第36話 遭遇期① 全体攻撃
その夜、ヒカルの部屋に集まってトランプをしながら今日の話について考えを出し合った。
「父さんはアザレア教の裏聖典を家に帰ったら見せてくれるんだろうね。」ヒカルはそういったけど
「物語のような日記のようなこと言ってたけどなんでそんな内容が裏聖典なんだ?」竜二は不思議そうに質問して
「もしかして図書館の撒き餌【アザレア教聖典】は【表】で一般的な宗教の歴史や戒律が書かれてて父さんの持ってる【裏】の方はアザレア教にとって都合の悪い事を書かれてるんじゃないかな?アンチが書いた暴露本みたいな?」
「めっちゃ悪い宗教じゃん!見つけて消そうって思ってるの?」ネネ様お怒り。って【怒れない】のか。
「どうなんだろうね?不思議に思う事があるんだ。」
「どんな??」
「みんなアティウスメディカルセンター付近の道と病院周辺の草木、思い出せる?」
「いんや全く。竜二は?」と僕
「俺は思い出せるよ、背の低い木の花の蜜吸って甘いなぁ~って言ってたらカガミは、全く味しないんだけどって言われて お前ハズレばっかだな!って言い返した記憶がある。」
「あ~あの花ね!白とピンクの!蜜があるって言ってしゃぶってた。結局味が分からなくて竜二の真似してたよ。」
「いや、僕らは色まではわかんないんだけど、あの背の低い木 【ツツジ】って言うんだけど。」
ヒカルは一旦ここで間を開けて僕らを見まわして
「アティウスのロゴと同じようなマークの【ツツジ】は 洋名【アザレア】なんだよ。」
「!!!!!!」2人ともヒカルの方をいっせいに見て、僕は竜二のジョーカーの場所を見てしまった。まぁこれも勝負の運ってやつだよね。
「ジルさん達アティウスがアザレア教と仲間なの???」とネネちゃん
「だったらもう僕ら実験動物になっててもおかしくないよ。カガミのお父さんが
ヒカルは竜二に最後の一枚を引かれてババ抜きトップであがり。
「じゃあアティウスって言う組織は一体何なんだ??」と言った僕も
竜二のババがわかってるので2位であがり。
竜二とネネちゃんの一騎打ちになって真剣にポーカーフェイスをしていたが、お互い目を見つめ合ってたせいか、何だかほっぺが赤くなり、僕とヒカルは一階にお茶をもらいに行った。どうぞごゆっくり。
一階には佐井寺両親と春日さんが楽な格好で笑い合いながら紅茶を飲んでいて、僕たちは冷蔵庫から自分でペットボトルを出して、お茶を入れようとコップを探していたら、春日さんが来て全部やってもらった。
「ありがとうございます!」「いいえ。」ニコッとした笑顔は大人の女性の中にあるかわいさが滲み出てて僕は春日さんはモテるんだろうなぁ。と思ってヒカルを見たら春日さんの事、めっちゃ見つめてた。ヒカル禁断の恋発動か??
ヒカルにしか聞こえない声で「ヘイヘイ!ボーイズ!春日さん好きなの??」と言うと。
「好き?タイプではあるかも、僕は自分とは逆の強くてグイグイ系の人が好みかも知れないなぁ~。あと複数形じゃないよボーイ。」
と言ってきたので文法の鬼に僕は
「アイアイムエス(私はSです。)ってサイトで妄想膨らむような M 野郎はそのぐらいが丁度いいよ。」と返してやった。
お茶と歯磨きを済ましてそろそろ寝よっかなと思ってヒカルの部屋に帰ると竜二とネネちゃんは笑って盛り上がっていた。
「何の話??」っと聞くとトランプも終わって音楽の話で盛り上がっていたんだ。
竜二が「ネネちゃんはピアノがしたいけどメチャクチャ音痴でいつか克服したいんだって!」って言って
「やめてよ~竜二君もさっき音痴だったよ!お兄ちゃんも結構ダメだよね??」とネネちゃんが返して笑ってた。
「あ、僕も超音痴だよ、家で歌ってても母さんに笑われる。」って言うと
「さっき聞いたよハッピーバースデーの歌。あんだけ下手でも歌うカガミってすごいよな、恥ずかしくないのか?。」と竜二
僕は少し切れ気味で
「恥ずかしい?ゲザリストにとって恥とは何か?もうこっちの業界では哲学として扱われて長年答えが出ない難題ではあるけれども、それを聞いているのかい?」みんな嫌な予感がしたのか首をぶんぶん横に振っている。
「良いだろう教えてあげよう。」
「や、別に聞きたかないって!」僕は竜二を無視して続けた。
「まずみんなに考えて欲しい、【恥】とは何か?ヒカル君、君にとって恥とは何だね??」
ヒカルはめんどくさい事になったよって目で竜二を睨み返事を返してきた。
「え~っと」 「具体的に!」
「裸で怒られる事です。」グフッ!なぜか僕と竜二にもダメージが入ったぞ。全体攻撃か?グループ攻撃か?
「ネネちゃんは?」
「そんな兄を持つことです。」お、今度はヒカルにダメージ!ざまぁ!
「竜二君、他には?」
「恥ってわけじゃないかもだけど今は、やっぱ全員が全員 【音】が良く分かって無い事じゃない?」と言う回答にみんなで あ!って顔になって、
ネネちゃんが「これって?もしかして地味だけどT-SAD患者って音階も分かんないの?」って結論に至った。
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