第91話 会遇期⑥ 模擬戦3

「6人かぁ。剣の伝説3の主人公の数と一緒だね、」と僕が言うと竜二は


「ゴリ先は知ってて仕組んだな!模擬戦の【目的】はこれだったんだ。相手は気付いてるのか?」

「えっえっ?何の話?」僕だけついていけてないぞ。


ヒカルが僕にゴリ先の様にあえて考えさせる。

「カガミ!頭を使えよ!敵を直接見たんだよね?

 ①敵の1人は大柄の男、

 ②もう一人は動きのしなやかな女。こいつはかなり力が強い。

 ③確認できた最後の一人は声から想像して女。遠距離武器たぶんボウガンかな?この3人」


「僕らが気の修練を合格した日、ゴリ先がボソッと呟いてたんだ。『。』って僕は

その時バランスブレイカーって答えただけだったから正解かどうか不安で、何の事かさっぱり考えてなかったけど、

今考えたら2日に一回の道場の訓練をしてるその隙間、曜日の違うコースでこの3人は僕らと同様に少なくとも半年くらいはゴリ先の訓練を受けてた可能性がある。」


「えっっ!?それってもしかして。」


「残りのイチゴサイダーってこと!!??」正直ビックリした。何で今まで考えなかったんだろう。ホントに自分の至近距離しか見れていなかった。いやヒントはたくさんあった。


「あの道場のもう一つ浮き出た畳、ゴリ先が殴って飛び出た畳じゃない方はさっきのパワー系女子!

!みんな同年代かっ!」竜二も自分で言って内容にびっくりしてた。


「可能性大だね、マントも持ってた。注意したいのは僕らも持ってる強化能力!索敵性能が高い奴もいるかも知れないしカガミみたいに先行視覚がある奴もいるかも知れない。

竜二みたいに訳ワカラン奴もいるかもって考え出すと下手な大人より厄介で手数が読めないんだ。」


「そうかぁ俺みたいに変なもん見える奴もいるかもなぁ?でもカガミの能力は敵さんビビってたぞ!」

「確かに先行視覚でボウガンの矢を払い落としたけどビビってた。そんな事よか厄介だなぁ~。」


「カガミは何が気になるんだ?」と竜二

「え?、あぁ相手の二人が女子で13歳だろ?ジェントルメンズのヒカルさんと僕が女の子に手を上げれるかなぁ。まぁブスなら瞬殺するんだけど。」


「言い方エグいな。でもそこは勝負なんだから負けてられないよ。一番の危惧はやっぱり、」


「やっぱりなんだ?」


ヒカルは嫌そうな顔をして僕らを見ながら言ったんだ。

「頭脳ナンバーワンがいる。」


げ、そうかテストを抜けたけどホントにイチゴサイダーなら相手方に頭脳ナンバーワンがいるって事になるな、こいつはヤベーぞ!!


僕はすべてをさらけ出す。

「しかも、恐ろしい事に頭脳ワーストワンはコチラにいる。」

「「アハハハハハ!!!」」二人して笑われたくそ~~。


竜二は「まぁでも勝算はあるぞテストアホでも勝てる事!ヒカルは覚えてるよな!」


「ああ、僕自身が竜二に負けてたもんね!囲碁・将棋。要するにこちらの仕掛けたゲームで戦えばいいんだよ。」


「よしっ!今から策を練ろう!ここに3人いれば勝てないが負けはしない。落ち着いてゴリ先に一泡吹かせるんだ!」


「ゴリ先は恐らく3対3のイチゴサイダー同士の模擬戦で何かしらの成長を期待してるんだろう。みんなをハメやがってゴリ先め!」と言いながら僕らはやってやろう!って気持ちは一つだった。



そこから敵襲に気を配りつつ作戦会議となった。時間はたっぷりあるし夜襲もアリだ。翌朝まで約半日。

まずフラッグは誰が持つのか?検討の末、決定。


徐々に日が傾き夕刻に向かう18時。現在どちらもアクションを起こさない硬直状態だった。

ヒカル的に暫定実力差は


1位 ココ君と呼ばれた体格のいい男子

2位 カガミ

3位 竜二

4位 エーコと呼ばれた女の子

5位 ヒカル


順位不明 もう一人の遠距離武器の女の子


けど連携とヒカルの武器を解放したら話は変わる。ビスケット最終形態で人が死ねるので要注意。


敵の頭の良さを逆手に取る作戦はパレードステーション(通称パレステ もしくはPS)

の名作『光と音のRPG』から拝借。


そのまんま『光と音で大混乱作戦!』

音だけ3人分にして強い奴を釣る。実態(光)は別任務を進めるんだ。

一人は真っ向勝負のふり。

一人は隠れて不意打ち、

もう一人は離れてフラッグ担当。こちらの盤上で踊ってもらう。


「大前提としてココって男子のマントは使用不可にしておきたい。

第1形態で傷付けるか第3形態で穿通するかしてマントを破く。もちろん生身は傷つけたく無いから十分注意を払うよ。


そうすることで理論上、硬化マントは使えないはず。」ふむふむ

あ、この先ソロ行動かも知れないんだね、アークに覚えといてもらおう。ついでに知恵借りようかな。



「アーク起動。作戦覚えといて!」ゴメンねメモリ足りなくて外部ストレージに頼っちゃって。

「はい!とうとうですね!!もう3人とは顔合わせはしましたか?」とアーク。


それに対して3人とも「???ん???」だった。


普通なら敵って言うと思うんだけど既にあちらの人数把握ができてる。


「え?アーク敵がイチゴサイダーだって知ってたの?!」と僕が聞くと


「ええ。言おうとしたのですが、直前でカガミさんに止められて。」

僕のポンコツめ!!からの~ 2人の冷たい視線。


「ごめんでケロ。」


「まぁアークに聞いたら早いけど折角せっかくだから自分らで考えよう。こういう成長も期待してそうじゃんゴリ先って。」

「確かに。」と竜二


僕は持論を展開しだした

「ちなみに折角せっかくってヒカルは言ったけど『角』が付く言葉で【とにかく】って言葉あるじゃん?漢字で書くとウサギに角で兎に角とにかくなんだけど、アルミラージって敵がウサギに角が生えてるんだよね。だからアルミラージってセンスのあるモンスターだなぁって思ってたんだぁ。」


「うん。」「で?」


「いや、それだけだけど。」


「今いる?その話。」

「いらね~~。」 雑談だよ!別にいいじゃん!!

「覚えておきます。」アークだけだよ!いいね君!

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