「わかったよ!」


ブレードの二刀流で2機撃破。


「ちっ!」


「くそ!」


『コンパクト・レールガンだ!』


「了解!」


コンパクト・レールガンをまわし…


「させるか!」


しまった!斬られた!


『落ち着け!そんなヤワな品じゃねぇ!そいつで殴れ!』


本当に斬れておらず、コンパクト・レールガンで敵機を殴る。


「うぉ!?」


『3機巻き込め!』


中心の敵機をロック…発射!


「しまった!」


「3機やられた!」


「あと、10…」


コンパクト・レールガンは一度打つとクールタイムが必要になる、そのため他の攻撃手段しかない。


「くっ!全機かかれ!」


1つ、1つ丁寧に対処する。


「ぜぇ…ぜぇ…あと…5機…」


「行くぞ!」


「くっ!」


1機撃破!


「隙きあり!」


「しまった!」


足を掴まれた!これでは身動出来ない!


「やれ!」


まずい!3機がブレードで…


「くそぉ!」


ブレードが俺の体を…









「…っ!ここは!?」


上空ではない…病室?それに3人…


『産まれました!男の子です!』


この人は助産師か…


『ああ…私の…愛しい子…』


誰だ?この人は…なぜ…病室に…出産なのか?


『あなた…この子の名前は…』


『【陽炎】…この子は陽炎だ…俺と

お前の永遠の宝物だ…この子には…』


この人が夫か…


『残念だがその子供は我々に明け渡してもらう』


あのマークは…リング?


『断る!この子は俺たちの子だ!』


『あなた!』


だが、夫らしき人物と助産師は撃たれてしまう


『…その子に…俺の力を』


『あなた…っ!私も、この子に…力を…』


この人…まさか、出産の影響で…体力の限界が…


『ふん、死んだか…大人しく渡しておけば済んだものを』


赤ん坊は泣き出す。


『お前は…これから実験だ…そう、【神の子】としてな…』


こいつは何を言って…


『…はい、ゴールドです、はい無事に…はい、これより撤収します』


この男…人の心がないのか…それと誰と通信していたんだ…


『ふ、無様だな』


『その子を離せ!』


また一人銃を持った人が…


『ほう、貴様は?』


『…っ!?兄さん!?それに!玲香さん!?』


『貴様はこいつの弟か』


『まさか…貴様が!兄さんたちを!』


『大人しく渡しておけば死ななかったんだがな?』


『お前は昔から変わってないな!そのクズっぷりは!』


『貴様はいつまで正義の味方のつもりだ?もう正義など意味をなさない、今あるのは支配のみ』


『俺がお前を黙らせる!』


なんなんだ!さっきからこれは!?


「これはお前だよローズ」


「ご先祖様…」


「この赤ん坊は『お前だ』」


「俺が…あの?」


「そうだ、陽炎」


「陽炎…俺の…名前…」


「お前の両親はお前に力を授けた、

比喩表現ではない、現に2人は覚醒していた」


「それが…俺の中に…」


「そうだ、しかし2人はもうあの時点では力を行使できない、そのためお前に授けた」


「…っ」


何だ?なぜ…涙が…


「記憶では忘れていても『魂』で覚えているからだ、お前はここで死ぬわけにはいかない、思い出せ!覚醒の条件を!」


死にかける…魂の進化…脳の改造…


「お前は既に改造済み、そして今!」


「俺は」


「「死にかけている!」」


「さぁ!戻れ!そして両親の無念を晴らせ!」


「っ!」


眩い閃光が辺りを包み込んだ。


『『がんばれ、陽炎…』』


「…ああ、がんばる」








上空


「「「「!?」」」」


「どこに行った!?」


「うぁぁぁぁぁ!!」


敵機の背中を裂く。


「貴様!?なぜ後ろに!?」


「はぁ…はぁ…俺は…止まれねぇ!」


「貴様ぁ!」


エアーブースターを最大出力にして斬りかかる!


「「ぐほぉ!?」」


残り…1機…


「き、貴様ぁ!」


「乗り越える!」


ブレード同士がぶつかり合っていた。


「俺は…乗り越える!」


敵機のブレードを弾き飛ばし…


「無念を晴らす!」


敵機を両断する。


「はぁ…はぁ…」


警告音が鳴り響く、エアーブースターを使いすぎたか…


「ローズ!」


シズか…


「はぁ…はぁ…」


「どうしたの!?」


「すまん、エアーブースターを使いすぎた、連れて帰ってくれ」


「わかった!」


ああ…クソ眠い…


深い眠りへついた…




次話よりローズしてから変わります。

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