第191話 前進期① 犠牲なし!
あと少しで目的地の町だ!
今日、ぶっ通しで歩き続けて夜半過ぎ、やっとここまで来る事ができた。しかも脱落者無し!両手を上げて喜んでいるとショウが
「たった1000人で喜んでるが、多い時は万単位だったからな。」と言ってきた。
モバイルバッテリーで完全体に戻ったアーク様にポチりながら翻訳してもらい横を歩くショウに話す。
「A4はショウの父さんだったんだ。」
「あぁ。」
確かにエージェントで一番信用できるわ。でもビックリしたなぁ。
パン屋のベイカーさんが実際に食パンだった時ぐらいびっくりしたよ。む〜〜ん、このネタ誰も知らんか。
「ショウの父さんはゴリ先と戦いたくなかったのかなぁ?」とアークに言ってもらう。
「ゴリ先って誰だよ。」
スマホの表示でアークが示して
「
「息子の名前にあいつの【
「だからショウさんなんですね!確かに【
なるほどなー。僕は質問をまた入力する。
「で、ヤエって誰だ?」
その質問に、ショウは
「ヤエ。カガミに顔を見せてやってくれ。」
と小さな声で言った。
「うん。」
びっくりして後ろを振り向くと、さっきまでフードをかぶっていたエイトから声が聞こえて、そこにはショウに目がそっくりなカワイイ栗毛の女の子がいたんだ。
先にアークが、
「エイトさん。
「もういい?!」そう言いながら恥ずかしがってフードを被るヤエちゃんにショウは
「あぁ。」と返事をした。
「え、ヤエちゃんメッチャかわいいんだけど。」と僕はスマホに打ち込んで言葉にしてもらう。
フードの中からは「ゔぅ〜。」と唸り声が聞こえたが
ショウは「喜んでるぞ。」と言っていた。
その会話の裏で僕にアークはそっと
「カガミさん。ヤエさんは計算上10歳と言うこの歳で少なくとも実践に投入してもいいレベルのハイエンドドライバーだと推測されます強化能力に心当たりはありますか?」
と言われた。
いやーそんなつもりで見てなかったから覚えなんて全くないや!
〔ごめん。〕
「これから仲良くなって本人に聞きましょう。」
〔そうだね!腹の探り合いは好きじゃない。〕そう入力してその場は終わったんだ。
町につき国境を越えたせいか
安全が確保された避難民たちはまた今日のテントを張ろうとしていたが、青年リーダーが
「お疲れ様です!先に着いた方々と町の人に簡易プレハブをたくさん用意してもらったので、今日からは安心して寝れますよ!大丈夫だから順番にこちらへ!!」と声を枯らして叫んでいた。
僕らのチームはA4によって10分後に集合をかけられた。
待ってる間にワイドローンが
「カガミたち、A4の素顔見れたんだろ?俺がキャンプで待ってる時、なにがあったんだ?トゥーマとファルマに聞いても話してくれないんだ!
KPは『みんな頑張ってた。』と『おなかすいた。』しか言わないし。」
ちょっとKPの返事を想像して笑ってしまった。
アークが返事をする
「ワイドローンが戻ってきてトゥーマ・ファルマと感動の再会を果たしたと言うか二人を監視させられてた時、キャンプにいたエイトが誘拐されたんだよ!」
「えーー!!」
「しかもあの3人親子だったんだ。」と言ったら
「まじか!!!」と驚いて桃山一家をまじまじと見つめていた。
トゥーマとファルマはKPとこちらに歩いてきて、KPが何やら叱っている様子、あいつも歳上だし指導的立場を理解して立ち振る舞えるようになったんだな!
そう思って目尻に熱いものを感じていると、
声が聞こえてきた。
「わかったか!今度から2人でいなくなる前に一度俺に相談しろよ!今回みたいに食べ物が少ないってだけでヤケを起こしたらダメだ!俺なんてこっそりカガミの食料をくすねてもまだ腹が減るけど逃げたりなんかはしないぞ!」
トゥーマとファルマは軽く首をかしげて
「「はぁ。」」って返事で正直困っていた。
〔アーク。KP呼んで。〕
「仰せのままに。」
「KPはよ!」
「うわっ!マズい!聞かれてた。」とトゥーマとファルマの後ろに隠れるも、2人に腕を掴まれてゴツンと僕に頭を殴られてた。どおりで食料少ないと思ったんだ!
「みんな集合したか?あの小屋を借りた。」アークの翻訳で遠くの方から用事を済ませたのか歩いてくるA4の声が僕らに届く。
ゾロゾロと着いていき小屋の扉が閉まった後、会話が始まった。
「とりあえずここで任務は終わりだ。8人全員が致命傷もなく生きている。よくやった!」
そう言いながら、A4はクチバシマスクを触ったかと思ったらそれを外し素顔を見せてはなし出す。
「今まで任務中は誰にも顔は晒さなかったが、今回私情で我を失った、皆に謝りたい。俺なりの誠意だ、すまなかった。」
そう言って頭を下げたA4に僕はビックリしていたが、トゥーマが、
「俺たちの方こそすまなかったと思ってる。アティウスの揺さぶりに気持ちが揺れた。」
と弟と一緒に申し訳なさそうに頭を下げた。
A4は「問題ない。次に繋げれば良いだけだ。」と返事をしていた。
「そろそろ皆、顔を隠そうか。」と突然ショウが話出す、皆不思議に思ったみたいだが僕は一人、ビジョンで先に納得していた。
疑問に思いつつもショウの指示通りにまたみんながマスクやフードをつけたその時。
ノックもなく足でドアを開けられる音と共に部屋に入ってきた2人がいた。
「さてここからはA3達に引き継ぎだ。後は彼ら2人に任せよう。」とA4が言うも、僕の耳には素直に入って来なかった。
何故ならそこに来たのは僕の見た事のある奴だった。
僕と同じ場所に首の傷を持つクチバシマスク。
元、A4がいたからだった。
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