第0話 原点

「隊長、この子供達はどうします?」


「殺しておけ」


隊長と呼ばれた男は即座に判断を下した。


「了解」


隊員の一人が銃を乱射する、発砲音と同時にまだ幼い子供の悲鳴が鳴り響く。


「…なぜ殺してしまうのですか隊長」


「こいつらは実験の失敗作だ、もともと処分するつもりだったらしい」


「実験…あの『人を越える人』を造る計画の?」


「だが数千人の子供を利用し、改造しても誰一人として完成した奴はいなかったがな」


「それじゃあ…この子供達は…」


「あぁ無駄死にだ」


隊長は無線機を取り出し全部隊に。


「撤退だ、ミッションはコンプリート」


そう言い姿を消して行った。


モゾモゾと子供の死体の下から這い出てくる何かが現れた。


「…」


現れたのは一人の少年だった。

この少年も改造され、失敗作の烙印を押された一人だった。


「………殺す…」


少年は静かに誓った、自分を、自分の『仲間家族』のとむらいのために…


「君!生存者かい!?」


一人男が現れた、そのアーツの左肩には天使の輪を模したエンブレムと右肩にはナイフのエンブレムがあった。


「聞こえるかい?聞こえるなら頭を振ってくれ」


少年は頭を縦に2回振った。


「よし!」


男は無線機を取り出し。


「生存者を発見、一人の少年だ。凄く疲弊している、本部へ連れていく」


少年はその男に拾われ、治療された。

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