第79話 振返期④ どちらの【カモ】か?
「天道さんが薬局なのにパンをオリジナルブランドで出してくれたことによって、付近のドラッグストアとの差別化を図れたんだ!」店長はハゲ残った髪の毛をファサッ!とサイドに流して
「天道さんのおかげだよ!」と母さんを褒めていた。
「で、母さんはさっき何でキャリン堂から出てきたの??」
母さんはなぜか店長を見た。照れる店長。
僕は業務上の秘密か?と思ったけど、店長が照れているので母さんが好きなのかとも思ったんだ。
けど、どちらも違うくって、母さんは
「うちの店長がキャリン堂の女性店長の事ね、一目惚れしたみたいなの。」
はぁ、メンドイって顔してる。
「はぁ、メンドイ。」
言った!!みかんちゃん!言ったな!!腐っても上司じゃないのか!!!??
まぁいいや。それにしても一目惚れねぇ。
僕は店長をスカウターでよく見た。 ターゲットが店長を補足!ティリリリリリリ~♪
【戦闘力】33(歳) 【職業】 ムギ薬局店長・独身 【バッドステータス】 ハゲ
「ん~母さんはその
「ううん。気持ち悪いけど聞く??」
「ちょっと天道さん!中学生の前でそんな言い方良くないよ!」店長はひどいよ!って顔で母さんにツッコミを入れるもまたもや無視。
「私が本部のパン開発に抜擢されてすぐだったかしら?疲れた顔だったから気分転換にフェイシャルエステに行った時、噂の女性店長と初めて出会ったの。キャリン堂はコスメに力を入れてなんと!店内でエステできるのよ!元々近くに出来るより前に美容に関しては一目置いてたのよ!」
あ~~言ってた言ってた!フェイシャルエステ!
というかこれって聞かなきゃいけないやつ??
ムギ店長も無駄に話し出す
「僕は市場調査に変装してオープン当日潜入したんだよ!それであの女性店長に初めて話しかけられて!」
店長興奮してるな!!
「なんか言われたの?」と義理も無いのに聞いてあげる僕。やっさし!
「うん!」
やっぱり!よっぽど嬉しいこと言われたんだろうなぁ~美容関連で強いなら容姿を褒められたのかな?ハゲてるけど(笑)
店長は目を輝かせてこう言ったんだ。
「いらっしゃいませ!って言われた!」
ったり前だろハゲ!!むしろオープン当日にそれ言わなきゃ接客ゼロ点だよ!!おっと!落ち着け落ち着け!母さんの上司だった。
「ね?気持ち悪いでしょ。」母さん!!そこは僕みたいに我慢しようよ!!息子に忍耐負けちゃってるよ!!まぁでも
「たしかに。」僕はもういいや、と思って中学生らしい素直な意見を述べた。
「え?天道家ってみんな手厳しく無い??」と店長。
「それで、キャリン堂の女性店長さんからオープンしたてだった事もあってフェイシャルエステのモニターになってくれないかって打診があったの。」
「へ~だから母さん肌艶がいい日が続いてるんだね。」
「あらっ!さすがカガミ!ありがと♪ 店長。こうゆう所で褒めれないのがモテない原因よ、あとハゲと。息子を見習いなさい!」
おやおやおやおや!!!言っていいのかな!?ハゲって!!言っていいのかな!?
これはもうクビか?!どーせクビなら、解禁なら僕も言っちゃうぞ!!!
「わかりました。カガミ先輩。」なんだろうこの年上ハゲに先輩扱いされる虚しさ。素直でいい人なんだけどなぁ。
「でも私もいっぱしの社会人、帰ればカワイイ息子を気にかけ、家事に追われる日々。」
「パンの方が気にかかってたけどね。」
「とてもじゃないけど週1回でいいから無料でエステに来てって言われて二つ返事できない立場だったの。それを悩んだ時期もあったわ。」
母さんは忙しくてお城の舞踏会に行けないシンデレラの格好を片方の靴を脱いで再現していた。
僕はちゃんとわかったから、しゃがんで膝を付き、再度靴を履かせてあげました。やっさし!
「その
だからさっきキャリン堂から出てきたんだ!と納得する一方でツッコミは忘れない。バレーだったらコートの隅までナイスレシーブでひろう心づもりです。
「母さん今の計算で行くと悩んでいた時間ってたった1日だよね。あと【いいカモ】って表現は本人の前ではやめなさい!」
「僕の事そんな風に・・・。」ほら店長悲しんで
「
悲しんでないんかーい!!まさか【カモ】と、
店長もなかなか凄いよ!きっと特性は【ふくつのこころ】だね!僕もそれが良かったなぁ~。
や、まてよふつうのカモのパチモンは特性に【ふくつのこころ】は無い・・・なっ!なにっ!!
まさか、そんなまさか!!店長、あんたまさか○ラルの姿だったなんて!!!!
店長の変わったネクタイの【
「カガミ!もぉいいでしょ!パンは買ってくるから!一緒にスーパー寄って帰ろ!今夜はお鍋だから
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