第8話 忍者

「…無い」


「ええ、無いですね」


ナイフ隊とフリーダム隊は敵のいない拠点を捜索するが、一向に地下の道を見つけることが出来なかった。


「…まじかよ、無駄足か」


「おそらく別の拠点なのかと」


「はぁ〜…おーいルーキー帰るぞ」


エレベーターにて何か考え込んでる

ルーキーにナイフは撤収を命じた。が


「…ふん、あ」


突然ルーキーはエレベーターの床を ブレードで破壊した。


「おおい!?」


「ルーキー君!?」


ルーキーはそのまま重力に従って落下した。







敵拠点 地下


「地下あったな」


地下はところどころ岩がむき出しになっているが、電気は通っているようだ


ルーキーは無線をオンにしてナイフに状況報告をする。


『おいマジかよ!よしタスク行くぞ!』


無線をオフにして先に行こうとするが


(次は無いぞ)


「…待とう」


待つことにした。





「おお、マジであったな」


ナイフとタスクが合流する。


「早速行きましょうか」


残りのフリーダム隊は周辺警備だ。


「そうだな」







「おいおい敵の気配が無いぞ」


「おかしいですね…普通上がドタバタしてたら警戒して兵を多く置くはずなのに…」


「…もしかして」


「ルーキー心当たりがあるのか?」


「…もうすでに逃げたとか?」


「それはあるな」


「…」


「…タスクさん」


「ああ」


「…気づいてるな?2人とも」


「いますね、敵」


「だが、1機のようです」


「そいつは任せた、俺は司令部を落としに行く」


「へぇ〜、よくわかったね」


曲がり角から女の声がする。


「油断するなよ」


そう言いナイフは別の道へ進んだ。


「「はい」」


「君と君が、『シズ』ちゃんから逃げおおせた2人だね?」


「誰だ、そいつ」


「氷河の女帝だよ」


「…そうだが」


「興味深いね…特に君」


曲がり角からくの一を思わせるかのような機体が現れた、おそらく先程の声の主であろう。


「俺か?」


「そ、君」


女はルーキーを指さす。


「シズがびっくりしてたよ、まさか『同類』がいるとはってね」


「俺をお前らテロリストと一緒にするな、俺はお前らが大嫌いだ」


「それと、シズがフラれたって言ってたわ」


「知るか」


「冷たいわね、モテないよ?」


「モテるならタスク1人で十分だ」


「僕を巻き込まないで」


「冗談です」


「さて、見せてもらうよ、君の実力」


女は背中のブレードを抜き、構える。


「見せつけてやるよ」


ルーキーもブレードを1本抜き構える


「…2対1は卑怯だな、僕は眺めさせてもらうよ」


タスクは後ろに下がり、観戦する。


「はじめようか、私は『アカツキ』」


「俺はルーキーだ」


「…それコードネーム?」


「まだないだけだ」


「そう…なら私が付けてあげようか?」


「すまないな、断らせてもらう」


「そ」


2人はブレードを向けた。


「「勝負!」」


ブレードが触れ合い火花が散る。


「…お前も完成品か」


「ううん、私は一般人だよ」


「…でこのパワーか」


ルーキーは押し負けそうになっていた


「ま、機体性能もあるけどね」


「…なかなか厄介だな」


「君のほうがね」


「(なんで私の機体と張り合えるのよrayなんて対した腕力強化は無いのに) 」


「…流石に一本では分が悪いな」


そういい背中のブレードをもう一本抜いて二刀流になる。


「二刀流ね」


「やったことは少ないがな」


「なら私も本気で行くわね」


そういうと次第に機体が透明化した。


「ちっ、またステルスか」


「君たちが戦ったのはプロトタイプよ私のは完成品」


場所は狭い地下、そのため動き回る

といった行動は制限される。


「面倒くさいな」


「…」


ピト…とルーキーの肩に触れる。


「!」


ブレードを振るが、ノーヒット。


「ふふ、怖い?」


「…いや」


「そう、これでも?」


すると突然肩の装甲が飛ばされた。


「ちっ!」


ルーキーは後ろに飛び退く。


「そのままどんどん装甲を剥がしてあげる」


「…」


ルーキーはなにか手はないかと考える


「(…地下、となると爆発部は悪手だな…となると…どうする)」


「次は…右!」


「!」


続いて右肩の装甲が飛んだ。


「ふふ、右肩が丸見えよ」


「…装甲が無いからな」


「さて…次は…」


「…」


突如、ルーキーの眼の前に機体が見えた。


「!」


ルーキーはその機体を回避する。


「え?どうしてわかったの?」


「…」


ルーキーにもわからなかった。


「…君もシズちゃんと同類なのね」


「俺をあいつと一緒にするなと言っただろ」


「でも、実際に私の攻撃避けたじゃない」


「それに関しては全く分からん」


「…(無自覚…ね)」


「よそ見!」


「!」


ブレードの鍔迫り合いが始まった。


「っ!」


「くっ!」


徐々にルーキーが迫る。


「やるじゃない!」


「っ!」


「でも、命令には逆らえないわ」


「何を言ってるんだ?」


「撤退するわ」


すると辺りにスモークが展開され、女は姿を消した。


「逃げられたか」


「凄いねルーキー君」


「ありがとうございます、とりあえずナイフさんの下へ急ぎましょう」


「そうだね」











敵拠点 司令部


「…ふぅ、終わったな」


ナイフはブレードに着いたオイルを払う。


「ナイフさん!」


「お、ルーキーとタスクか終わったのか?」


「はい、ですが逃げられました」


「ふむ…まぁ2人とも無事なら良いが」


「ナイフさんも無事みたいですね」


「まぁな、それと面白いものを見つけた」


「なんですか?」


「これだ」


するとナイフは何かの腕パーツを持ってきた。


「これは?」


「アーツの部品だ」


「…見たことのない形状ですね」


「だろ?だから持って帰る」


「では戻りましょうか」









敵拠点 一階


「お、戻ってきた」


「隊長〜無事でしたか」


「ああ、ルーキー君に助けられたよ」


「いや、タスクさんは観戦してただけでしょ」


「隊長…」


「いや、流石に2対1は卑怯だから」


「隊長は紳士ですね」


「さて、帰投するぞ」


『了解』

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