第33話 接触期⑨ T-SADのSAD
佐井寺パパが言った。
「私から話すのもいいがここいらでクイズとしよう。京介はなぜ研究情報が
なるほど良い問題だ。ネネちゃんは
「その題材で同じ研究を始め出した人がいた?とか?」 佐井寺パパは
「ブー」と言って「わかんないよー。」とネネちゃん。
結局誰も分からず。
「まぁ、これは最初完全に京介の予想だったんだけど、
さっき言ってた心房中隔欠損は【
でもカナダからの病名では頭に裂傷性のT(ティアー)がつくまではわかるんだけど、T-【
ASDからSAD(悲しい)に替えられて情報が返信されてきたんだ。」
「京介は、病名が都合よく名前を変えられた事に違和感を覚えたんだ。悲しむなんて
「彼は【アザレア教の裏聖典】を読み、理解した数少ない研究者だ。そこから推測して、情報提供しているカナダのアティウス本部に、アザレア教のスパイがいる可能性を感じたんだよ。な、天才だろ?」
ヒカルとネネちゃんが
「すごい・・・。」と声を揃えて言った。
「そこからは私とジルに相談して、本部にいる【悪意の張本人】を炙り出し、突き止めた。予想通り1人のスパイが何食わぬ顔でアティウス本部で医者として働いてて、見つけ出されて断罪されようとした時、その犯人は笑いながら」
「もうすぐだ。もう少しで準備が出来上がる。選りすぐりの【出来の良いの】が5年、10年したら何人も仕上がるぞ!やり方の違いで虐げられた過去を覆してやる!
アティウスの末裔ども、全員聞いてるか!!お前達が
「そう言って飛び降り自殺をした。」
3人はビビって声も出なかった。
「ジルから一連の出来事の映像ログを貰ったんだ。間違いじゃない。」
僕が
「アザレア教の奴らは何が出来上がって何が仕上がったんですか?」と質問したら
佐井寺パパは
「わからない。だがT-SADの遺伝子情報は3歳までアザレア教の奴等に見られていた訳だから、そこから得た何かを利用して何らかの
これが、約10年前の出来事だ。あっという間に10年経ってしまった。」
「原君、私達、親同士は一度、その時に病院に集められて会っている。」
だから竜二がT-SADだったって知ってたのか。
「アザレア教の脅威を説明されて、各家族がお互い何かあった時、協力体制にあって欲しい、病院は自衛機能を持たないので、何かあったら力にはなるが、各家庭でも注意をして欲しいって、内容だったよ。
家が近い原君のお
ヒカルが「
と確認の様に言った。
その中に僕はいるのか?
「多分そうだろう。」と佐井寺パパはそう言ったが、ネネちゃんが真剣な眼差しで怖がりながら
「お父さん。あのアティウスのテストでね、参加人数が7人だったんだけど、最近は6人なの。どういう事かわかる??」
「ホントか!?原君は受けてるのかい?」
「はい、4位ですが」えっ!まだ竜二まで2人もいるの?!
「そうか。いや、7人いるうちの2人は
あるいは考えたくないが、T-SADが完治せずに・・・。亡くなった可能性もあるな。」
(7人中2人が一般人???本当なら僕がいるからあと1人なのか?)
場の空気がやや暗くなった時、春日さんと佐井寺ママが乗った車が敷地内に来た音がした。
「おっと!この話の続きはまた後でしよう!まだ半分くらいしか伝えられてないけど。ひとまず今からは、夏を楽しんでね!」急に表情が柔らかくなり、僕らも困惑したがずっと眉間にしわを寄せて別荘でいるなんて勿体ないよなぁ。佐井寺パパの言う通り楽しんじゃおう!!
そうこうしていると「ただいま~。」「ただいまお戻りしました。」とアイスクリームを買って帰ってきた二人がいて、「じゃじゃ~ん!!」と言いながらおっきな2つのアイスケーキと【1】【3】の形になったロウソクが2本ずつテーブルに置かれた。
ヒカルとネネちゃんが「やった~。」って騒ぐ。
竜二が「え?今日って?」と聞くと
佐井寺ママが
「今日はヒカルとネネの誕生日よ!」って言ってすっごい嬉しそうだった。
竜二があちゃーって顔で両手を前に合わせて
「ごめん!!二人とも!旅行でテンション上がっちゃっててプレゼントも何もないや!」と言った。
僕は
「おいおい竜二さんそこはお前の
竜二はこっちを見て
「短刀 アサシンダガー デス。。伝説の12武器の追加発動効果までわかる奴は、俺しかいないぞ。」って言ってきた。 正解!!やるねRPGはお前にゃ勝てないかもしれない。
2人は「いいよいいよー」って笑ってて、
佐井寺ママは
「いいのいいの原君や天道君が来てくれたことが二人のプレゼントなんだから!
でも僕は違うなと思った。今
佐井寺両親に聞こえるように
「佐井寺兄妹はすごいよ!頭もいいし性格も良い!これからどんどん友達出来るよ!」
って言ったら佐井寺ママは
「あら!嬉しいわ!ありがとうね天道君!」って言ってくれた。ネネポイントアップか!?と思ったらネネちゃんはアイスケーキのどこを食べようかと獲物を狙う動物の如く目を光らせていて僕らの話なんか無視だった。
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