第114話 惜春期⑭ ロボット手術のイメージ
「そう。ロボット手術。」
僕はロボットに手術されたと聞いて変な想像をしてしまった。
ロボットはあらゆる医療知識を詰めた人型ロボットで手術も正確にこなす。今までの医者なんかいらなくなるかも知れない業界の常識が覆されるほどの技術革新。
それが5歳の僕とアオリちゃんの体にブスっと穴をあけて細かい作業を淡々とこなしていく。
当然手術時間も正確であと何分って表示や完了までの%がお腹の液晶モニターに表示されてて自分のバッテリー残量迄わかる。
子供相手だから麻酔で眠るまではそのモニターでディズニー映画かトムとジェリーでも流れているかも知れない。
きっと有機ELだろう。コントローラーが付いてて昔のコンシューマゲームもできたらいいな、あ、これは単なる希望か。
口癖は「スベテハ ケンコウノタメ ニンゲンノタメ」だろう。
でもまてよ、僕のアークの様に優しくって正しい事を教えてもらってる賢いAIを積んだロボットは良しとしよう!
でも中には悪の心を植え付けられ善人の
良し悪し関係なく、そんなロボット達は何の為に手術するのか、そもそもの【手術の意味】を考える賢さくらい持ち合わせていくに違いない。アークもどんどん賢くなってってるし。そこで出る答えは。
「オマエタチ ニンゲンモ キカイニ ナレバイイ。」だ!
やっべー!!どうしよう!大きくなって盲腸で入院した時、麻酔が覚めたら過去の最低国に行ったネス達の様に全身ロボットだったら!!!
「O~M~G~~~~!!」思わず口に出てしまった。
「何言ってんのカガミ??」
「カガミ君OMGって何??」
「あ、OMGはね、オーマイガットって事でって!それよりも今、僕は久しぶりにゲームの事を思い出した!!最近、真面目に過ごして来たからゲームの話題が無さ過ぎたんだ!僕としたことが!今やっと自分を取り戻せたよ!!」
「あ、えっと、わかった。」アオリちゃんは若干引いていたかもしれない。
「カガミが考えてるロボット手術はちょっと違うんじゃないかしら?」みかんめエスパータイプか?
「どんなロボット手術なんですか?」
「私がジルさんから聞いた説明だと、単孔式ロボット支援下内視鏡手術っていう簡単に言えば小さな穴をあけて棒をツッコむらしいの。そこから更に小さなハサミ形状の手が出てきて、光らせた体内で手術をしたそうよ。
そのロボットってのは別に人型じゃなくって、体に入るものや映像機器、小さな手を動かすコントローラーそれら全部を含めての手術ロボットらしいわ。
操作は遠隔でカナダからさっき言った名医ライスデンさんがしてくれたみたい。
手術に付いていてくれたのはジルさんと垂水さんと助手の方、あとは看護師さん2人に人工心肺の技士2人だって言ってたけど、
あ、そうそう、みなさん方に感謝を伝えようとしたら非公開みたいで教えてもらえなかったわ。」
へー母さんにしては内容の詰まった話だね。
このままボロを出さなきゃ完璧で聡明なみかんなのに。最後までその賢い姿を貫けるかな?
「すごーい。」アオリちゃんは感動してたけど母さんは
「私的には手段よりも結果の方が凄いと思うわ。だって今日まで2人は元気で生きてて、また再会できたんですから。いつかは会うと思ってたけど、それにまさか【師匠】がアオリちゃんのお母様だなんて!
これぞ!【
ほらね!!
「ちなみに母さんは僕ゎ頭が悪いんでそのことわざの意味を教えて欲しいんだけど。」晒せ晒せ!バカだと言う事を知らしめるのだ!
「カガミは何にも知らないのね、【灯台モト夏樹】ってのは灯台のように明るく辺りを光で照らす芸能人がいるんだけど、芸能人かと聞かれればオーラは一般人と言うか、他の所がまぶしいと言うか。
まぁそこいらにいるおじさんにも見える訳よ。
だから師匠のように有名で輝いてる人は意外と自分の近くにいてるって事の例えよ。」
ん~意味的にはまんざら間違いでもないから今日まで生きてこれてるんだよなぁ。
アオリちゃんは中学でも賢い方だから真面目に
「
「そ、そろそろお花も見終わった事だし、出来立てのポテチでも買いに行こうかしら(焦)ごちそーさまでした~!!」と言ってアオリちゃんのお母さんが作ってくれた最後のガトーショコラを一口でパクリと口に入れ大きかったせいか
へへッバカめ!急ぐからだよ!!
このまま僕らは桜を存分に楽しんで、リンクしながらケタケタ笑って撤収となり、記念公園の南ゲートに着いた。
そこで、僕は照れてるけど何だかポーズをとって楽しそうなビジョンを見たんだ。写真だな。
母さんは案の定「この塔をバックに写真を撮りましょう!」と言ってきた。
僕はアオリちゃんが来るとき塔を嫌がってたから
「母さんいつも突然だよ!もういいじゃん。」と言ったんだけど
そこで
アオリちゃんは手を繋いできた!! リンクした時すっごく楽しいのが伝わって来た。
僕はアオリちゃんの気持ちがあんまりわかっていなかった。
塔はあんなに苦手なのに。楽しいんだ?不思議だった。
「いいよね?カガミ君!!写真撮ってもらおう!
僕はそりゃそうだけど良いの??と思ったよ。
もちろん僕は写真撮られるくらいいいんだけど、あれ?何に引っかかってるんだろう??
あまりにもアオリちゃんが普通な事を言うから、逆に不思議な言い回しに感じたんだ。
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