第24話 発症期⑩ 発症
ヒカルが僕に
「カガミの手術の傷が無いのは不思議だな。」
そう言ってきたので、僕は服をまくって左脇を見せて
「ここにあるよ。」
もうかなり跡が薄くて肋骨の隙間に5センチくらいしか無い。
「ちっさ!そんなに小くて手術って出来るのか?」
「まぁここにいるって事は一応成功したみたいだね。僕としてはみんなの様なカッコいい
3人は顔を見合わせなんとも言えない顔をしてた。ん?変なこと言ったかな?
「でもカガミ君みたいに小さな傷で済ます方法が何かあるんだよね、きっと。私もこのくらいの傷が良かったなぁー」と不思議そうに傷を眺めてネネちゃんがツンツンと傷を触ってきた。
女子につつれるのはなんだかドキドキするぜ!
僕は交換条件にネネちゃんの胸の傷も見せてもらおうと提案、すると両男子2人に猛烈に睨まれてあえなく断念。
ネネちゃんからは、ただただ嫌そうな目で足元から頭の毛先まで見られて、そっと後ろに一歩、距離を取られましたとさ。冗談だよ、冗談!
僕が「更にこの前もう一個発見がありましたので報告します!では竜二君どうぞ!」
竜二は、
「えっ?何?俺?」と困惑していたがやっと理解したのかあぁと言って
「俺の出来る事がわかったんだよ。電気とか電波かなぁ?それが見えるんだ。」
「そーなの!!すごい!」とネネちゃん。竜二にだけ
「そうか!だからあno@♪€°!!痛いよ!2人とも!何すんだよ!」
突然 僕と竜二に口を塞がれボディーブローを喰らったヒカルは意味もわからず反論してきたが、僕は
「今のはお前を助けてやったんだ。ありがたく思いやがれ!まぁ自分可愛さもあるけどな。」
竜二は
「その日のことはもう忘れよう。ヒカルにとっても俺にとってもそれが幸せだ。」って言ってヒカルが気づけたよ。
頭を下げて「助けていただきありがとうございます。」なかなか素直じゃないか。僕と竜二が、肩にポンポン手をおとし男子3人でにこやかに話してると、ネネちゃんが、
「あー裸で踊ってた日ね。何であんなに3人ともゲッソリ落ち込んで教室に帰ってきたの?」と僕らの傷口をナパーム弾で攻撃してきた。
やめて下さい!何でもしますから!!
とりあえず家族に報告してスマホも欲しいって事になって僕達は竜二の電話番号をメモって下校となった。
帰宅後、宿題を済ませて、次のゲームをディグってたら竜二に貸してるスーハミのゲームが
「リメイクでアドバンス(携帯ゲーム)版になってるじゃん!」って事に気づいた。
全部やったと思ってたのに僕も
あ、なんか竜二と花壇の花の蜜を
いやーしかし今日は大変な日だった。あんな形でみんなに伝えるとは・・・。疲れたよ。
でもテストも終わったし、明日から夏休み本番だ!昼ご飯はパンをかじったしとりあえずさっき見つけたゲームやりますか!
「どれどれ初めに主人公の名前か、えっと【ドスコイ】っと。次に他のキャラクターの名前。え、次に【好きな献立】? ラーメンっと。最後に【カッコいいと思うもの】?ダークマターにしようかなぁ。やっぱ
ドスコイっと、何だか不思議なゲームだなぁ。」
パッケージのアカ色はともかく僕はこのゲームにハマって母さんがお仕事から帰って来るまで夢中になってプレイしてしまった。
「ただいまー。」
「あっ、お帰り母さん!ゴメンご飯炊くの忘れちゃったよ!」
「いいーのいいーの!きょうは母さんも疲れちゃったから外で食べるのどうかしら?カガミは何食べたい?」
僕はさっきのゲームを思い出して「ラーメン!」と言って、願い通り中学夏休み記念のラーメンを食べる事になった。
ラーメン屋さんで二人で向かい合って食べながら「今日は何で疲れたの?」って聞くと
「薬の事すっごく詳しく聞いてくる子供がいて、私の説明が下手だったのかしらね、とにかく時間がかかったの。しかもお店の近くにドコカラファイナルって言う別の薬局が出来るらしくって店長が凄い焦ってたわ。またハゲが進まなきゃいいけど・・・。あ、でもそうなったらゴリアップね!あの薬はゴリラのような体毛が生えてくる以外は良い育毛剤で~以下略~。」母さんは仕事が好きなんだよなぁ。話し出すと止まらない時あるんだよね。僕も好きな仕事に出会えるかなぁと思いつつ、ラーメンがのびるから
「へー。ムギ薬局も大変だね。とりあえず食べよっか!」と話を適当な所で切った。
家に帰って「母さん!これ中学初通信簿。それと期末テストは堂々の学年5位だったよ!!」と告げると
「やったじゃない!!すごいすごい!」パチパチパチと拍手をしてくれて、
「約束だもんね。でもスマホばっかりはダメだよ!」って言って翌日さっそくスマホを買いに行くことになった!やったね!
