第3話 戦闘開始&afterwards

敵機が発砲した、この行為は戦闘を意味することになる。


「敵機が発砲!」


ナイフが敵機の発砲を報告した、それと同時に本部との通信を開始した。


「本部に報告!接近中の機体が発砲、交戦の許可を請う」


『了解、ナイフとルーキーに交戦を許可』


「よし、聞いたな少年…いやルーキー」


「了解です」


「敵機は…アボット!」


月のクレーターの名前に因んだ名前で赤と黒の機体色が特徴の機体。


「注意しろ、アボットは速度こそ遅いが、パワーはかなりある」


「了解」





二時間が経過した。


「よし、これで五機」


空中で仕留めた敵機をナイフはバックパックを狙撃し、爆散させた。


「さて、ルーキーの様子でも見てやるか」







「おいおい、マジかよ」


ナイフがルーキーのもとに着いた時には…


「…全部殺ってやがる」


ルーキーが全機撃墜した後だった。


「お~いルーキー、全部殺っちまったのか?」


「はい、大したことなかったです」


「ふむ、まぁ戦闘記録を見ればわかる、じゃぁ帰投するぞ」





ナイフ、ルーキーは帰投し戦闘記録を提出した。


戦闘記録はパイロットから見た映像とその時のレーダーや、装備の状況などが自動で映される。


「ルーキーよ、初陣だったがどうだった?」


「そうですね、敵機はそれほど強く感じませんでした」


「そうか、もしかして戦闘経験があるのか?」


「いえ、シュミレーションでしか」


「…シュミレーションレベルは?」


シュミレーションとは、いわゆる模擬戦闘である、バーチャルの敵機と戦い自分の強みや弱点を知ったり体験できる。


続いてシュミレーションレベルとは、シュミレーションの難易度であり、1から100まである、当然数が大きければ難易度も比例して難しくなる。


「一応52くらいが限界でした」


「52か…小隊のエースぐらいはあるな、それはそうと戦闘データは送信したか?」


「はい」


「よし、任務が来るまで休め」


「了解です」





数時間後

『ナイフさんは至急司令室に来てください』


「?」




突然な呼び出しにナイフは不思議に思いながら司令室へ向かった。


「どうかしたんですか?」


「…ナイフさん、新入りの体調は大丈夫でしたか?」


女性ナビゲーターの椿がナイフに話しかけてきた。


「?いや特に」


「そうですか、良かったです」


「何かあったのか?」


「とりあえずこちらをご覧ください」


モニターに映像が映し出される。


「ふむ、なかなかの腕前だな」


「問題はここからです」


次の瞬間、ルーキーの動きが変わった。


「…おいおいおい」

「ナイフさん、あの動きご存じですか?」


「…50年前のエースパイロットが用いた技だな」


「はい、その通りです」


「全速力で敵を後方につけ、逆噴射して回転し敵と位置を入れ替える」


「ですが」


「あぁ、とてつもない力がパイロットを襲う」


「なのに彼は普通に動ける」


「…何者なんだあいつ」


「…私の仮説だが」


後から男が現れた。


「司令官」


彼はこの司令官である、しかし名前は秘匿であり、誰も知らない。


「おそらく『完成品』だと私は思う」


「完成品?」


「完成品とは、ムーンが秘密に研究していた人を超える人間を生み出す計画で完成した人間のこと」


「…あの非人道的な計画ですか」


「あぁ、ナイフ君、以前君に任せた任務だよ」


「1つだけよろしいでしょうか」


椿が2人に質問する。


「完成品になるとどのような事が起こるのでしょうか?」


「…1つは異常な身体能力、2つ目は思考能力の強化、そして最後には…」


「…最後には?」


「説明のつかない未知の力に目覚めると言う」


「説明のつかない?」


「あぁ、ムーンの1人に同じ完成品が居る、そいつの2つ名が『氷河の女王』と呼ばれている」


「氷河の…」


「女王…」


「コードネームを『シズ』新人とは別の研究施設にて完成した」


「出会いたくねぇ」


「まったくだ、もし出会ったら任務を破棄し帰ってきてくれたまえ」


「了解司令官…そういえばW計画はどうです?」


「あぁ、あと少しで完了するよ」


「楽しみだなぁ」


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