第1話 始まり

時は流れ数年後。


少年は成長し、『リング』の入隊試験を見事合格した。


少年は自らを救ってくれた男コードネーム『ナイフ』こと『真夜しんや』に訓練を受け、ある程度『アーツ』を操縦出来るようになっていた。






訓練場にて


「そうだ、少年きみも一人前の隊員だ。コードネームを付けてみてはどうだ?」


「コードネーム?」


「あぁ、呼びづらいだろ?少年だと」


「確かに…なら真夜さん」


「ん?」


「俺にコードネームを付けてください」


突然の申し出に真夜はぽかーんとしてしまった。


「おいおい、いいのかよ俺にまかせて」


「コードネームといっても、俺にとっては『名前』みたいなものですから」


少年は記憶を失っていた。恐らく改造による障害なのだろう。


「…わかった、嫌だったら嫌って言えよ?」


「了解」


真夜はうなる。


「そうだ、『ザクロ』ってのはどうだ!?」


「絶対に嫌です」


「そんなにはっきり拒否らんでも…」


ガクッと膝から崩れた。


次の瞬間サイレントが鳴り響いた。


『緊急!ムーンと予測されるアーツをレーダーが探知!ナイフ隊・フリーダ隊は速やかに戦闘準備をし、偵察へ!』


「…少年、初陣だ!」


「了解」


少年は入隊初の戦闘へ身を投じることとなる。

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