翌日、母さんはわざわざ休みを取ってくれて、スマホを契約しに一緒にショップに行ってチマチマした手続きを経てとうとう念願のスマホをゲットしました!!!
さっそく家でアプリを落としたり自分のアイコンを【魔法陣】のマークにしたり竜二の番号を登録してもらったりしたんだけど、竜二からメッセージアプリのグループってやつに誘われて参加すると、もう
グループチャットに「僕が最後かよー」って入力すると3人が同時くらいのタイミングで
光「前々からこうなるとは思ってたけど。」
音「大丈夫!絶対治る日が来るから!」
竜「とうとうはじまったか!」
と訳の分からないメッセージが届いて、僕はみんながさっきまで僕の知らない話をしてたんじゃないかって思ったんだ。
とりあえず数日後に公園で会う約束をしてグループチャットは終わった。
その後、母さんが「これ、どうやるの??」って聞いてきた。手にはQRコードが描かれたカードが2枚あって
「や、なにそれ?」
「う~ん 父さんがカガミにスマホを持たせる時に母さんとカガミで読み取ってって言ってたような。忘れちゃった!」うろ覚えなのね。
カードの裏には【みかん用】 【
僕はQRコードリーダーで母さんの分と僕の分お互いのスマホで撮影して
インターネットに接続された先に【I-AMS】と書かれたアイコンのあるページにたどり着いた。
「
「母さん・・・。僕は父さんの性癖に特に興味は無いんだけど、何だかいやらしいページに行く気がするんだよね。それについては興味が無いというのは嘘なんだけれども、まだ僕も中学生だ、本来ならここで18歳以上ですか?【はい】【いいえ】の選択肢が出てくるはずなんだけど、あ、この情報は竜二から聞いたから実際に僕自身が見たわけじゃないからね。話を戻すよ。その先に花園があると聞いたことがある。でも僕の知っている知識ではたしか花園はラグビー場であって非常に男臭いんだ。カワイイ母さんが見るもんじゃない。まぁ100歩譲って見るとしたら?僕かなぁ・・・。と言うことでこの件は一旦僕に預からして今日はゆっくりしよう。ちょうどスマホの慣れないブルーライトが目に突き刺さって出血してきてるから急いで部屋に戻ろうと思ってたんだ。じゃあまた後で。」と言って自分の部屋に行こうとすると。腕をつかまれて
「スマホはリビングに置いていきなさい。」と言われました。イエス マム!!
2日後
僕は夏休みの宿題を半分くらい終わらして竜二達と待ち合わせ場所にいた。
あの日以来QRコードのカードは母さんが隠して見せてもらっていない。
竜二が、その後すぐ、佐井寺兄妹が来て、「おーい!こっちこっち」と公園で手招きしたんだけど、3人とも僕に対して恥ずかしそうな顔で話す【ビジョン】が見えた。
どうしたんだ?みんな?
僕は近づいてきたみんなに「僕またなんかやらかした?」と聞くと
「とうとう発症しちまったな。最近【沈黙の】とか【暗黒の】とかカッコいいと思う?」と竜二に聞かれ、
「そりゃカッコいいと思うよ。付けて欲しいくらいだよ。」と返すとその横で3人は目を反らして既にビジョンの様に表情に恥ずかしさが出てきていた。
「一体、僕の体に何が起こってると言うんだ!?」と言うと3人は「ブフッ」っと笑って
「中一でもう発症か?カガミ!1年はやいよ。」と腹を抱えながらヒカルが言って来てようやく気付けた。
「1年はやい?えっ 僕って・・・・中二病だったの??」
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