第4話 新型アーツ襲撃
「…ルーキーか、なんだかパッとしないなぁ」
そんなことをルーキーは自室で呟く。
「せめてかっこいいコードネームが良い…こんなこと考えるなんてまだまだ子供なのか?」
ルーキーはまだ17歳、戦を知るにはまだ早い。
「…そういえば俺の親はどんな人間だったんだろう…」
ルーキーは親の顔どころかシルエットさえ覚えていない、1番古い記憶は実験されている時である。
「とりあえず任務が来るまで寝とくか、今日は疲れた」
ルーキーはそっと目を閉じ、眠った。
「…う~ん、ん?」
気がつくと自室ではなくどこかの病院の一室に居た。
「なんだ、何処だ」
辺を見回すがベッドなどがあるだけでこれといった変な物は無い。
「目が覚めたか」
「!?」
扉から一人の男が現れた、歳はおそらく三十歳。
「お前は今眠っている」
「…今は起きているが?」
「これは夢だ、オリジナルのお前は寝たまま」
「…何者だ」
「そんなことはどうでもいい、俺はたった1つのことだけを教えに来た」
「1つのことだけを…」
「お前は『完成品』ではない」
「完成品?どういうことだ」
「時間切れだ」
「ちょ、まて!」
次の瞬間視界がブラックアウトした。
「ハッ!」
目を覚ますとそこは病院の一室ではなく自分の部屋だった。
「何だったんだ今のは、夢?にしてはハッキリと覚えている」
『警告!正体不明のアーツが出現!大至急司令室へ集まれ!』
「なんなんだ今のは…」
司令室にて
「どんな機体だ!」
「ナイフさん、こちらです」
モニターに機体が映し出される、その機体はアボットに似た機体だが背中に二本突起物がある。
「アボットとは違うのか?」
「こちらの映像を」
「なかなか速いな」
「えぇ、しかしここからです」
「ん?」
別の映像が映される、その映像には…
「消えた?」
「はい、おそらく特殊迷彩を起動したようです」
「サーモグラフィーでわかるのだろ?」
「それが探知されないのです」
「なんだと、厄介だな…」
「緊急事態ですか?」
「ルーキー君…」
「ルーキーこれを見ろ」
「…透明化?」
「あぁ、更にサーモグラフィーも効かないおまけ付きだ」
「とてつもないくらい厄介ですね」
「その通りだ」
「正直戦いたくないです」
「おいおい、そう言ってると…」
「レーダーに反応あり!しかし敵影補足できず!おそらく新型です!」
「…」
「フラグだったな」
「…はぁ〜、出撃せよ!」
「「了解!」」
格納庫
ルーキーはrayに乗り込んだ
「さて、ルーキー今回は俺とお前だけってわけにもいかん、ということでお前より2つほどの年上が隊長を務める部隊と共闘だ」
「了解!」
「君がルーキーかい?」
隊長機が上空で話しかけてきた。
「はい、あなたはフリーダム隊の」
「ああ、隊長だよ」
「…若いですね」
「君のほうがね」
「お、早速話してるな?」
後ろからナイフがやってくる。
「ナイフさん」
「フリーダム、こいつはかなりの実力を持ってるがかなり無茶な機動をする、よく見といてくれ」
「わかりました」
上空
「…いないな」
「ええ、しかし」
「隊長!1機やられた!」
その隊員の隣りにいた一人が腕を負傷した。
「撤退しろ!体勢を立て直す!」
フリーダムは撤退命令を下すが。
「じゃ、俺はその時間稼ぎをするとしよう」
ナイフが敵が居るであろう方向へ。
「お供します」
「頼みにしてるぜ」
「待て!」
「さっさと下がれよ、フリーダムここは2人でなんとかする、お前は体勢を立て直せ」
「っ…了解!」
「さて」
「ナイフさん!」
「危ねえ!!」
なんとかギリギリ銃弾を避ける。
「ちっ!どこにいるかわからねぇ!」
「…」
突然ルーキーは高速でバレルロールを繰り返す。
「おい!ルーキー!?」
「…見つけた!」
「!?」
ルーキーは空中を掴んだ。
「貴様!!」
「おいおい!マジか!!」
なんとルーキーはステルスしていた
敵機を掴んだ。
「離せ!!」
「!」
ルーキーはそのままrayのブレードで敵機のバックパックを切り裂く。
「しまった!?」
バックパックを失った敵機は落下しながら爆散した。
「ナイフさん!奴らは移動する際に少しステルスにラグが生じます!」
「なるほど!つまりこっちが高速で動いて奴らを動揺させ、動かせば…」
「「ステルスは雑になる!」」
続いてナイフもバレルロールを繰り返す。
「なんなんだ!?こいつら!全く当たらねぇ!?」
「それだけじゃない!6機いた仲間もあと4機だ!!」
敵機の回線は大混乱だった。
「やめろ!!」
遂に半分になってしまった。
「下がりなさい、ここは私が…」
「っ!わかりました!」
密かに敵機は撤退した。
「よし、これで3機目」
「お手柄だルーキー」
「ありがとうございます」
突然アラートが鳴り響く。
『ルーキー!ナイフ!君たちの方向へ高速で接近する機体が1機!』
「なんだと?」
「ナイフさん!」
ルーキーはナイフにタックルし被弾を避けた。
「すまん!ルーキー!助かった!」
「…あの機体は」
狙撃した機体は蒼くそれでいてなんとなく女王といった見た目だ。
「おいおいまさか…」
その敵機は手をナイフに向けると。
「ナイフさん!」
手から『氷の刃』が飛んできた。
「っ!しまった!被弾した!」
「あら、外したわね」
「女?」
「ルーキー!逃げろ!そいつは
『氷河の女帝』だ!」
「?」
「あら博識ね…」
「ナイフさん、撤退してください、
ここは俺が…」
「よせ!お前では勝てない!」
「勝てなくていいんです!ナイフさんが逃げれれば勝ちです!」
「っ!馬鹿野郎、先に行ってる!」
「はい!」
「死ぬなよ!」
「勿論です」
「逃がすわけ無いでしょ」
氷河の女帝は再び氷の刃を放つが。
「悪いが阻止させてもらう」
銃で弾く。
「へぇ〜、やるじゃない…名前は?」
「悪いな『名無し』なんだ」
「フフ、楽しめそう」
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