第29話 接触期⑤ 嘘は言ってないと言う嘘

ネネちゃんは

「それでそれで!カガミ君その【I-AMSアイ エーエムエス】の何が知りたいの??」


って聞いてきたんだけど。どうしよう。


僕は「スマホ買った時に母さんにカードを渡されたんだ。QRコードを読み込むようにって言って父さんが僕にくれてたみたいで読み込んだんだけど、そのぉ・・・QRコードを読み込んで満足しちゃって【I-AMSアイ エーエムエス】って画面から進めるの後回しにしたんだよね。【Ⅰ-AMS】が何のサイトか気になってたんだけどね~ズボラだよね~僕ってば!アハハ、ハハハ。。。」


ネネちゃんが僕の目をじっと見つめてきた。やめて!嘘ってバレちゃう!

次にネネちゃんはヒカルを睨んでウソ発見器として兄ちゃんを利用しようとしているぞ!!なかなかの切れ者だね!


しょうがない傷は浅い方がいい。

「先ほどご紹介預かりました、僕が変態紳士です!」って謝ろうとした時、ヒカルが口を開いた。

「嘘は・・・言ってない。」  ナイス!! もう一人の変態紳士ヒカルは

【嘘は言ってないと言う嘘を付いた】んだ!!


僕はヒカルにシンパシーを感じて涙が出そうだったが、それを遮るように、涙腺の元栓を【閉】方向にひねる様に竜二とネネちゃんが

「うそだろ」「うそね。」と看破。




「「すいませんでした!!」」ヒカルと二人仲良く謝りましたとさ。いいじゃんエッチな仲間として生きていこう。

友情はプライレスって言うけど僕たちはその最終進化系!プライレスだよヒカル。

ちなみにこの進化には【恥】と書かれた石を粉々に砕く必要がある。砕くかどうかは自分次第。



「カガミ君、そのカードもうないの??」

あ、また妄想にふけっていた。ネネ様こんな汚らしい僕にお声をかけてくださって光栄です。


「母さんに取り上げられてしまったよ。理由は・・・察して下さい。」


「えっとね、ネネの意見なんだけど、個人でそれを使える事自体が信じられないの。だって今年に入ってやっと企業が手を出せるシステムなんだよ?7年以上前にカガミ君のお父さんが残したものにしては高すぎるんじゃない??しかも子供にだよ?」


「確かに。」聞いてた3人は納得しかしなかった。


「ついでに言うと、さっき言ってたスタンドアローンタイプじゃなくて、本当にスマホからアクセスして使えるならって事になるんだけど、これはまだ世間で未発表の代物だよ。きっと」


「まぁいっか、とりあえず開いてからかんがえよー!」

「いや、だから母さんに」

「履歴があるよね?QRコードの。」

「え?そんなことできるの?」

「できるできる!だから開こう!大丈夫だよ仮に18禁が出て来てもカガミ君の評価はこれ!!」

片目が閉じられているネネちゃんはかわいくウィンクをしているように見えたが、話の内容はえげつないものだった。


4人で僕のスマホを見つめる中、父さんが僕に託したQRコードの履歴を探して

【I-AMS】と書かれたページに飛んできた。

そしてアイコンそのものがページの進むボタンだったらしく勇気を出して押したのだが。



そこに出てきた文字は

ユーザー名  カガミ

パスワード  _ _ _ _ _ _ _


だった。「パスワードなんて聞いてないぞ。」

竜二は「またワカラン事が増えたのか~~」って愚痴ってきたけど僕だってそう思ったさ。まぁおいおい探していくか。


みんなで思い当たる7文字の言葉を考えてもやもやしながら今日は解散となり家に帰った。





「母さん母さん!。合宿行っていい?」

夜、夕ご飯を食べている最中に僕は佐井寺家の別荘に行く相談をする為、母さんに話を切り出した。


「んーカガミ。話が見えないわクラブは入って無いわよね?」

「あ。ごめん、なんか合宿って言ってみたくて。

来週ね佐井寺さんちが別荘に行くらしいんだけど、竜二と僕もついてこない?ってヒカルのお父さんから誘われてて、行って良いかな?」


母さんは

「佐井寺さんなら心配無いわね。いいんじゃない?行っておいで!あっちのお父さんお母さんには電話しとくからあとで番号教えてちょうだいね。」

「やったぜー!!!」

別荘行きの切符を手に入れた!!


それから合宿(別荘に行く)迄の時間は夏休みの宿題をできるだけ終わらして、新旧問わずゲームをこなしていった。滞っていたラスボスも攻略サイトを見て何とかクリアしたが、

「まさか【祈るいのる】ってコマンドでしか倒せないなんて。」

と口に出してしまうくらい、自分では思いつかない方法だったので、そこだけは釈然としなかった。

でもメロディーと構成は素晴らしかったから99点だね。


結局、その夜に竜二も別荘に行ける事になって2人で盛り上がってたらチャットでこんな話になった。


カ「合宿でヒカルのお父さんは何を教えてくれるんだろうね?」

竜「そりゃーT-SADティーサッドの事だろ」

カ「それって僕も聞けるのかなぁ?」

竜「カガミだけ他の部屋で待機で、俺たち3人でその話聞くの?なんか違うくね?」

カ「今までのハミり具合から考えるとあり得なくも無い。」

竜 「いっそ父さんにカガミもT-SADティーサッドだったって言っちゃう?」

カ「僕の目で見てないからまだ信用してないんだよね。」

竜 「そーゆーもんかー?まぁハミったらゲームでもしてろ!」

カ「OKです!」

竜 「あ、そうだこの前のゲーム返すよ!面白かった!ありがと!」

カ「いえいえ父に言ってください。」

竜 「カガミの父さんのセーブデータ序盤のLv 8で終わってたぞ。2つとも」

カ「え?なんで?でも心残りだったかもね?」


なんてダラダラしてたら夜も遅くなり、寝る前に僕も気になってスーハミから携帯ゲームに移植した赤いパッケージのゲームの電源を入れた。セーブデータが3つあり一つは自分、他の2つは主人公名が【カガミでLv8】だった。

「竜二と一緒じゃん」なんでだ?

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