第42話 遭遇期⑦ 合宿最終日

合宿最終日。もう夏を満喫しても成長した僕たちはきっとこのパワーを何かに還元できるだろう、出来るかな?これをとも言うよね。


僕は帰り支度を早々に済ませてて、外でぼ~っと雲を見てたんだけど、車に乗る前の佐井寺パパが寄ってきて

「天道君。この別荘での件だけど、一般の君を巻き込んでしまってすまないと思ってる。ただ京介に謝りたくて、後悔してるんだと思う。あと君が京介に似てるからつい話してしまったよ。忘れてくれてもいい。あの子らと一緒にいてもいいが、危険な目には合わないでくれ、本音を言うと一緒にはいて欲しいくらいだけどね。君の為に出来ることは何でもしようと思う。」と言われた。


「僕は、」一瞬悩んだが、友達との約束はできる限り守りたい。T-SADだった事は今は保留だ。


「僕はみんなが危険に巻き込まれたら、自分で出来ることを考えて行動するつもりです。大人には相談するし。自分に出来ない事があったら なりふり構わず頼りまくる性格なんで、佐井寺さんにも今のうちにご迷惑おかけします!って言っとこうと思います。」


佐井寺パパは驚いた顔をして

「カガミ君は京介に似て賢いなぁ~。最近の中学生は凄いよ。」って言われた。少しの罪悪感を孕みつつ別荘から出てきたみんなと車に乗り込んだ。



帰りの車も行きと同じの助手席で、春日さんは少し来た時より焼けていて健康的な春日さんも好きですよ。と思いながら大きな胸を見ていたら、後ろから、「カガミ君またトランプしに来てちょうだいね。」って佐井寺ママに言われて

「もちろんであります!」と答えて笑ってもらえた。


その日は家まで送って貰って解散となった。

母さんは「なんか違う気がする。」って言って海産物を期待していたみたいだが、文句を言いつつもサービスエリアで買ったチョコクッキーを頬張って「おいしい!」と言っていた。


おや?!僕が【焦ってるビジョン】が見える?

なんだ焦ることなんかあったか??


まぁでも、こんなに楽しんだ夏は初めてだ!竜二と佐井寺兄妹であと半分ある夏休みもギリギリまで遊び倒してやる!と思って母さんに

「僕はこの夏をかもしれない。」と言ったら母さんは


「カガミがいない間にあなたの部屋をかも知れない。」と返されダッシュで部屋に戻って竜二の兄ちゃんにもらった18歳以上の本の場所を見に行くと、物はあったんだが、ほっとしたのも束の間、すぐ後ろに母さんが立っていた。OMG。。。


ここのビジョンだったか!次こそはビジョンを生かして、鎌かけにかからない冷静な判断を。


今回は見逃してもらえたが母さんには

「レーディングは守りなさいって父さんから言われてるの。」と言われましたとさ。


リビングに戻って母さんが「京介君の話は聞けた?」って聞いてきた。僕はありのまま聞いてきた事を伝えた。

「父さんの調べてた【本】にあるアザレア教は元々悪の集団じゃ無かったよ。かなり昔のアルビノと治療の事がかかれた手記みたいなものだった。あと佐井寺さんのお父さんは亡くなった事を知って落ち込んでたよ・・・。」


「・・・そう。この前話してた図書館にあるヤバい本は結局、警察には言わなくていいのね?佐井寺さんはなんて言ってた??」


「僕らの行動を評価するって言ってくれてた。騒がない方がいいって事だよね?母さんはハイドラってどんな奴らか知ってるの?」


「ちょっとだけなら。京介君からはハイドラって名前は聞いた事は無かったけどT-SADの患者を狙ってる組織がいずれ活性化してきた時、カガミ達が狙われるかも知れない。極力手は打ったけど。って」


「父さんが無くなった後に出来た組織なんだ。あ、垂水たるみさんって知ってる?父さんの部下だった人、その人やジルセンター長さんに聞いて対策を立てるのはどうかなって思って、それで」

母さんは話半ばで

「それはできないの。ジルさんには聞けるけど、垂水さんは既にわ。」

と言われ僕は「え。」と間抜けな声しか出なかった。


話を明るくしようか

「母さんは僕がいない間ゆっくりできた?」

「結局毎日仕事だったからね~。」と母さんはお茶を飲みながらここ2日間を思い返していたんだけど突然。


「あ、そうそう!ムギ薬局とドコカラファイナルが生き残りをかけた熾烈な戦いをおっぱじめた話はしてたわよね?」

「うん、僕の情報が正しければ店長がそろそろ禿げてる頃だと思うけど。」

「凄いわね。見ないでそこまで当てれたら大したものよ。それでね私、有刺鉄線を引こうって言ったのよ!」は?何に??危ないんですけど、みかんちゃん。


「何それ?どこに?国境線とかあるの?」

「ドコファイの駐輪場。」略初めて聞いたし。。何なの威力業務妨害じゃないの??

「普通にダメでしょ??それやっちゃったらもうムギ薬局自体がそこからファイナルだよ!」

「ハゲにもダメ!って言われたわ。」

「いやその言い方もダメでしょ!?」母さんの妄想・暴走の際は僕は圧倒的なツッコミをし続け耐えなければならない。


「それで私考えたの。看板の装飾をハデにしようって提案したのよ、ハゲに。」

母さんは上手い事かけたでしょ?ハデとハゲ。って感じでドヤ顔だが、まぁ調子に乗るからスルーで。

「はぁ。」

「それで届いたテープタイプのLED電飾が注文ミスで多く来ちゃったの。

だから中継の配線とLED電飾余っちゃって、何かで使う??爆弾とか作れる?」 

「絶対爆弾は作らないけど、なんかで使えるか友達に聞いてみるよ。」


何日か後

竜二がまたウチに来て合宿で買ったヤキソバ面のゲームをしていた。ちなみに僕は残りの宿題をこなしている。

「なぁ、竜二、夏宿どこまで済んでんの?」

「は?宿題?終わったぜ 昨日。」

「スゴ!いつやってんだよ!?」

「・・・。」あ、これは集中じゃないな、無視か立場が悪い時のスルーだ。

「行ったな。」竜二はギクッとした。バカめ尻尾を掴んだぞ。

「いや!違うんだよ!ネネちゃんを迎えに行ったら俺しか呼ばれてなくって。すいません。図書館で勉強しました。」切り替えが早くなって来たじゃねーか良い事だ。だが


「言い訳はいい。やさしい僕は二人を心配して言ってるんだ!3人の方が安心だろ?次からハミらせ無いようにネネちゃんに働きかけなさい。秘密裏にな。そうじゃないと大後悔時代が来るぜ。」

「はい。。。仰せのままに」

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